第164話「グレゴワール様は、今朝に輪をかけるくらい上機嫌。 超が付く照れ笑いという感じで、凄く嬉しそう」

冒険者ギルドから、リヴァロル公爵家邸へ戻り、

シャワーを浴びてさっぱりしてから、秘書達と合同連絡会議を行う。


湯上り、石鹸の香りがする美女達と、顔を突き合わせて会議など……

前世のケン・アキヤマでは考えられない展開であるが、

王国執行官となったロイク・アルシェにとっては、これがリアルな現実である。


会議を始めてから1時間、そろそろ終わるというところで、グレゴワール様がご帰還されたという連絡が別棟の使用人から入った。


風呂上りではあるが、グレゴワール様をお出迎えし、その後に本館で夕食を摂る。

なので、皆、正装に近いブリオー姿だ。


補足しよう。

ブリオーは、11~13世紀 のヨーロッパで着用された典型的なチュニック形式の表着である。

男女ともに着用され、羊毛や絹などの寛衣であり、袖付きが一般である。

なかには袖なしの上っ張り形式を取る事もある。


ステディ・リインカネーションの世界でブリオーは、貴族から市民まで着用するのだが、材質デザイン等でその違いは著しいのだ。


さてさて!

合同連絡会議の方は、俺のお披露目イベントの再確認が済み、大筋がまとまった。

ルナール商会訪問、勤務の方もすり合わせが済んだので、

グレゴワール様への報告も支障がない。


『お出迎え』した後、グレゴワール様が夕食を摂る準備が整うまで、

移動するのも非効率なので、秘書達と一緒に、ジョルジエット様、アメリー様と話をしていれば良いだろう。


「さあ、グレゴワール様をお出迎えに行こう!」


「「「はい!」」」


という事で、急いで別棟を出た俺と秘書達。


速足で、馬車を停めたロータリー?へ。


既に大勢の騎士、使用人とともに、ジョルジエット様、アメリー様も、

グレゴワール様を待ち受けていた。


うん!

俺の言う事はふたりとも素直に聞いてくれるんだよな。

結婚した後どうなるのか、少し不安はあるが。


ジョルジエット様、アメリー様は、俺と秘書達を見て手を振る。


俺と秘書達は一礼し、ジョルジエット様の後ろへ入れて貰う。


ここでちょうど、グレゴワール様が馬車から降りて来た。


最初に声を張り上げるのは、家令セバスチャンさんの役目だ。


「お帰りなさいませ!! お疲れ様です!! グレゴワール閣下!!」


続いて、それ以外の者達も唱和する。


「「「「「お帰りなさいませ!! お疲れ様です!!」」」」」 


居並ぶ出迎えの中に、ジョルジエット様、アメリー様。

そして俺と秘書3人の姿があるのを見て、

グレゴワール様は満足そうに微笑んだのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


ジョルジエット様、アメリー様。

その護衛のアンヌさん、ジュリーさん。


俺の秘書シルヴェーヌさん、シャルロットさん、トリッシュさん。

男俺ひとり、美女美少女達7人と、とりとめのない話をしていたら、

あっという間に使用人が来て、夕食の準備を告げた。


アンヌさん、ジュリーさんは騎士専用の食堂で夕食なのでフェードアウト。


俺と女子5人で、大広間へ。


ここでまた今朝の、朝食の再現。

お約束と言う事で、

ジョルジエット様、アメリー様は俺が座った席の両脇に座って「あ~ん」攻撃。


そしてグレゴワール様も、俺の秘書、シルヴェーヌさん、シャルロットさん、トリッシュさん、タイプが全く美女3人に囲まれ、ちやほやされる形で、楽しく食事を摂っていた。


俺と秘書達はともかく、

先ほど、愛娘ジョルジエット様、娘同様のアメリー様がお出迎えしたのが、よほど嬉しかったのだろう。

グレゴワール様は、今朝に輪をかけるくらい上機嫌。

超が付く照れ笑いという感じで、凄く嬉しそう。


食事が終わってからの打合せもOKとの事。


ひと息ついてから、グレゴワール様の書斎へ移動した。


俺が中心となり、秘書達が補足する形で、グレゴワール様へ話す。


まずは、俺のお披露目イベント、王立闘技場のトーナメント、

ファルコ王国王家主催武術大会の件である。


「グレゴワール様。シルヴェーヌさんがまとめた資料の再確認が終わり、俺を含め、

受け持つ作業の分担も終わりました。明日から作業を開始します」


「分かった! 順調のようだな。そのまま作業に取り掛かってくれ。運営を担う冒険者ギルドとの調整もこれからだな?」


「そうです。トリッシュさんが中心に動きます」


「うむ、他には?」


「はい、明日はルナール商会へ赴き、請け負う仕事の確認を行いたいと思います。こちらはシャルロットさんが中心に対応します」


「分かった」


「こちらは以上です」


「そうか! じゃあ、こちらからも話す事がある。……王女ルクレツィア様の事だ」


グレゴワール様はそう言うと大きく息を吐き、俺を見つめたのである。

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