第17話 ポーション①

昨日はミハイルとまったりと過ごし今朝は魔力がグングン回復していました。愛の力でと言いたいところですが。エリス様を知る人が増えている証拠ですね。


朝食はメイドたちが作ってくれたハムエッグにクロワッサン。コンソメスープと温野菜サラダでした。うさっぴちゃんは甘にんじんのソテーを食べています。


私は砂大好きの砂魔法使いサンドウィッチなのですが治癒魔法も得意です。それで聖女とか呼ばれている訳ですが、実はマジックマスターとか言うそうで全属性使えるのです。闇が苦手なだけで使えはします。他の属性もそこそこ使えます。私の収納は家一軒くらいしか入らないかも。その点ミハイルは底なしなので頼りになります。


午前中は屋敷の地下に研究室を作りミハイルと籠って薬草ではなく鉱物由来の薬を抽出し水魔法で合成しポーションを作ってみました。クリスタルの瓶と封にはエリス様の刻印を押して中身を出したり何かを加えたりすると自然に帰り消える仕様にしました。世の中には中身をこっそり入れ替えて悪さをする人が居るかもしれないから用心のためです。


「このポーションどうかしら?ミハイル。」

「そうですね。ハイポーション並の効能で汎用性が高く申し分ないです。この世界は薬草由来のポーションがほとんどですので新しい名前を付けて売れば良いと思いますよ。ミスナ様。」

「そうねえ。エリス様のポーションでどうかしら?」

「名を広めるために良いでしょう。ミスナ様の御心のままに。」


自分の魔法で合成したものには複製魔法が使えるのです。複製魔法は上級光魔法に属していてポーションはコピーできるわけです。大量にコピーしてミハイルに収納して貰います。自分の収納にも試に入れておきます。収納は時間経過しないのでいつでも新鮮なお薬が出せるのです。早速卸してみましょうか。


「ミハイル。今から商工ギルドと冒険者ギルドに出かけましょう。」

「はい、ご一緒します。ミスナ様。」

「イチゴ。今日はあなたがミスナ様に御付きなさい。」

「はい、クレア姉さま。」


メイドたちはローテーションで一人は必ず私の傍に控えるようにしたようです。今日の御付きはイチゴでした。紫桔梗の装飾された白クリスタルの馬車でお出かけです。商工ギルドに到着して受付に向かいます。



「これはこれは、聖女様。ようこそいらっしゃいました。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「こんにちは。ギルド長のオウミさん居ますでしょうか?」

「はい。こちらでございます。」




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