6話 冒険者ギルド


「ライムー入学試験どうだった?」

「簡単すぎて、これでいいのか不安だった。」

入学試験を終えたライムは、ご飯を食べる。

「ユニークスキル持ちは試験免除なのに、よく受けようと思ったわね。」

「ユニークスキル持ちってだけで、評価されたく無いんだよ。」

ユニークスキル持ちは、歴史上名を多く残している人物が多いため。才能を逃さないために試験は免除されている。

さぁ結果発表だ。

ご飯を食べ終え学園に戻る。校門の前には張り紙が出されていた。

ダンジョン学園首席 ライム・クロム 500/500

SSクラス

ライム・クロム

エドモンド・ヘミングウェイ

ラムプトン・クレメンズ

レネ・アンジェリル

ボンゴ・オンディンバ

ユマ・ローズ

ルナ・ローズ


「主席だって。凄いじゃない。」

「お姉ちゃんも首席だったらしいじゃん。」

「兄弟揃って主席ってお母さんも鼻が高いわ」


掲示板の確認を終え、

すでに入学の準備を終えているので、珍しいものを探しに商店街に出かける。


両親は、旅館に戻るらしい。

商店街をブラブラしていると【冒険者ギルド】を発見した。冒険者ギルドとは、いわゆる何でも屋だ。

薬草の採取から、魔物の討伐まであらゆる事をこなしてくれる。

暇だし入ってみるか。冒険者ギルドの中に入ってみると、むさ苦しいおっさん達が沢山いる。視線を無視してカウンターに向かう。

「登録お願いします。」

「承知しました。この記入欄に名前と年齢、職業を記入下さい。」

受付おっさんが、丁寧な言葉使いで紙を渡す。

色々ツッコミたい事が多いが、今は無視しよう。

名前と年齢を書いて受付おっさんに渡す。

「職業が記入されていませんが空白で宜しいですか?」

「問題ありません。」

職業とは、神の祝福とは違い。己の力で与えられるものであり。剣を学べば剣士に、魔法を学べば魔法使いになれる。変更は出来ず、一生そのままである。新しくスキルを覚える事は無く、職業に関係するステータスにボーナスが入るだけである。


「こちらをお受け取り下さい。」

木でできたランクGと書かれたカードを受け取る。

「ご依頼は、ボードの張り紙を取ってこちらまでお持ちください。Gランクには討伐系は、ありません。Fランクに昇格時、注意事項や規則などが発生するのでご了承ください。」


なるほど、Gランクには特には決まり事が無いって事だな。入る人も辞める人も多いから、いちいち説明してたら時間がかかる。仮入隊って形なのだろう

「ありがとう。」

受付おっさんに頭を下げてボードに向かう。

何かいいの無いかなぁ〜〜。一つの張り紙に目が止まる。

【Gランク。鍛冶屋への届け物。500キャット】

張り紙を引きちぎり受付おっさんに渡す。

「これを受けたい。」

「かしこまりました。依頼失敗した場合、罰金。報酬の倍額払う事になりますが宜しいですか?」

「だいじょうぶです。」


受付おっさんから風呂敷を受け取る。ほんのり暖かい。どうやら中身はお弁当のようだ。

「鍛冶屋はどこにあるの?」

受付おっさんは、地図を開いて鍛冶屋の場所を教えてくれた。

「ありがとうございます。」


冒険者ギルドを出て鍛冶屋に向かう。

この世界では、円がキャットになっている。

パン1つが120キャット。物価も日本とあまり変わっていない。500キャットは、500円だ。

歩き始めて、30分鍛冶屋に着いた。


「いらっしゃい」

扉を開けると小さな女性がいた。

「ドワーフ?」

「ドワーフを見るのは、初めてかい?だいぶ田舎から来たみたいだねぇ。何を買いに来たのかい?」

「これ、、」

ライムは風呂敷をドワーフに渡す。

「まったく。依頼なんかせず、直接渡しに来ればいいのに」

ドワーフは、風呂敷を受け取った。

「ありがとさん。これ渡してギルドでお金受け取っときな。」

風呂敷の中に入っていた紙に、名前を記入してライムに渡す。

「んっ、ありがとう」

受け取りが完了して店を出ようとするとドワーフに話しかけられた。

「ちょっと待て。お前さんの腰につけてる刀見せてくれないか?」

「いやです。」

「ちょっとだけ、サービスするから」

「嫌です。」

「なんでも作ってあげるから」

うっ。丁度欲しいものがあったのだ。自分では、上手く作れなかった。


「ちょっとだけなら」

ライムは腰に付けた刀をドワーフに渡す。

ドワーフは、刀身を抜くとジッと眺める。

10秒ほど眺め、刀を鞘に収めライムに返す。

「この刀を抜いた事は、あるかい?」

俺は首を振る。

「この刀は、大三妖刀だよ。しかもかなり強力な。魂が打ち込まれておる。切れ味は抜群。極めれば切れない物など無くなるだろう。しかしその刀は呪われている。意思があるのだ。刀に認められない者がその刀を使ったとしたら、ただのなまくらになる。

10秒抜いただけで、HPが半分削れたよ。

いい刀を見せてもらった。一体どこで手に入れたのだか、、、。」


エレン先生?あなた一体俺に何を渡したのですか?



「もらった。」

「厄介な刀をもらったね。で、お前さんは何を作って欲しいのかい?刀でも作って欲しいのかい?」

「ガントレット」

「ガントレット?珍しいもの頼むんだね。ほら手を出しな。」

ドワーフがライムの手のサイズを測る。

「1週間後また来な。その時にはできてる。お前さんの名前は?」

「ライム」

「良い名前じゃ。私はトット。どうやらライムは大物になりそうじゃからな。これからもよろしく頼むよ。」

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