第4話 また会えるかな
「いや、どう考えても圭が一目惚れしたんだよ!」
と、翔太は笑いながら俺の質問に答えた。翔太は俺の中学からの親友であり、翔太は結構女子からモテており、これまでに3回も付き合ったことのある俺と真逆のモテる男である。いわゆるモテ男ではあるが、はっきり言ってイケメンではない。だけど翔太はとても人当たりがよく性格面において彼よりいい人を俺は見たことがないくらい彼はいい人であるから、そういうとこがモテるところなんだなと思う。だから俺はよく女性関係で迷ったり、悩んだりしたときは必ず一番初めに翔太に相談する。そして今もバイト先で出会ったあの元気のある子についての話を聞いてもらって、翔太なりの意見をもらったとこである。
「えっ、一目惚れ?いやいやそもそも俺見た目だけで好きになったりしないから」
「じゃあ、はっきり言ってその子はかわいかった?」
「う~ん、えっとね~、あ~まあ俺の好きな感じであった」
「へえ~、一回顔見ただけで今もその子の顔思い出せるんだ~」
「しょうがないだろ、なぜか頭の中に浮かんでくるんだから」
「その時点で好きじゃないにしろ、お前の中で彼女のことを気になっているんだよ」
「そうなのかな~」
「そうだよ、だって普通に考えて、お前が一度顔を見ただけの人なんてこの世にたくさんいるだろ!その人たち全員の顔覚えているか?」
「いや、確かにそんな人いっぱい居すぎて顔なんて覚えてない」
「だろ、なのにお前はその中で彼女の顔だけは思い出せるし、頭の中に自然と浮かんでくるんだろ?もうその時点でお前の中で彼女の存在は、ほかの人と違う特別な存在なんだよ!」
と、翔太に言われて確かにそうだなと思った。なぜか翔太に話すと今日みたいに確かにと納得してしまう。翔太がどんな気持ちで俺の恋愛相談に乗ってくれているのかはわからない。真剣に考えて答えてくれているのかもしれないし、はたまた俺は彼女いたことないからなんとか恋させて彼女作らせようとするためにそれっぽい感じで答えてくれているのかもしれないが、そんなことはどうだっていい。俺は誰かに聞いてほしくて話しているだけであって、そんな俺の話を真剣に聞いてくれているだけでありがたいのに、さらにちゃんとした返答やヒントなどを教えてくれるので、ほんとに翔太はいいやつだと思う。そして俺は翔太と話したおかげで、俺は一つ気づくことができた。それは、今はまだあの子に対して抱く気持ちが好きかはわからないけど、俺の中で特別な存在であるということに気づくことができたので、俺は翔太に
「ありがとう、まだ好きかはわからないけど、翔太と話してすっきりしたわ」
というと、翔太はからかったように
「よかった、まあ絶対一目惚れでお前はあの子のことが好きだけどね~w」
「いや、それはまだないw」
「まあとにかく次あったら名前と年齢だけでも聞いときな」
と最後にミッションのようなものを言われたが、俺はこの時すでに次会ったら名前と年齢を聞くつもりであったので、
「おう、もちろん!」
と元気よく答えた。
そして俺の頭の中にふと彼女が浮かび俺は思った。
「また会えるかな」
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