第5話 剛腕プロデューサー崎山?
某日
東京都港区虎ノ門、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(以下SPE)会議室にてプロデューサーの崎山は、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)大林浩子会長とZOOM会議をしていた。
「大林会長、事前に資料はお渡ししたのですがそもそも『女スナイパーは派遣社員!』の映画はご存知ですか?」
「ごめんなさいね、主演がヒロセカンナちゃんだってことは知ってるんだけど映画自体は観てないのよ。」
「いえいえ、全然オッケーですよ。ヒロセカンナちゃんが主演してるのをご存知だっただけでも十分ですよ。」
「それでなんですけどね、次回作が『女スナイパーはプロゴルファー!』で行こうと思ってまして是非、JLPGAさんに撮影協力と企業協賛のお力添えをお願いしたいのですがいかがですかねえ。。。。」と崎山はハエの様に手をこすり合せながら打診した。
「いやね、我々もね宮里藍ちゃんや横峯さくらちゃんの時代に比べると今注目度が下がってるのが懸念してるのよね。野球は大谷さんがすごいでしょ。サッカーはワールドカップがあるしね。このオファーは願ったり
実は既にツアーに協賛している企業様にも御声がけしてて、既に10社から前向きな返事はきてるのよ。」「それでね、こちらから条件があるんだけど、いい。」
「全然おっしゃってくださいよ。可能な限り対応いたしますんで。」と崎山は少し大物風な顔を作りながら返答した。
「女子プロは3月に開幕するんだけど、4月にプロ野球関係が開幕すると毎回注目がそっちに行っちゃうのよね。そこでお願いなんだけど、4月のトーナメントでヒロセカンナちゃんをアンバサダーとして招待したいのと、映画も同時期に公開してタイアップしたいの。これが条件なのですが大丈夫ですかね。」
「そうですね、アンバサダーの件は大丈夫なんですが、映画の公開タイミングがね。。。。。」
(やべー、まだ原作も出来てないのに厳しいなあ。)
「崎山さん、うちのツアー協賛している企業見てもらえば分かると思いますけど、SPEさんが普段取引のない保険会社さんや製薬会社が多いので今後のことを考えても御社にメリットがあると思うんだけど。」
(そうなんだよなあ、協賛企業の新規開拓になるしなあ。それに、コージちゃんと監督の安野ちゃんがなんとかしてくれるでしょう)
「ですよね。分かりました、この崎山のデカくてアゴの割れた顔に懸けて何とかしましょう!」と少しすべりつつ、こめかみに汗をたらしながら返答し打合せは終了した。
翌日、コージの携帯に着信があった。画面を見るとソニー・ミュージックエンタテインメント(以下SME)の高橋ユウトからだった。
嫌な予感しか無かったが出ることにした。するといきなり、
「コージさん、たたたっ、大変です。『女スナイパー』の続編決まりました。」
「いや、知ってますよ。この前打合せして来春頃撮影開始するからそれに合せて草案ねってますけど。」
「ちっ、違うんですよ。来春撮影開始じゃなくて、来春公開。具体的には4月に変更になったんですよ!」
「ちょっと、意味が分からないんですが。。。」
「たっ、確かに先日の打合せでは来春撮影開始予定だったんですがスポンサーの意向で早まったんですよ。」
「そんなのこっちは知りませよ。でいつなんですか締め切り!」
「で、いろいろみんなで打合せて逆算したところ。。。。。。明後日には欲しいですね。」
「頭のネジぶっ飛んでるですか!!先日の打合せてようやくゴルファーの路線でいくのが決まったばっかりですよ。」
「あの、ヒロセカンナちゃんが前作に続いて主役で決まってるのでまた、会えますよ。コージさんのことすごい天才っておっしゃってましたし。」
「あのー、確かにヒロセカンナちゃんは可愛いですけど、どちらかというと綾瀬はるかさんとか長澤まさみさんとかの世代が好きなんですよ。」
「わかりました、ちょっとその辺は崎山プロデューサーに話しておきますね。ただ、今回は着手金と原稿料がそれぞれ×××で、印税率が×××なんですよ。もちろん、断っても全然いいんですけどね。どうします?」
「うーん、高橋さんがどうしてもっておっしゃるなら、プロとして何とかしてみましょう。」
(今回のギャラはヤバイなあ。これは断れない金額だしなあ。でもどうしよう。。。。。)
(まあ、適当に作って安野監督に何とかしてもらえばいいか。)
コージは電話を切った後、早速執筆を開始した。
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