「港町」によせて

恋が愛に変わり、将来を約束しかけた二人。

けれど、迷いや不安ばかりが大きくなってしまい、悲しい決断をしなければならなくなった。

それは、円満ではなく、そっと離れるという心苦しい方法だった……。


あなたはそんな経験ありますか。

「ずっとあなたのそばにいたい」と思う反面、そのときの経済状況を見ると、不安しかなく、なかなか前に進めないまま、時だけがむなしく過ぎていったことがありました。

まるで寄せては返す波のように……。


わざと忙しくして(時には忙しいふりもしていたかも)、現実を少しでも変えるべく奮闘していたら、知らぬ間に「私の知らないあなた」になっていました。

こうなっては元に戻そうとは思えないし、元に戻そうと努力するより、その人が本当に幸せになれる方法を考えたくなります。

「あきらめという名の優しさ」。言葉は悪いけど、最低なやり方かもしれないけど、傷ついたけど、悲しかったけど、悔しかったけど、今なら決断してよかったと心から思えます。


きっと、優しすぎた自分にもいけないところがたくさんあったのかもしれません。優しすぎるよってこれまでたくさんたくさん言われてきたじゃないか。

でも、束縛はできなかった。寂しいと素直に言えなくて、我慢するほうを選んでいました。

今ならきっと、素直に寂しいとか苦しいとかこんなことがあってとか助けてとか言えると思うけど、あの頃は自分から逃げることしか、自分の気持ちに嘘をついてさっとふたをすることしかできない未熟者でした。


思わぬ形で知った「あなた」の新たなステップをそっと応援するかたわら、私も自分磨きをして負けないぞと踏ん張っている今を知ったら、どんな反応をするだろうか。

応援してくれた人たちからはあまり良く思われないかもしれないけれど、私が選んだ道だから。

思い出したくない場所でも、時が過ぎて笑顔になれる瞬間が増えたら、そして「心の支え」となる人がまた見つかって、将来一緒になることを決断できたら……。

笑顔であの港町を訪れたいです。そして、一生そばにいたいと誓いたい。


そんな夢のような瞬間を想像して描きました。

ちょっと照れ臭いけど、これも大切な「ありのままの今」として、そっと残しておきます。


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