第16話 御屋敷とメイド
商工ギルド長のオウミさんと共に購入した土地に向かいます。
「こ、この馬車御者居りまへんやん?それにガタゴト揺れもしないでおま!」
「そういう仕様ですので。指示すればお馬さんが自動で向かってくれます。」
「見た目も綺麗やけどこんなん貴族どころか王族でも持ってないでっしゃろ。」
「そうですか?人を乗せたのは初めてなもので。では秘密と言う事でお願いします。」
「ワテが神の乗り物に乗った初めての人類でおますな!感激ですわ!」
貴族の別邸跡地は5000坪あるようです。中心街でこれはまあまあ広いのかもしれません。東京ドームが1万5千坪ですから3分の1くらいでしょうか。では早速建てましょう。敷地の北側に狙いを定めて・・・。
「サンドハウス!御屋敷!」
ゴゴゴゴゴッ!
鉄筋コンクリート造りで3階建てで地下一階。壁は白く屋根は濃い青に塗りました。西洋にある貴族館みたいな形です。御庭には馬車置き場と噴水も作りました。
「な、な、な、何でっかこれ?いきなりこんなんでましたけど!」
「私のお家です。まだ建ててはいけませんでしたか?」
「いや、建ててもええんでっけど。非常に目立ってますやんか。」
「ここは街中でしたね。今度から気をつけます。」
「何やら微妙にかみ合ってない気もしまっけど。ええもん見さしてもらいましたわ。これが受け渡し書類どす。何かお困りの事があったらワテを直接訪ねてきてくださいや。ほなさいなら。」
オウミさんは首をかしげながら商工ギルドへ帰って行きました。
御屋敷の中には鉱物由来の繊維や樹脂で家具も殆んど揃っています。ミハイルと並んでソファーにかけて寛ぎました。うさっぴちゃんを出してもらい抱っこします。ずっと収納されて居てかわいそうな事をしました。あまえて私のお胸にむぐむぐしています。かわいい!よしよしなでなで。ふわふわの毛並をなでなでします。クレアは台所に行ったようです。この広い御屋敷を一人で管理するのは無理です。クレアの姉妹を作りましょうか。
砂魔法で石英を抽出しオートマタを作成。赤色クリスタルのイチゴ、青色クリスタルのブルーベリー、黄色クリスタルのレモン、桃色クリスタルのピーチ、緑色クリスタルのライム、紫色クリスタルのグレープ、を創りました。メイド服は同じですが髪の色に合わせてヘッドドレスが色違いでそれぞれのクリスタルの色になっています。メイド長のクレアは白に房リボンがついています。ミハイルの助言によりみんな戦闘できますよ。
クレアがコロコロとワゴンを押してきました。
「ミスナ様。お茶の用意が出来ました。」
「ちょうどよかったわクレア。こちらがあなたの姉妹たちです。これからメイド長としてみんなを纏めてくださいね。」
「はい、畏まりました。ミスナ様。よろしくね妹たち。」
「「「宜しくお願いします。ミスナ様、ミハイル様。クレア姉さま。」」」
メイドたちはメイド長ではなく姉さまと呼ぶことにしたようです。自分の意思があると言う事です。自立思考型の良い所ですね。
「うさっぴちゃん。甘にんじんクッキー食べまちゅか?」
「きゅぴぃ!ぴっぴ!」
「ミスナ様。勝手に侵入されないよう私が土地全体に防御結界をしいておきますね。」
「ええ、ありがとうミハイル。頼りになるわ。」
「これから如何なさいますか?ミスナ様。」
「今日は魔力を大量に使って疲れたので午後はまったりと過ごしましょう。」
「はい。ミスナ様のお心のままに。」
ミハイルはそう言って私の肩を抱いてくれました。私はうさっぴちゃんのふわふわ毛並みを撫でながらミハイルの肩に頬を付け眼を閉じてゆっくりと過ごしました。
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