第10話 港町バーレン
街に入ると私は鼻を抑えました。うっ。とても臭いです。多くの異世界小説では臭いの描写が無いので見落としがちですが。中世レベルでは下水処理施設など無くとても臭いのは当たり前なのです。私は馬車の中で頭が痛くなるほど参ってしまいました。魔法のある世界なのにこういう所は遅れているんですよね。不思議です。
「み、みはいる・・。」
「ミスナ様。臭いが気になるのでしたら私の空間魔法とミスナ様の浄化の魔法で擬似的に空気清浄機能を常時展開できます。試してみますか?」
「うん。お願い。これではめまいがして動けません。」
2人の複合魔法で自分達の周りの空気は清浄になり私は頭痛から解放されました。ミハイルと私の2人だけの魔法です。うふふ。
「聖女様、冒険者ギルドに行きましょう。」
「そうですね。少し興味がありますので案内お願いします。」
「わかりました。こちらです。」
冒険者ギルドの前に馬車を付けて中に入ります。サザナミのリーダージャックさんが先に入り案内してくれました。受付で何やら話し込んでいます。
「ミスナ様。冒険者登録いたしますか?」」
「身分証にもなるみたいですし。登録しておきましょうか。」
「畏まりました。ミスナ様。」
「受付さん。2人の冒険者登録をお願います。」
「はい。お2人様ですね。簡単に説明いたします。冒険者ギルドは冒険者の互助組織でランクよって依頼を受ける内容が制限されます。ランクはS、A、B、C、D、E、Fの7段階からなり、最初は皆Fで昇格条件を満たすとEと言う感じで上がって行きます。犯罪を犯すと登録抹消されカードが使えなくなります。登録はこの用紙に記入してください。」
2人で書類に書きこんで受付に渡します。
「はい。不備はありません。この水晶に手をかざしてください。個人登録されます。」
ミハイルと私が言われた通りに水晶に手をかざすと2人とも虹色に輝きだしました。わぁ綺麗!ミハイルと同じ色なのが嬉しいです。受付の女の人がドタンと尻もちをついてわなわな震えています。周りの人もざわついています。どうしたことでしょう?
「ほら、だから俺が言ったろ。早くギルマス呼んできなよ。」
「は、はい。ジャックさんの言う通りでした。」
ジャックさんと話していた受付の女の人がバタバタと二階に上がって行き、間もなく男の人を伴って下りてきました。精悍な顔つきで筋肉質の体の中年の渋いおじさんです。異世界名物いかつい眼帯のスキンヘッドさんでは無かったです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます