【愛への帰趨】第48話 必ず戻る!

 女は自然と笑った。


 そして、男の広げた腕の中、分厚い胸に向かって、飛び込んだ。


 男は優しく女を向かい入れ、そして、大きく包み込んだ。


 男の両掌は女の尻をしっかりと掴み、空白の時空を取り戻すかのように、また、その柔らかい丸みと弾力を味合うかのように、ゆっくりと握り、そして、撫で上げた。


 女は言った。


「言ったでしょ!貴方にまた触って欲しくて、お尻の手入れは欠かしたことはないのよ!」と


 男は女の耳たぶを甘噛みし、そして、女の尻を自身の下腹部にぎゅーと押し付けた。


「あん!」と女が軽やかに鳴いた。


 そして、女は男の首から腕を解き、片手を男の股間に忍ばせ、これは、自分だけのものだと主張するよう、ズボンの上から強く握りしめた。


 男が女の股間に膝を入れた。


 女は「あん!あん!」と嬉しそうに鳴きながら、腰をくねらせ、次第に腰を丸め、前屈みになった。


 男も女の姿勢の高さに合わせ、両膝をベットに着かせ、女を優しく横たわらせた。


 女は男の身体から離れないよう腕を伸ばし、下から男を向かい入れようとした。


 男は女の腕を首後ろに追いやり、上着を脱いだ。


 女は男に「私も」と目で合図した。


 男は首の力で女を起き上がらせ、そして、女の白いセーターを脱がせた。


 女の乳房が揺れながら現れた。


 女はブラジャーを着けてないことを恥じらい、それを男に察して欲しそうに瞳を麗るわせた。


 男はニコッと笑い、何時からか、既に勃起している乳首を指で軽く弾いた。


「あん!虐めないで…」と女が喘いだ。


「虐めて欲しいって、言ってたじゃないか。」と男が笑いながら言った。


「うん…」と一先ず応えた女は、男を見つめ、こう哀願した。


「いっぱい抱いて!お願い~」と


 男は女の勃起した乳首に軽くキスをし、そして、女のジーンズを楽々と脱がせた。


 女の白い長い脚の到着点は、下着本来の意味を成さない紐で覆われていた。


 紐の両脇から、女の恥毛が飛び出ていた。


 男は思わず、女の股間に顔を埋めた。


「あぁ~」と女が今度は長めに喘いだ。


 男はその高い鼻で女の股間を弄った。


「そう、そうして欲しかった。あぁ~、貴方がきっと気に入ってくれると思って、あぁ~、履いてきたのぉ~」と


 喘ぎながらも女が淫靡な紐のスキャンティーを自慢気に説明した。


 男は次に女がして欲しいことを分かっていた。


 男は紐のような布を摘み、引っ張り、より細くし、露わになった敏感な突起を擦り上げた。


「あぁ、あっ、い、い、いい」と女は喘ぎながらも歯を食いしばった。


 男は女が何を我慢してるのか分かったが、その仕草が余りにも可愛らしかったので、敢えて何も言わず、擦り続けた。


 すると女は、甘えた声を出し、こう言った。


「え、偉いでしょ、わ、私、我慢してるの、が、我慢してるの」と


 男は無性に女が可愛く思った。


 女の可愛らしいシナリオに合わせ、しっかりと、突起物を擦ってあげた。


 「も、もう、いい?、も、もう、いい?」と


 女がブラウン色の瞳をうるうるさせ、男にお願いしてきた。


 男は学生時代を思い出した。


「あの時…、そう、あの時、幸せに満ちていたな」と


 男は何か胸に込み上げて来るものを感じ、瞼が熱くなった。


 男は泣きそうになるのを我慢し、可愛い女のシナリオに忠実に従った。


「何を我慢してるの?」と男が言う。


 女はシナリオに男が乗ってきたと、したり顔を浮かべ、


「あのね、我慢してるの、逝くのを我慢してるの、偉い?」と男に甘える。


「偉いよ。もうちょっと我慢しようね。」と男が言う。


「うん!」と良い返事をし、一生懸命に我慢してるかのような表情を女が作る。


 男は女に付き合い、更に紐を擦る。


「も、もう、我慢できない~、も、もう、逝ってもいい?逝ってもいい?」と女が甘える。


「後、5分、我慢してご覧!」と男が優しく促す。


「うん!」と女は良い返事をし、目を瞑り、我慢する振りをする。


 男が擦る。


 10秒も経たない内に女が言い出す。


「5分我慢したよ、も、もう、我慢したよ!


 逝ってもいい?


 逝っても良いよねぇ?」と


 男は笑いながら、優しく言う。


「良いよ。偉いよ。逝っても良いよ。」と


 その瞬間、女は大きく仰け反り、小指を唇に挟みながら、


「い、いく、いく、いっちゃう~」と奏で、


 そして、至福の表情を浮かべ、男に手を差し伸べる。


 男は優しく女を覆い、女の頭を優しく、優しく、撫でてあげる。


 そして、男は下着を脱ぐ。


 女は待望のものに手を差し伸べる。


 そして、膝立ちで聳り立っている男の物をそっと咥え、美味しそうに口に含み、舌を絡ませる。


 少しの時間で顎が疲れた女は、男を下からチラチラと見遣り、小声でこう言う。


「挿れて、お願い、挿れて。」と


 男は女を寝かせ、女の長く細い脚をかき分け、腰を入れ、紐のスキャンティーを横に追いやり、聳り立つ物を拳で押し下げ、女の甘く潤んだ秘密の花園にゆっくりと挿入する。


「あぁ~~」と


 女は堪らず声を漏らし、


「そ、それぇ、そ、それぇが、欲しかったのぉ~」と


 目を瞑りながら微笑む。


 微笑んだのも束の間、


 男の腰の動きが早くなると、


「あっ、あっ、す、す、凄いぃ~、き、き、気持ちイィ~」と


 妖艶な甘い美しい声で歌を奏で始める。


 男はその美しい喘ぎ声に合わせ、女の中を深く、浅く、上を下をと擦るように突き上げる。


 女は堪らず、


「あっ、いくぅ、いくぅん~~」と叫び、そして、身体を小刻みに震わせ、男にしがみつく。


 男はしがみついた女を抱っこし、お互いの局部をくっつけ、座位で女を揺らす。


 女は喘ぎながら、男にしがみつく。


 男は女の脇を押さえ、仰向けになり、上に跨る女に優しくこう言う。


「好きなように動いて良いよ。」と


 女は目を瞑ったまま、頷き、慎重に感じる箇所を探すかのように腰の高さを調整する。


「あっ、あっ、イィ、イィ」と


 女は、Gスポットを探し当てた合図を奏で、クネクネと妖艶に腰を動かし、涎が垂れぬよう口を食い縛る。


「あっ、あっ、イィ、イィ、逝きそうなの~、イィ~、も、もう、いっちゃう~」と叫び、


 大きく仰け反り、そして、気を失うかのように男の胸に倒れ込む。


 女は男の上でプルプルと痙攣を起こしている。


 男は震えながらも半開きな女の唇に唇を重ね、舌を絡ませる。


 そして、男は女の背中に強靭な腕を回し、しっかりと女を固定すると、下から物凄いスピードで女を突き上げる。


 意識朦朧としていた女は堪らず気を取り戻し、


「す、凄い、凄い、あっ、あっ、凄いぃ~」と喘ぎ、無我夢中に男にしがみつく。


 男は構わず腰のスピードを上げる。


 次第に女は声を失う。


 男は動きを止め、女を仰向けに寝かせる。


 女は既に逝っており、快感の余り、また、気を失っていた。


 虚げな目先は遠くを見つめ、何かを探している。


 時折、大きな余韻が訪れるのか、ビクンと引き付けのような痙攣を起こす。


 男が女の目の前に顔を覗かせる。


 女は遠目で探していたものが見つかったように、急いで、男にしがみつく。


 男が女を優しく抱き込むと、女は仔猫のように男の傍で丸くなる。


 男はそっと布団を被せ、女の乱れた髪を優しく撫で寝かし付ける。


 暫くし、男が女の様子を窺う。


 女は可愛い寝息を立て、スヤスヤと寝ている。


 男は女に悪戯をする。


 女の乳首をコリコリと転がすように触ってみる。


 ピクンと女が跳ねる。


 男は寝ている女の掌を取り、自身の聳り立つ物に誘導する。


 女の掌が触っている物に気付く。


 すると女の乳首が自然と硬くなる。


 男は硬くなった乳首を軽く捻る。


 寝ている振りをする女は、声を漏らすのを我慢しながらも、ピクンと跳ねる。


 男は女の掌の中にある物をビクビクと動かす。


「はぁ~」と微かな吐息が女の口から漏れる。


 男が横を向き、女を見遣ると、寝ているはずの女は、我慢出来ずに潤んだ瞳でおねだりの合図を送っている。


 男が布団を蹴脱ぎ、膝立ちすると、


 女は阿吽の呼吸で起き上がり、四つん這いになる。


 女の1番好きな体位だ。


 いつの間にか紐のスキャンティーは女の尻から無くなっていた。


 男は女の白く丸い品の良い小尻を撫でながら、女の股を少し広げさせ、女の尻を少し突き出させ、標的の微調整を行う。


 女は待ち遠しく、直ぐに訪れる快感に備え、枕を抱き込む。


「あぁ~、イィ~、イィ~、イィ~~」と女が叫んだ。


 女の尻の下の泉に男の物が突き刺さる。


 この時の男は荒々しい。


 女もそれを期待している。


「犯される。」


 女の潜在的なマゾっ気が存分に表出する。


 男は奥と入口を交互に突き、また、緩急を交え、仕上げにかかる。


 女は堪らず、


「も、もう、もう、いく、いく、いくぅ~」と簡単に逝き果てる。


 女は尻を突き上げたまま、枕に顔を押し付け、息を引き取るかのよう気絶した。


 白く丸い尻はブルブルと震えている。


 男も流石に肩で息をし、女の背中に顔を付けて、呼吸を整える。


 完全に終わったと油断し、余韻に浸る準備をしようとした女に更なる大波が押し寄せる。


 女の中にある男の物が死んだ振りを止め、中でビクンビクンと女の襞を叩き始めた。


 そして、男の腰の動きが再度、稼働し始めた。


 不意をつかれた女は成す術もなく、頭の中は真っ白となり、我を失い、快感に善がる。


「う、うそ、うそ、ま、また、また、す、凄い、凄い、イィ、イィ、いく、いく、いっちゃう~」と


 最後の鳴き声を奏でると、男の物から逃げるように腰を引き、バッタリと布団にうつ伏せに埋まった。


 男は素早く女の横に添い寝する。


 女は朦朧としながらも空を手で探り、男の顔に手が当たると、最後の力を振り絞り、男にしがみつく。


 男は女の脚を自分の脚に絡ませ、女の半身を自分の胸に乗せ、腕枕をしてやり、女をゆっくりと安心させ、深い眠りに付かせた。


 暫く501号室に沈黙が続いた。


 女の寝息が聞こえてきた。


 女は昨日から殆ど寝ていなかった。


 男は女からそっと腕枕を外し、スマホの時計を見た。


 時刻は正午を少し過ぎていた。


 男は女を起こさないよう、静かにベットから離れ、服を着て、洗面所に行き、煙草を吸った。


 そして、男はこの前と同じように、ズボンの両脇に柳刃包丁を差し込み、上着の袖を捲り、両腕に出刃包丁をテーピングで巻き付けた。


 そして、作業ジャンバーを着込み、用無しの杖を掴み、玄関に行き、靴を履こうとした。


 その時、男の背中に温もりが引っ付いた。


 女が男に抱きついていた。


 男は振り向き、女に優しく言った。


「1時間で戻るから」と


 女は既に泣いていた。


 女は泣きながらも、しっかりとこう言った。


「絶対に戻って来て。」と


 男は女の頭をポンポンと軽く叩き、一つ頷き、部屋を出ようとした。


「約束して!」と


 背中で強い意志ある声がした。


 男は振り向き、女を睨み、


「必ず戻る。」と答えた。


 女は男に抱きつくこともせず、しっかりと男の眼を見つめ続けていた。


 

 

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