第14話 商工ギルド①
翌朝。ホテルの朝食をお部屋でとります。美味しいですがスパイスが少し足りませんね。ミハイルの愛情と言う名のスパイスが欲しいです。はっ、私ったらなんてことを!
◇
ホテルのチェックアウトを済ませ今日の予定の商工ギルドにクリスタルの馬車でお出かけします。商工ギルドは中央通の一等地にありました。クリスタル馬車を付けて中に入り受付を探して向かいます。
「ようこそ商工ギルドへ、どのようなご用件でしょうか?」
「えーと登録?と言うのがあればしたいです。それと魔物や素材を卸したいのですが。」
「登録は商会単位で行われます。商工会に登録しますとランクに応じて世界各地の支部にてあらゆる便宜が成されます。ランクは年会費によって違いまして、銅会員は100ゴルド、銀会員は1000ゴルド、金会員は10000ゴルド、さらにプラチナ会員は100000ゴルドの4段階となっております。」
「んーそうですね。どうしましょう?」
「受付はん、無償でプラチナ会員を登録しておやりなはれ。」
「あ、これはギルド長。こちらにいらしたのですか。プラチナ会員を無償でですか?」
「ええと。あなたは?」
「ワテはここのギルド長を務めておりますオウミ言うもんですわ。怪しいもんではおまへんで。外に停めてはる綺麗な馬車はお嬢はん達のでっしゃろ?」
「そうですが、それがプラチナ会員と何の関係が?」
「そらあんなこの世のものとは思えへん綺麗な馬車を乗り回しとる人ワテがのがしますかいな。お嬢はんたちは必ずや商工ギルドに多大な利益をもたらす御方達とお見受けしましたんや。せやからお近づきのしるしに特別待遇させてもらいますのんや。」
「ミスナ様。せっかくのご厚意ですからお受けしては如何でしょう?」
「ミハイルがそういうのなら。わかりました。ありがたくお受けいたしますわ。ギルド長さん。」
「それは重畳でっせ。もしかして今朝から冒険者の間に噂になっとる聖女様はんと聖人様はんではないでっしゃろか?。」
「私は聖女などでは・・。」
「ミスナ様は創造主エリス様より地上に使わされたお方です。」
「やはりそうでっしゃろ?ワテの商売の目に狂いはあらしまへん。遠慮せずプラチナ会員で商会登録しておくんなはれ。」
「そうですか?では商会名は『創造主エリス様』でお願いします。」
「はい、創造主エリス様でプラチナ会員登録しました。こちらがカードになります。」
プラチナで出来ているピカピカの銀色のカードを貰い受けました。ミハイルに預けます。特別商売がしたい訳ではなくエリス様の名前を広めたいのが優先なので商会名も捻りもせずそのまんまにしました。ダイレクトに伝わって欲しいのです。
「それで聖女様はん、今日は何をしに商工ギルドに来はりましたんや?」
「魔物の素材が溜まってしまいましたので卸そうかと思いまして。後は鉄のインゴット等もご入り用に合わせて卸せます。後は土地の購入がしたいのです、家を建てたいので。」
「それはそれは。魔石は魔道具で使いますよっていくらあっても足らしまへん。早速案内しますわ。こちらでっせ。」
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