第15話 林間学校3日目 お花畑!?

 朝食を食べ終えた。オーナーさんはペンションの後ろを案内してくた。


夜風 「馬がたくさんいる!」


ひより「それに、ひつじさんにうさぎさん、小鳥さんもいる!!」


夜風 (さん付けなんだね。かわいい)


 コテージの後ろは野原のようになっている。周りは森があるため、木に囲まれている。動物たちは放し飼いにされている。


オーナー「今日は乗馬体験をしてもらいます!」

    「乗馬経験がある人はいますか?」


ひより 「はーい!」


オーナー「じゃあ、どの子でもいいので乗ってていいですよ」

    「他の皆さんはまず、馬にまたがるところからやっていきましょう」


 私たちはオーナーさんに教わって、ある程度は乗れるようになった。馬の数は約20頭ぐらいなので、2人で交代しながら乗っている。夜風はレイカとペアである。ひよりはお馬さんと楽しそうに原っぱを駆け回っている。その周りを他の動物たちが囲んでいる。動物にモテモテだ。


ひより「きゃはは!わーい!」


夜風 「ねぇ、ひより!馬に乗った経験があるの?」


ひより「小さい頃から乗ってるよ〜!」

   「あのさ、お馬さんが森のほうに行きたいって言ってるんだけど、行ってもいいかな?」


 なんと、ひよりは馬(動物全般)と話せるみたいだ!


オーナー「いいですよ!」

    「私たちもひよりさんについていきますよ!」

    「皆さんは馬に2人乗りしてみてください」

    「もし、まだ心配な人がいたら、私の馬が引いている荷台に乗っていいですよ!」


ひより 「いくよ〜!!」


 ひよりが乗った馬は歩き始めた。私たちもそれに続いた。


(本当は走りたいんだろうな。でも、みんなに合わせてゆっくり歩いてくれている。ひよりは優しいなぁ。だから動物に好かれるのか)

(ツッコむの忘れてたけど、動物と話せるってすごくね!?話せるというか、動物の気持ちが分かるのかな?小さい頃から動物に触れてるとそうなるのかな?私は動物と触れることが年に一度あるか、ないか、だから分かんないな)


 10分くらい進んだ。木が少なくなってきた。森を抜けそうだ。


ひより「わぁ〜!!キレイ!!」


 森を抜けたらそこはお花畑だ!童話に出てきそうなほどのキレイな花畑だ。色々な種類のお花が咲いている。


クラスの人々「すご〜い!!」

      「こんなにキレイなところ見たことない!!」


オーナー「褒めてくれてありがとうございます。ここも私が管理していて、はじめは野原だったんですよ。一から種まきなどをして、お花畑を作りました」


紫音 「そうなんですか!?すげー!」


光輝 「それにしても、こんなに広い花畑をなぜ観光地にしてないんですか?」


オーナー「いいところつくね!ペンションに泊まってくれたお客さまだけが見れるっていう風にしてるんだよ。そうすれば口コミで広がってくれるかなって思ってね」


氷  「なるほどな」


オーナー「裏事情なんてどうでもいいんで、皆さんで花かんむり作りましょうよ!」

    「馬はこの木に繋いでおいてください。繋がなくても逃げないので大丈夫なんですけど、花を食べてしまうので困るんですよね」


クラスの人々「繋ぎました〜!」


 

 オーナーさんは私たちに花かんむりの作り方を教えてくれた。



炎  「できたぞ!」


 炎の花かんむりは赤い花が多い。


夜風 「おぉ〜!キレイじゃん!」


紫音 「俺もできた!」


光輝 「僕のもできた!」


氷  「できた」


 4人とも、自分自身のイメージカラーを基調とした花かんむりになっている。


光輝 「夜風はどんな感じになった?」


夜風 「私は……これだよ!!」


 シロツメクサの花かんむりだ。それも4個ある。ずっと背中の後ろに隠していた。


夜風 「せっかく4個も作ったから4人にあげるよ!」


 そう言って、4人の頭の上にのせた。


 4人はものすごく嬉しそうだ。


4人 『俺(僕)も夜風に向けて作ったんだ!』


   「なに同じこと言ってんだよ!」


夜風 「ふふっ!」


 4人は夜風の頭に花かんむりをのせた。


夜風 「ありがとね!4人とも、よくこんなキレイに作れたね!すご〜い!」

   「シロツメクサは作るの簡単だったよ」


光輝 「夜風から何かをもらうっていうの久しぶりでめっちゃ嬉しい!!」


紫音 「小6のバレンタイン以来か?」


氷  「そうだな」


炎  「ありがとな!夜風!」


夜風 「こっちこそありがと!」


 その笑顔は最高にキラキラしていて、可愛かった!



***

夜風が今回の話で惚れたのは……ひより!!イケメン4人から選ぶはずなんだけど、ごめんよ。動物と仲良くしてて、話せてたから本当に驚いた!

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