第245話「エヴラールさん、がっぽり稼ぎましょう!」

「はあああああ………」


エヴラールさんは、脱力し、大きく息を吐いた


その瞬間。


ドラゴン10体を倒し、前回同様、俺のレベルが上がった。

先日、大破壊を収束させた際、オーガを5千体倒しても、

なぜか俺のレベルアップは行われなかった。


しかし、さすがにドラゴン10体を倒せば何もないわけがない。


ぱららら、ぱっぱ~!!


ファンファーレが鳴り渡り、心の内なる声が、


レベルのアップ、各パラメータのアップを告げてくれた。


例によって、全てを記載しないが、こんな感じである。


〇名前:ロイク・アルシェ


〇種族:人間族


〇性別:男子


〇年齢:16歳


〇LV:レベル:18⇒19⇒20⇒21


〇属性:プラス地、水、火⇒全属性魔法使用者オールラウンダー


〇職業:元農民⇒元店員⇒元プー⇒冒険者ランクB、ランカー

⇒王国執行官、冒険者ランクA、トップランカー

⇒王国伯爵、王国執行官、冒険者ランクS、トップランカー


備考:最高顧問2組織


〇STR:ストレングス:9,000⇒10,000《MAX》


〇DEX:デクステリティー:10,000《MAX》


〇VIT:バイタリティー:10,000《MAX》


HPは、6,500⇒7,000


〇AGI:アジリティ:10,000《MAX》


〇INT:インテリジェンス:5,700⇒6,500


〇MND:マインド:7,000⇒8,500


MPは、5,800⇒6,800


〇LUK:ラッキー:10,000《MAX》


〇CHA:カリスマ:7,000⇒8,800


おお!


またも一気にレベルが3つもアップ!


レベル21になった!


でも、レベル21なのに、何て凶悪な能力だ。

さすが、アラン・モーリアの初期設定でプレイスタートしただけある!


職業もめっちゃ増えた。

備考までついてるぞ。


そして各パラメータも大幅増!

MAXだらけ!

MPもばっちり増えたし、カリスマも半端ねえ!


俺は更に『最強への道』を数段上がったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


一方……

脱力し、大きく息を吐いたエヴラールさんだが、

結局はこの場に残り、俺とともに、金塊、宝石等の採集をする事となった。


幸い、エヴラールさんは採集用の専門袋を携帯していた。


真っ暗闇の中、魔導灯を照らしながら、まずはドラゴンの死骸を回収する。


これが一番、実入りが良い。

王国も喜ぶ。


俺は収納の腕輪を機能させ、倒した10体の死骸をどんどん放り込んで行く。


目の前で、巨大なドラゴンの死骸が次々と消えて行く。


そんな不可思議な光景を見て、エヴラールさんは呆れ、感嘆のため息を吐く。


「今度は空間魔法ですか? 最高顧問は本当に規格外ですね……」


俺が魔道具『収納の腕輪』を所持しているのは誰にも内緒。

嫁ズへさえ言っていない。

公式発表では『空間魔法』と告げてある。


この収納の腕輪は、王都のとある古道具屋で購入した。


それも、『ひとつ、どれでも銅貨5枚!=500円 激安!! 早い者勝ち!』

ワゴンに山盛りとなっていた処分品セールに、他の商品とともに埋もれていたのだ。


前世ケン・アキヤマの時、アラン・モーリアでプレイしていなければ、得られない㊙情報。

絶対にゲット不可能で、国宝級ともいえる、レアアイテムだ。


やがて……ドラゴンの死骸10体は全て回収された。

斬り落とした尾も一緒に回収した。


「よしと! じゃあ、金塊と宝石を回収しましょう」


「は、はい!」


俺が先導する形で、エヴラールさんがついて来る。


先述してあるが、念の為補足しよう。


このトレゾール公地は、「湧き出て来た魔物を全て倒す」と、


クリアー特典として、1時間、3時間、5時間、3パターンの『インターバル』が設けられている。


どれくらいのインターバル時間になるのは、完全にイレギュラーで運。


という事で、俺とエヴラールさんは、早速河原へ。


「おお! あるある! エヴラールさん、がっぽり稼ぎましょう!」


「で、ですね! 最高顧問! たくさん採集出来そうです!」


邪魔者がしばらく現れず、お宝取り放題とあり、エヴラールさんも、目を輝かせる。


この前と一緒。


俺とエヴラールさんの目前の河原には……

ぱっと見ただけで、肉眼ではっきり視認出来る鉱石がたくさんある。


こぶし大の砂金というか金塊がごろごろ。


おお! 金塊だけじゃない!


ごろごろ転がっている金塊以外にも、様々な宝石の原石がいっぱいだ!


ガーネットがある!

トパーズもある!


貴重だとされる淡いピンクや、オレンジのインペリアルトパーズもあるぞ!


深緑の半透明な宝石だが、原石は白っぽいヒスイ。


石英も含め、水晶は最も多い。


俺は念の為、魔獣ケルベロスを警戒に当たらせる。

万が一、ロジックが崩れ、想定時間より早く魔物が現れても、

ケルベロスが時間を稼いでくれれば、態勢を立て直す事が可能だ。


「ロッジへ戻る時間も考え、とりあえず30分で採集を終了させ、戻りましょう」


「了解です」


俺の指示を聞き、エヴラールさんは笑顔。

大きく頷いたのである。

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