第二章

9話 時が更に進んで。


「懐かしい夢を見ていたみたいだ。」

ライム 12歳。

世界大規模ダンジョンに挑む。


ダンジョンマスターが残した知られざるお宝を求め

夢見る男達が、最下層を目指す。



かぁーかぁーかぁー


「アンズに続いて、ライムも行くのか」

「探究者になるなんて不思議。もっといい職あったのに」

「本当に行っちまうなんて」

家族や元同級生達に見送られライムはダンジョンに

入った。



Gランク1F

「うわぁー大規模ダンジョンの中ってジメジメしてる。」


「キャキャキャキャキャキャ!」

ゴブリンが現れる。

「懐かしいな、ゴブリン。俺は成長したぜ!お前は成長したか?」


「磁気挟(マグネットサンド)」

ゴブリンが磁石に挟まれてペチャンコになった。


「もっと精進したらどうだ。」

呆気なく終わってしまってライムは、不満そうにつぶやいた。

「んー。まずは仲間集めしなきゃな。12人くらい欲しい。コックと荷物持ち。そしてクラン紋章」


「行くぞ!最難関ダンジョン!!お宝を手に入れるのは俺だ!!」


Gランク5Fボス部屋前。


「んにゃ?他に誰かいるのか?」

ボス部屋前でどうやらPTが揉めている。

「お前はここまでだ、もう帰っていいよ」

「荷物持ちご苦労さん。」

「ほら、お金持ってサッサと行きな。」

男性4人のグループで1人がボス部屋の前で追い出されている。

「なんでですか!僕も戦います。」

1人の男が3人に抗議する。

「ハヤテ、一発魔法はなったら倒れるじゃないか。」

「ボス戦で倒れたら、守ってやれない。」

「ここのボスは、2体現れる。」

追い出されそうな男は、ハヤテと言うらしい。

「僕の暴風魔法で全部吹っ飛ばします。ですから、置いていかないでくださいー。」

泣きそうな声で、ハヤテがPTメンバーに頼む。

「嫌だ!その暴風魔法で俺たちも巻き込むじゃないか。」

「威力は強いよ!けど威力以外ゴミじゃねぇーか。」

「服が破けるの嫌だ。」

「そんなぁぁぁ」


話を聞いてるとハヤテと言う男性にも問題がある様だ。

ここはスルーしよう。

多分関わっちゃいけないやつだ。

4人PTを抜けて、ボス部屋の扉を開ける。


ボブゴブリン2体が現れた。

ゴブリンより1.2倍くらい大きい。


「磁気「テンペスト!!」


竜巻が現れ雨が降る。ボブゴブリン達が竜巻に巻き込まれる。

「このままじゃ俺も巻き込まれてしまう。磁石盾(マグネットシールド)!!!」


竜巻が収まり、ボブゴブリン達は跡形もなく消えた。

俺は後ろを振り返ると、そこにはハヤテが倒れていた。

「僕の暴風魔法は、世界一、、、」カクン。

ハヤテが気絶する。


ボス部屋のドアが開き先程の3人組が現れた。

1人の男がハヤテをおんぶする。

「ごめんなさい。勝手に割り込んでしまって。」

男が頭を下げる。

「大丈夫ですよ。お気になさらず。それでは、」

ライムは下の階層に降りる。



「着いたぞ!ダンジョンの街!!」

ダンジョンの中にも街があり、人々が生活している。

「まずは、飯!」

ライムは居酒屋に入った。


「Fランクダンジョンには、スライム系のモンスターが多いらしい。酸を吐いてくるから注意っと、

それにしても変なやつにあったなぁ。ハヤテだっけ?関わったらめんどくさそう」

ライムは肉を食べる。

「めんどくさそうで悪かったな。」

ハヤテが現れた。PTメンバーは、おらず1人の様だ。

「お前、PTはどうしたんだ?」

「クビになった。」

「やっぱり。」

俺だって、技を打って倒れる様な奴いらないもん

「お前も1人だろ?俺がPT入ってやるよ。」

「要らない」

「1人は危ないぞ?」

「大丈夫」

「そこをなんとか!」

「間に合ってます。」

しつこいぞ、コイツ。

「昨日から何も食べてないのです。」

「ふーん。」

「ダンジョンの素材は、ダンジョンギルドに売ればお金になります。」

「知ってる。」


ダンジョンギルドとは、ダンジョン内の捜索願いや素材の売り買いができる。商業ギルドだ。

ダンジョン最深部に向かうのが目的のライムには余り興味が持てなかった。

ダンジョンギルドには、緊急依頼があり。ダンジョンのモンスターは、討伐しないと一定数増え続ける。モンスターがダンジョンから溢れて街を襲うことがあるのだ。その対処をダンジョンギルドが補っている。緊急依頼は、断る事も出来るが断った場合脱退、または罰金になる。


「僕はダンジョンギルドに登録してます。あなたが倒したモンスターの素材を売って、8割渡します。

荷物持ちもします。だからお願いします。PTに入れてください。」

ハヤテは、勢いよく頭を下げた。


「大丈夫です。」


仲間は欲しいけど、、利点が少ない。

ライムは、お金には困っていなかった。家を出る時500万キャットを親から渡されていた。持ち歩くのはさすがに重いので、現金ではなくカードで支払いが可能となっている。


ライムは、飯を食べ終わり店を出た。



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