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「そんなことないです。私も、こんな内容の手紙は初めてで…。いつもは、違うのに…」


「いつもって、手紙のやり取りしてるの?ラインあるのに?」


「はい。茉莉ちゃんが、かっこいいから、手紙でやり取りしようよって。私も、綺麗な手紙選ぶの、楽しそうだったから、いいねって」


「いつもは、手紙でどんなやり取りをしてたの?」


「ちょっとした、恋バナとかです。好きな人の事とか、あとは、普段言えない、誰かへの愚痴、とか。そんな、ちょっとした秘密、みたいなのを、手紙でやり取りしてたんです。何だか、それがわくわくして」


私の質問に、あざみが恥ずかしそうに答える。


「なるほど。秘密の交換日記、みたいな感じか」


納得、といった顔で秋乃が頷く。


「いつも、やり取りしていた手紙は、見せて貰えるかしら…?」

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