第3話 この気持ちは何?
「圭君~、見てかわいくない?このペンギン」
「ほんとだ!小さくてかわいいね!」
俺は今、久しぶりにデートで動物園に来ている。相手は同じ大学の子だ。一度授業のグループワークで同じになったことがあり、そこからよく話したり、LINEなどで連絡を取っていた。彼女の名は茜(あかね)、結構積極的な子で、きっと俺に好意があると思う。今日のデートも茜から誘われた。茜は大学の中でも結構人気のある子だ。顔は確かにかわいいが俺は好みではない、なんでかっていうと俺は美人系よりかわいい系のほうが好みであり、茜はどちらかというと美人系に近い気がするからだ。だけど、彼女のいない俺にとって茜とのデートを断る理由もないのでもちろん承諾し、今に至る。
「圭君、次あっちの動物たち見に行こうよ」
「いいよ、見に行こ」
そしてあっという間に時間は過ぎて、もう解散の時間が迫ってきた。すると茜が
「ねえ、またこんな風にデートに行かない?」
と聞いてきた。なのでもちろん俺は
「今日楽しかったし、もちろんいいよ」
と返した。これは本音である。すると茜は嬉しかったのか一度後ろを急に向いて少したってからこっちを見た。そして突然真剣な顔で、
「圭君は、今付き合っている人か、気になっている人とかいないの?」
と聞いてきた。俺は少し考えてから、
「う~ん、どうだろう~、好きな人はいないかな。」
と答えた。すると茜はもっと嬉しそうな笑顔になり、
「じゃあね~、またLINEとかで連絡するね~」
と言って、今日は解散になった。
俺は茜とのデートが終わり、帰り途中にふと疑問に思った。それは、さっき茜に
「好きな人がいるか」と聞かれたときに俺は即座に「いないよ」と答えるつもりであったのだが、なぜか俺の頭の中にこないだバイト先で会った元気のある子が浮かんできたからだ。そのため、少し考えてからの返答になってしまった。そして帰り道に俺は
「もしかして、俺あの子のこと好きになったのかな」
と不意に思ったが、こないだ会ってからしばらくたったがその間いつものように出勤していたがあの子とは一度も会うことはなかった。なのでさすがの俺も一度あいさつで顔を合わせたくらいで人を好きになることはないと思ったので、その不意に思った好きという気持ちはあり得ないと思い直した。それでもなぜかあの子の存在が俺の頭の中から離れなかったのでますます自分の気持ちがわからなくなった。だから俺は「翔太」に聞いた。
「この気持ちは何?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます