第48話 タイムマシンは造れない!
ゴドーキングダムとかいう、可哀想な名前を付けられた街を後にし、北へ向かっている。
「幽体離脱〜〜!」
「幽体離脱〜〜!」
……可哀想な名前を付けられた兄弟に、100年前(当人比)のギャグを見せられた。
「……受けないな。あ○ち充が流行らせて、一世を風靡したと聞いていたのだが……」
お兄さん、かなり間違ってます。その情報。
本当に約100後の未来から来たらしい。
ではなぜ、我々と話が会うのかと言うと、
『ミレニアムブーム』というのが、起こったらしい。
西暦2000年前後の漫画、アニメ、ドラマ等、著作権がフリーになったものが様々なメディアで無料配信され、再ブームとなったという。
「この話の近未来、全然間違ってる!」なんて突っ込む輩もいたが、多くの人が、世界中の多くの人が、
「面白い!!」
そう感じて虜になった。
創造力に優れた先人たちの作品は、100年経っても色あせない。
……と、これは解り易かった方の説明。
*********注意***********
今回、理由説明の回なので、軽く読み飛ばして下さい。多分、頭が疲れます。お許しをm(_ _)m
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「タイムマシンは造れない!……私たちの時代では、まだ無理なの。」
未来人がとんでも無いことを言いだした。
「だから俺たちは、正確に言うと、人間ではないのかも知れない。」
もしもしお兄さん??
「さらに言うと、未来人でもないかも知れない」
ちょっと待て未来3兄弟?!
説明してるのか混乱させてるのかどっちだ!!
……タイムマシンの誕生は、未来でも、まだまだ先だと思われていた中、
とある研究チームが、「タイムホール」を発見した。
簡単に言うと、過去の地球が見える穴。
少し難しく言うと、別空間を見る装置(空間探査鏡)で、手当たり次第に異空間を観測していたら、やっと何だか解るものを見つけ、それが過去の地球を観測する座標だった。
地球を宇宙空間から見える座標。日本の研究チームだったので、常に日本の上空が観測できるポイントを自動計算するようにセット。近づき過ぎると、あちら側の地球の重力の影響でノイズが出るため、人工衛星より遠いポイントからの観測となった。
で、しばらくして、
「100年前の天気が解るだけじゃないの?」
電波を送るのは出来ても、向こうからの信号は受け取れない。人間、生物どころか、砂粒1つ送れない。
研究費差し止めの危機となった時、月の土地、星の命名権などを売るように、無数に散らばる不要な宇宙ゴミ「元、人工衛生」の所有権を売り出す苦肉の策が大ヒット。
「人工衛星のコンピューターに、貴方の名前を書きませんか?」
キャッチコピーで売りに売れた。
でも短い春。確認も何もできない、つまらないとブームはやがて下火。実際に買った成金が、宇宙で100年後の自分の衛星を回収すると……書き込んだメッセージが入ってない。
「インチキだ!」ブームは終わった。
……聞かされた一同、
(何の話をしているの?)
と思っている。
その下火の人工衛星を買い占めたのが、ゲーム会社の若きCEO、兄たちの友人、セインの婚約者だ。
殺人ゲームと非難され、配信を中止しろと脅される毎日。一方で、もうリタイアできない人たちからは、止めるな!殺す気か!と非難を受ける。行政も迷う。すでに使用中止命令は出ているが、アイたちの[世界]でもそうなように、ハマって続けている者も絶えない。ゲーム機を持っていないのに、近所のゲーム機によって強制参加させられるケースも増えてきた。
政府は決断した。
これ以上犠牲者を増やさない方を選んだ。
配信終了、サーバー処分の期日間近、婚約者は大量の人工衛星所有権を買い占め、今あるデータ全てを人工衛星に転送した。
スーパーコンピューターというのは、すごく簡単な言い方をすれば、コンピューターの集まり。
USBメモリーのサイズには、数十年前ではデータ容量がいくらも入らなかった。同じメモリーでも、圧縮の技術革新で、何倍何十倍も容量は増える。
宇宙ゴミの再利用。廃棄衛星でネットワークを作り、ソーラーエネルギーで可動。日本の遥か上空にある巨大サーバー、
それが[世界]の正体!
万が一の奇跡を願って送ったプログラムが、万に一つの奇跡を起こした。
m(_ _)m 人間の脳内伝達物質は、電波のように飛んでいる。これが実は物凄く飛び、宇宙まで届く……という設定でやっております m(_ _)m
↑その理由は、双子が離れていても共感できる研究から始まり……割愛! m(_ _)m
「もしかしたら、我々兄妹だけのために、アイツは実行して、君たちや現在の人たちを巻き込んだかも知れない……」
アズ兄とキャス兄、続いてセイが頭を下げた。
「本当に済まない!!」
三兄妹の頭は下がったままだ。
「……頭を上げて下さい。」
「ええ……貴方たちに罪は無いわ。」
「僕は逆に、お礼が言いたい。」
[世界]を終わらせたいというアイの発言。
「[世界]を知ってからの方がずっと充実しています!」
言い切るアイに対し、意識不明の妹を持つカナはちょっと複雑だ。
「悪いのは、[世界]をおかしくした連中です」
配信停止ギリギリまでアップデートを試み、魔王を倒したらゲームオーバーした人も復活する機能追加を日夜考えての転送。「間に合った」と思っている。「間に合った」と祈っている。
「大魔王を倒して、何も変わらなかったら、その時は……悪口を言わせて下さい。」
これでみんなスッキリした。
今はその方向で進む。
「何で今すぐ変更できないの?」
やっと空気の読めない女が本領発揮。
とにかくプログラムもウィルスもバグも入り組んでて、急変更は機能停止に繋がりかねない。リセットしても不自然じゃない瞬間に行うのが、最良と判断したらしい。
そして、残る疑問。
セインたち兄妹は、もう帰る身体を持っていない。眠ると「記憶部屋」に意識が飛ぶプログラムで、奇跡的に生きている。
「動いているだけかも知れない。」
だから、人間と呼べないかも知れない。
「カエルと人間が精神をチェンジしたら、どちらが人間だと思いますか?」
どこかで聞いた話。
「僕は、人間の精神が入っている方が人間だと思います。今の貴方たちのように。」
「……ありがとう」
そして、最後の疑問。
過去の人工衛星に書き込んでも、未来に反映されなかった……
ここは、過去ではなく、セインたちの過去に激似したパラレルワールド?!
未来人ではなくパラレルワールド人?!
それが、三兄妹の出した結論。
セインたちの知っているこれからの100年間がアイたちのこれからと同じとは限らない。
以上が三兄妹の知る、[世界]と自分たち。
そして、説明が終わり、別れることに
おっと、もう一つだけ説明された。
妹は、本当に普通のプレイヤー。本人が望んだのでチート能力をほぼ持ってない(MPが多めくらい。あとは全体的にやや高いステータス。純粋にゲームを楽しむつもりでいたから)。
監視員の兄たちはイベントに参加できない。イベントボスより強いので、戦えない仕様になっている。
魔王戦は本当にガチ勝負になる。魔王が外部ハッカーに強化されたなんて噂もある。
「命がけだぞ、それでも行くか?」
最後に、答えの決まっている質問をされた。
「はい。」
頷くと、最後の最後はセインに、
「セイ、お前も今度は行くのか?」
最初の頃に組んだパーティ。最初の頃だったので、ちょっとのオマケでも自分はチートだと思って、魔王戦の前で別れた……仲間は全滅。セインは後悔した。彼女には、そんな悲しい過去もあった。
「ええ。今度は最後まで一緒に。」
妹は、兄たちと別れて、セインに戻った。
さあ、いよいよ最後の五聖獣
「ごたいめ」と「ごたいめ〜ん」 m(_ _)m
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