第4話 妹ちゃん、恥ずかしくて悶絶する
「ひぃやあああああああああああ!」
陽葵の絶唱が部屋中にこだました。
「お、お兄ちゃん___」
「いや、泣き目で俺見てないで、早くスカート下ろせ!」
慌ててスカートを下ろす、陽葵。
でも、俺はしっかり見てしまった。
純白の可愛いリボンのついた妹のパンツ。
なんかまたがみのところのシワってもしかして陽葵の____。
だ、ダメだ。考えちゃダメだ、考えちゃダメだ、考えちゃダメだ。
俺は頭がぐるぐるしていたが、陽葵は。
「お、お兄ちゃん。見てないよね? 掌で目を隠してたよね?」
「見たに決まってるだろ? 見てない要素0だろ?」
「ひぃいいいいい! ひ、酷い!」
「いや、お前の方から見せてきたんだろ!」
陽葵はみるみる涙目の涙を増量させると。
「お兄ちゃんのバカー!」
そう言って自室に引きこもってしまった。
部屋からは陽葵の声がブツブツと聞こえる。
「な、なんで私はスパッツ履いてなかったの? 私ってバカ? そういえば一回スパッツ履いたけど、蒸れたから脱いだの忘れてた。こ、これはお兄ちゃんがいけないのよー!」
俺悪くないだろ?
見たのは悪いと思うけど、不可抗力だろ?
「お兄ちゃん。今日は私部屋に引きこもるからね。一人で孤独を味わって反省するんだよ」
「なんで俺が一方的に悪いことになってるの?」
俺の声は陽葵に届いていなかったみたいだった。
結局、時々ギャーという叫び声とドンドンと床をのたうちまわる陽葵の音が聞こえた。
しばらくしたら傷も癒えるだろう。
だが、俺は___。
「(____あのまたがみのシワって、陽葵のイケナイところのッ!)」
俺もイケナイ想像で脳みそがヤバかった。
結局二人ともおかしくなって気がついたら夕方だった。
俺の方が先に我に返って、夕食を作った。
今日は陽葵の当番だけど、あの様子では無理だろう。
時々すすりなく声が聞こえる。
俺にできることは陽葵の分の夕食を部屋の扉の前に置いておくことだけだった。
☆☆☆
「___お兄ちゃん、ご飯ありがと」
泣きつかれたのか陽葵がリビングに降りて来た。
だが、陽葵は右手に凶器を携えていた。
「ねえ? まさかと思うけど、見られたからって?」
「安心してお兄ちゃん。私にはお兄ちゃんを撲殺するほどの力ないから♪」
「いや、バットで殴られたら大怪我するだろ!」
「妹のために我慢して! ちょっと少し記憶を失ってくれればいいの!」
「いや、一歩間違えたら死ぬから!」
「お兄ちゃんなら大丈夫だから!」
「何を根拠に大丈夫って言ってる?」
だが、陽葵はジリジリと距離を詰めて来る。
そして。
「えいッ!」
ほんとにバットで殴りかかってきた。
「わあッ!」
マジでビビった。
だけど上手く陽葵のバットを避けて、陽葵を抱きとめた。
こうなったら、実力行使だ。
俺は陽葵の唇を塞いだ。
「あ! う、うん」
舌を入れると反応して舌を入れ返して来る。
気がつくと俺はソファーに陽葵を押し倒していた。
「わ、私、お兄ちゃんなら、いいよ」
妹の言葉に俺の理性は崩壊した。
気がつくと俺は陽葵のスカートをめくっていた。
あのまたがみのシワが気になってもうダメです!
しかし。
「ギャハハハハハハッハッ!! 今度こそ引っかかったぁ!」
「チクショォオオオ!!!!」
なんと陽葵はスパッツを履いていた。
「ほんとはこっちから仕掛ける気だったのに、自分から来るなんて___ほんとにダメなお兄ちゃんね。妹にこんなことするなんて最低だよ♪」
「い、いやだって、こうしないと陽葵に撲殺される」
「何? キスして抱いたら自分の言いなりになると思った? 陽葵はそんな軽い女じゃないからね!」
いや、軽くはないけど、かなりうっかりだし、俺が今その気になったら積んでるだろ?
「もう、俺のことからかわないで! 俺、真剣だぞ!」
「本気なの?」
いや、そんな可愛い顔で俺を見ないで!
必死に俺は我慢してるんだぞ!
ソファーに組み敷いて、陽葵を押し倒しているんだぞ、現在進行形で!
「お兄ちゃん、私も女の子なの。だから初めての時は優しくロマンティックじゃなきゃ嫌、だから今日は我慢して、お願い♪」
「わ、わかったよ」
俺は大人しく妹の言葉に従った。
もっともあれ以上進む勇気なんてヘタレの俺にある訳がなかったけど。
心臓がちょっとヤバイ心拍数を叩き出している。
多分世界記録狙えると思う。
「ねえ、お兄ちゃん?」
「何?」
「___キスして」
俺たちは何度もキスをした。
☆☆☆
何度も何度もキスをして唇がガサガサになったような気がする。
つい陽葵の可愛い顔を見つめてしまうと陽葵は視線を外した。
「___恥ずかしいよ。お兄ちゃん」
「___ごめん。陽葵があんまり綺麗だから」
「もう! フツメンがそんなこと言う?」
フツメンが言っちゃダメ?
俺はちょっと不機嫌になった。
「ごめんね、お兄ちゃん。怒らないで♪ 私も恥ずかしかったから、つい。ほんとは嬉しかったよ」
陽葵は下を向くと唇をその細い指で触れて感触を思い出しているようだ。
「お兄ちゃんが我慢してくれたお礼に明日水着一緒に買いに行こ♪」
「み、水着ぃぃぃぃぃぃいいいッ!!」
なんか突然凄いビックイベントがやって来た。
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