第6話 妹ちゃん、水着をお兄ちゃんと一緒に買ってご機嫌だったけど、まさかの生乳を晒す。

似合う、似合わないという話なら、陽葵は何着ても似合うと思う。だって、手足長いし、スタイルいいし、胸も大きいし、顔も可愛いし。あえて一番似合うものがあると言うならば、多分、生まれたまんまの姿が一番綺麗だと思う、エロい気持ちなしで、真面目にそう思う。


だけど陽葵の意地悪なこの表情は俺に水着姿を見せつけて恥ずかしがる俺をからかう気だ。


腹たつけど__陽葵の水着見たい!


俺はからかわれることを承知で試着室の前で待った。


男があまりいないこの空間に陽葵がいない状況で待つのはかなりの胆力が必要とされる。


なんか場違いな、所在なげな感じが恥ずかしい。


時間の経過速度がきっと何かの異常でおかしくなっていると確信した時、突然陽葵が話しかけて来た。


「お兄ちゃん、着替え終わったよ。見て、感想聞かせて♪」


すっとカーテンが開く。


そこには天使がいた。意地悪な天使だけど。


水着は小さなハンカチだけで作ったみたいに面積が小さい布を結び合わせただけの心元ないものだった。風が吹いただけで飛ばされそうにしか見えない。 


恥ずかしそうに、少しはにかみながら後ろに腕を組む水着姿の陽葵。


俺は思わず陽葵を上から下までガン見してしまった。


可愛い。それにエロい。これ、下着と大して変わらんというか、むしろもっとエロくないか?


俺の視線に気がついて。


「もう、お兄ちゃんはほんとにダメね。妹の水着姿をそんなにじっくりとなめるように眺めて、ふふッ。どう? 似合ってる?」


「に、に、に似合ってる! もう、天使がいるとしか思えない!」


「ぷっ♪ それは言い過ぎだよ。それに目が私の胸のところで泳いでいるよ。ほんとにダメなお兄ちゃんね、妹の胸見てエロい気持ちでいっぱいなんだね♪」


しょうがないだろ?


そう言って妹は次々と水着を試着していった。俺は何種類もの陽葵という天使の水着姿をたっぷり堪能、いや、悩殺されてHPがほぼ0だ。もう、魔力ももたない。多分MP0だ。


これもう陽葵がどんな水着着ても海辺で悶え死ぬ奴が増える未来しかない。


陽葵は俺に水着姿を見せつけるたびに散々俺のことをからかった。


俺がタジタジなのを楽しんでる。


「お、お兄ちゃんに食い入るように見られると、エッチな気分になっちゃっう♪」


楽しげに言う陽葵の顔は意地悪な顔だ。


陽葵がエッチなこと言う度に俺の顔は真っ赤になってると思う。


「いや陽葵? 俺見たいけど、だいぶ我慢してるぞ!」


「嘘だよー♪ 陽葵の恥ずかしい裸同然の姿見て__ぷぷッ! 鼻血出てる」


いや、俺の不甲斐ない鼻血は大変なことになってるのは間違いないけど、それ指摘しないで!


「シシシッ♪ お兄ちゃん、妹でこんなになってダメな人なんだぁ♪」


完全に妹に馬鹿にされる俺。


だって、俺の妹めちゃめちゃ可愛い上__凄いエッチなんだもん!


不可抗力だよな?


「__もう、そんな__私のこと視姦プレイで見てみたいなんて__私、断れないよー♪」


「断れぇー!!」


そんなこと言っている陽葵の顔は楽しそうでもあり、意地悪な顔にも見えた。


陽葵の意地悪。今日の晩御飯、陽葵の嫌いなピーマン増量してやる!


だけど___。俺のささやかな反撃の決意より重大なことが__起きてしまった。


「お兄ちゃん、次の試着終わったよ♪」


元気な声が聞こえてHP0の俺の前のカーテンが開く。


「は?」


俺は思わず素っ頓狂な声が出た。


そして俺の視線は陽葵の胸に集中してしまった。


だって__陽葵__ブラの方を__身につけてないだもん。


「もう、お兄ちゃん、そんなに胸をガン見されたらさすがに恥ずかしいよ♪ ほんとお兄ちゃんはエッチでダメ人間ねぇ♪」


「い、いや、お前、つけてないから!」


「へ? 何を言ってるの?」


陽葵が理解できずに俺を凝視する。


「ひ、陽葵__回れ右して鏡見て__」


「え? ん? どう言うこと?」


とは言うものの、俺に言われた通り鏡の方を向く陽葵。


鏡を見た陽葵は固まった。たっぷり時間にして1分。


これは脳のブレーカーが飛んだな。


次は悲鳴があがるかな。と、そう思っていると陽葵は再びこちらを向く。


シャ。


カーテンを今更慌てて引いて閉じる。


「お兄ちゃん、次のはどう?」


しばらくして陽葵は何事もなかったかのような顔で次の水着に着替えてカーテンを開ける。


まさかの続行?


それにさっきのはなかったことにしたの?


「ねえ、お兄ちゃん♪ デザインはこの二つが気に入ったの__お兄ちゃんはこれとこれどっちがいい?」


そう言って、ピンクのフリルがついた三角ビキニとやっぱり可愛いけどきわどい白いビキニを俺に見せる。


陽葵がぐいぐいと2つの水着を突き出してくる。


とにかく俺に決めさせるの? そんな責任重大な事、俺に聞くの?


もう知らんぞ! 海辺で陽葵の可愛さにあてられて悶えてキュンキュンする犠牲者増えても!


俺は無責任にも自分の好みを言った。


「そうだな___こっちの白の可愛い水着かな!」


多分、この白い水着を来た陽葵はレベル999だと思う、うん、何の比較かわかんない人は多いと思うけど、俺もわからん。それ位最強だという事だ。


陽葵は結局一番際どい白のビキニを買った。


白は清楚感あってすごく陽葵に似合っているけど、エロさも1000倍位になると思う。


陽葵は俺の選んだ白の際どい水着を買って、俺のそばに来た。


そして__。


「せ、責任とってね__お兄ちゃん」


消え入りそうな小さな声で俺の可愛い妹は恥じらいながらそう言った。

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