閑話休題 食堂の天使たち(一人の不純物あり)
入学式の朝。他の一般生、特に中級魔術師、高級魔術師たちは何気ない朝を迎え、いつも通り食堂の朝食を取っていた。
そして、そんな何の変哲もないその日に、食堂に来ていた魔術師たちは二人の天使を見たという。ただし一人の拳には血が少しついていたが、そんなことは気にならないほど黄金色に輝くような光を放つ二人。一人はブロンドショートに綺麗な深緑の瞳を持ち、もう一人はつややかな黒髪ロングに、六歳には見えない整った顔立ちの
「おい、あれ、だれだよ」
「知るかよ……いや、でも黒髪の方は、あれじゃないか? あの、エスティア家のお嬢様」
「まじか……俺知らなかった、ということは隣にいる子もきっとすごい貴族なのか……絶対そうだ」
「うわぁ、あれ初級魔術師だろ? 今日入学だろ? それであのオーラかよぉ。話しかけられないじゃん……ロリコンじゃないけどさ」
なんて風に天使二人の話は一瞬で食堂内に伝わってゆく。それこそ、食堂の職員さんたちにも。
そして渦巻く願望。
とある者は魔術を教える機会を狙うものもいれば、隣の席に座ろうと企む者。普通の生徒よりもちょっと多めにご飯を盛ってあげようと企む者。その他さまざまな企みを持つものが一瞬にしてこの食堂に現れた。
しかし、それと同時に全員(食堂の職員さん以外)が思った。
(((((後ろの男の子はいつか殺ろう)))))
と。
エイドは、知らず知らずのうちに学園内の生徒(特に男子)のヘイトを集めていたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます