3話 現れよユニークスキル!

更に時が進み3年が経った。

アンズが8歳になり学園に通うことになった。アンズが通う学園はダンジョン学園。国が運営するダンジョン攻略の為の学園だ。ダンジョン攻略を目指さなくても、騎士や治安部隊などの育成もされている。

そして、俺こと[ライム・クロム]は5歳になった。5歳になるまでに、必死に体を鍛えダンジョン攻略に向けて努力して来たつもりだ。そして今日待ちに待ったスキル授与の日だ。朝からずっとソワソワしている。

「ライム、よく噛んで食べなさい。急いで食べても神の祝福の時間は変わらないわよ。」

「はーい。」

この世界では、スキルを与えられる事を神の祝福と呼んでいる。

「どんなスキルでもライムなら大丈夫さ。お父さんがこの日の為に努力して来たのも知っている。」


ご飯を食べ終え、時間まで本を読んで待つ。

Gランクダンジョンの地図やモンスター図鑑を読み漁る。時間は流れ、俺は馬車に乗り込み教会を目指す。馬車の窓を眺めていると、大荷物を持った女の子が街の脇で座っていた。

「お母さん。馬車を止めて!」

馬車を止まったのを確認し馬車を降り、少女に話しかける。

「お嬢さん。お困りですか?」

決まったー!!異世界に行ったら言ってみたいこと30の内の1つ!!

お嬢さん。お困りますか?!!!

「少し、休憩していただけです。ご心配ありがとうございます。」

少女が頭を下げる。

「もしよろしければ、馬車で目的地まで送りましょうか?」

「いえ、大丈夫です。お気になさらず。」

「いえいえ、その荷物を運ぶのは大変でしょう。私も丁度話し相手が欲しかったのです。話し相手になってくれませんか?」

「ごめんなさい。知らない人には、ついて行かないように言われておりますので、、」


はい。見事に拒否されました。そうだよなぁ。知らない人についていく方がおかしいもん。ラノベの展開って可笑しいもん。急に馬車になりませんかって誘拐犯とおんなじじゃん。はーい。大人しく帰ります。

「そうですか。では、歩きにくい道もあるのでお気をつけて」

「ありがとうございます。」

俺は、馬車に戻り席に座る。


「ナンパ失敗か?」

お父さん、今はそっとしといてください。

「うっさい.....お父さんと一緒にしないで」



教会に着くと子供たちで溢れていた。一人ずつ教会に入ってスキルを与えられる。昔、優秀なスキルを与えられてすぐに、スキルの使い方がわからない子供たちを誘拐する事件があったらしい。対策として、家族以外の同伴は認められない規則になっている。

お父さんが教会の職員と少し話し、そのまま列に並ばずに教会に入った。

「お父さん。僕たちは並ばなくていいの?」

「基本は予約制だからね。教会と連絡手段の無い人は、予約の人が終わってからなら神の祝福を受けられるってことになる。」


なるほどなるほど。予約をする事で時間を無駄にする事が無くなるってことか。ずるしてる訳じゃなくって良かった。


教会内部に進んで行くと、でっかな女神の像があり神父が立っていた。あの女神、実物よりある一部が大きくないか。盛ってるな。

「目を瞑り、神に祈りを捧げよ。」

俺は、目を瞑り手を合わせる。

強いスキル〜強いスキル〜なんかいいスキル下さい。欲を言うならかっこいいスキル!火がいいなぁ

それか剣術。生産職は嫌だ。生産職は嫌だ。願いを強く込めると、体が光りだす。そして1分ほど経ち光が収まった。

「ほぅ〜ユニークスキルじゃの。ユニークスキルは光を長く放つのじゃよ。将来は安泰じゃの。ほれ、ステータスをしてみるといい。」

神父が、巻物とナイフを取り出し俺に渡す。

「巻物を開き、血を垂らすと自分のステータスを調べられる。本当はすごい高額だが、ユニークスキルの場合は国によって免除されている。」

「そんなに珍しいのですか?」

「うーん。個人情報を話すのはあまり良くないのだが、どうせお主なら後々わかるだろうし大丈夫だろう。今年は、ユニークスキルが多く与えられたらしい。本部に報告を受けているのは、8人。異例の多さじゃの。普通は、一年に2人くらいじゃの」


たしかに。前年比の4倍だ。珍しいだけで、特別では無いのだろう。

「ありがとうございます。」

ライムは、ナイフで指をちょびっと切り、巻物に血を垂らした。

「ヒール」

神父が傷口に手をかざすと傷が治る。

巻物にライムのステータスが現れた。

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ライム


LV 1

HP 60/60

MP 0/0


攻撃力 31 +

守備力 24 +

魔法力 0 −

魔守力 12 −

素早さ 20

器用さ 18

  ・

・  etc

{ユニークスキル}

【マグネット化】

→触れた無機物を磁石にできる。

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