第31話 天使様、天にも昇る気持ちで大人への階段を上がろうとする

「へへへ、それでね、それでねぇ〜お父さんがね、へへへ♪ おかしいの♪」


俺とアリーさんは二人きりのリビングでソファーに座っていた。


アリーさんの雰囲気が変わった。いつものクールから陽気に訳のわからん話を続けている。


気のせいだろうか? さっきから同じ話を5回位聞いているような気がする。


「お父さんったら、『うさぎおいし、かの山』って歌が好きなんだけど、うさぎって美味しいって意味だと思ってたの、そしたらね、そしたらね、美味しいじゃなくて、追っかけるという意味だったの、うふ、うふふふ♪」


ソファーの上でぽよんぽよんと弾んでご機嫌のアリー。


ぽよんぽよんと胸も弾む。陽葵のFカップほどじゃないけど、推定Dカップの胸も__すご。


それにしても、アリーさんはとっても綺麗な女の子だ。


金髪の髪は輝くようで、整った顔はまるでまさしく天使。


幼馴染の長門も何でアリーさんを選ばなかったのかな?


やっぱり乳かな。あの芽衣って女の子、Dカップ位はありそう。


んん?


俺は少し疑問に思った。アリーはあのクソ女の乳がデカいから負けたみたいなことを__。


でも、この間__芽衣ちゃん、城ヶ崎さんの胸を凝視したところ、確かに大きめだけどD__アリーさんより少し大きいけど、それ程の差はない筈__んん?


俺は何かを思い出しそうだったけど、そこはアリーさんに邪魔された。


「ねえ、磯風ぇ〜、エッチなゲームしよ」


「うん、する」


俺はおかしくなっていた。このめちゃめちゃ魅力的な女の子にやられていた。


「じゃあね。『キスで言葉当てゲーム』」


そう言った瞬間、アリーさんは俺にキスした。


「ん、うん、むぐッ」


キスをしながら唇が動く、何か言葉を声に出さないで言っている。


唇を離すとアリーさんは俺に聞いた。


「私、なんて言ったと思う?」


「__ご、ごめん、わかんない」


『好きって言ったぞ』


またボソっとデレながらアリーさんがモゾモゾしながら言う。


今日のアリーさんはいつもより可愛かった。


でも。


「もう、磯風は鈍感だから。今度こそ当ててね」


そう言って俺の唇にまた__キス。


今度はわかった。


「大好き?」


「もう、磯風ッ、恥ずかしいよー」


何これ? めちゃめちゃ可愛い、あと、エロい。


「今度は磯風の番だぞ」


「わかった」


俺は『綺麗だよ』とささやいた。


「もう一回♪」


これ絶対わかっていて言ってるな?


でも、俺はアリーさんのリクエストに応えた。


「私のこと__綺麗って言った__う、嬉い。今度は私の番♪」


ぷにゅとしたふっくらな唇がソワソワと自分の唇を撫でるのはかなり心地いい。


俺もほんとはわかったけど、アリーさんと同じことをした。


「しょうがないな。磯風、絶対わかってて言ってるね?」


「い、いや、そんなことないよ」


アリーさんは『愛してる』と言った。


何度かこのキスと互いに甘い言葉をキスをしながら言うと、最後にアリーさんは。


『ねえ、しよ♪』


そう言った。一瞬、流されそうになったけど、流石に踏みとどまった。


辛うじて陽葵の顔が思い出させた。俺はすごい酔ってたんだと思う。


どうせ脅されてこういう展開になるのは覚悟してたけど、今回は俺もノリノリだった。


「アリーさん、俺、そこまで卑怯な男になれないよ__」


「磯風は意外と硬いのね」


いや、アリーさんの方の貞操観念がおかしいと思う。


「じゃ、今度は喘ぎ声ゲーム__しよ」


何それ?


アリーさんが説明してくれた。


「私が喘ぎ声出すから、磯風をそれを言葉責めしたり、愛の言葉囁いたりして♪」


「それ__めちゃめちゃエロくない?」


「磯風をその気にさせるためだから当然でしょ?」


「俺に拒否する権限ないの?」


「ないわよ。聞かないと血の繋がってない妹さんと二人っきりで住んでること学校にチクるぞ」


また、脅しだよ。


「わ、わかったよ。でも、アリーさんには決して手を出さないよ」


「ふ〜ん、私ってそんなに魅力ないのかな? 傷つくんだけど?」


「もう!」


傷つくのはアリーさんの方だよ。一線を越えても俺の心は陽葵にある。


だから、一線を越えて傷つくのはアリーさんの方だ。


「じゃ、始めるぞ!」


そう言うとアリーさんは__。


「あ、あん♪」


比較的短めの喘ぎ声を発した。エ、エロいと感じたのは言うまでもない。


「こ、ここがいいの?」


「ちょっと、磯風? 想像力なさ過ぎでしょ? 仕方ないなぁ〜♪」


そう言うとアリーさんは制服のシャツの中に手を入れて__ブラを外して床に投げ捨てた。


そして俺の手をとって、シャツの下から俺の手を胸へと導く。


「想像力ない分はちょいリアルで補ってね♪」


柔らかい感触にクラクラして俺の理性はどこかに逝ってしまった。


「本当にダメな女だな、アリーは__こんなにしてぇ」


「やっ! ああん! もっとぉ! もっと言ってぇ!」


「仕方がない女だな。こんな__はしたないことになってて♪」


アリーさんはややM気質があるようで、言葉責めにメロメロみたい。いや、俺にSの才能あるのも知らんかった。


「ん、ああん♪ あんあんあ、もっとぉ、お願い♪」


「全く、呆れた子だね。誰が君なんかの言う通りになんてするんだ。……それでアリーは何をして欲しいの?」


「私は磯風に言葉で責められて__めちゃめちゃにして欲しい♪」


「良くわかっているね。じゃあ、俺の味見させてあげる__そうしたら自分の立場がよくわかるよね?」


「……っ! …………やめ、磯風、も、もうやめ……っ」


「止めてもいいの!? ここで止めるの? アリー?」


「い、いや! だめ! だ、だめ、磯風、やめない……でっ……磯風、しゅき、大好き、愛してる♪」


「仕方がない子だ」


「あっ! そこ__。もっと__お願い!」


ビクンとアリーさんの身体がはねる。しかし。


「何をしてるのかな? お兄ちゃん達は__」


気がつくと、ソファーの前に仁王立ちの陽葵がいた。

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