番外編1話 バレンタイン前日⁉︎
林間学校が始まるところですが、バレンタインが近いので、今回はバレンタインの話です。急に話が高1から小6に飛びますが、読んでいただけたら幸いです。
***
これは夜風たちが小6のときの話だ。
夜風は女の子であるが、ほぼ男のような性格であった。というか、男と認識されていたかもしれない。4人とは同じクラスだ。
今日はバレンタインの前日だ。私は4人にチョコをあげようか迷っている。なぜかというと小6の始業式に4人には告白をされたが、恋というものが分からない(友達としてか見れない)と言って、断ったからである。今もそう思ってるのかと聞かれたら、そうは思わない。告白されてから少しずつ友達じゃなくて……好きなのかもって思うようになった。けど、中学は学校が違くなるから、この気持ちは抑えようと思ってる。それに……4人全員が好きだから、どうすればいいか分かんない。とにかく、今はチョコをあげるのかを迷っている。
朝! 4人と一緒に学校に向かっている。
「今日は4時間授業だし、午後遊ぼうぜ!」
「どこで遊ぶ?」
「○☆公園にしよう」
「夜風は今日遊べるのか?」
「いいよー」
しかし、このとき私はチョコのことで頭がいっぱいであったため、周りの声が聞こえておらず、テキトーに返事をしていただけだ。
「じゃあ、夜風の家の前で待ち合わせにしよう」
「夜風、聞いてる?」
「ん?聞いてるよ!」(全く聞いてない)
学校に着いた。朝の会が始まる。
今日の日直が前に立っている。
「これから朝の会を始めます!」
『はい!』
「朝のあいさつです! みなさん立ちましょう」
「おはようございます!」
『おはようございます‼︎』
「健康観察です。一人一人の名前を呼ぶので元気かどうか教えて下さい」
「暗条紫音(あんじょうしおん)さん」
紫音 「はい! 元気です!」
「入江(いりえ)しゅんさん」
「はい! 超スーパー元気です‼︎!」
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先生 「渡辺(わたなべ)リョウさん」
リョウ「はい! ミラクルスーパーハイパー超スーパー元気です‼︎‼︎‼︎」
毎度のことだけど、それ、元気すぎるだろ!
先生はみんなの名前を呼び終わり、朝の会は終わった。
一、二時間目も中休みも、三、四時間目も、夜風はチョコを渡すか、渡さないかでずーっと悩んでいた。もう給食の時間だ。4時間授業といっても給食はしっかりある。
夜風はしゅんとリョウで話していた。
「明日はバレンタインだな」
「俺にチョコくれる子いないかなぁ」
「リョウにあげる人なんて誰もいないでしょ」
「ひどくない?!」
「夜風にお願いがあるんだけどさ……俺にチョコをくれ‼︎」
「それならオレにもくれ‼︎」
「は?」
「なんで?」
「どうせ俺にはチョコをくれる子なんていないんだ。男ならチョコは欲しいものだろ!」
「リョウは誰にも貰えないだろうけど、しゅんは誰かしらには貰えるでしょ。モテてるんだし」
「出来るだけ今年は多く貰いたいんだ!」
「どんだけ貰いたいんだよ!」
「まぁいいよ」
『それなら俺にもくれ!』
『僕も‼︎』
「えぇ〜もっと早く言ってよ」
『やったぁー‼︎』
しかし、炎、氷、光輝、紫音は夜風にチョコが欲しいとは言っていない。
4人はチョコ欲しくないのかな
でも4人だけチョコあげないってのもかわいそうだし、4人にもあげよう!
クラスのみんなとは、違う感じにしよう。
(俺にもチョコくれるかな)
(……くれるはず)
(僕も夜風からチョコ欲しいなぁ)
(俺は欲しくなんかないぞ!)←欲しい!
(でもクラスのみんなと一緒に、チョコくれ! って言ったらもう負けだ)
4人は夜風から本命として欲しいと思っている。
帰りの会をして、学校は終わった。
夜風は家に着いた。
「明日がバレンタインだから、今、作んないと間に合わない!」
「急がなきゃ!」
家には誰もいなかったため、1人で作ろうとしている。
「チョコクッキーでも作ろうかな!」
材料などを冷蔵庫から出した。
ピンポーン!
誰だ?
「はーい」
「夜風?夜風の家の前で待ち合わせって言ったのに全然、来ないけど、どうした?」
光輝は不思議そうな顔をしている。
「え?今日遊ぶって約束したっけ?」
(やっべ!全く聞いてなかった)
「朝に話した」
「やっぱり話、聞いてなかったんだな」
「今日、予定あるのか?」
「え? ないけどあるよ」
4人にチョコ作ってることバレたらダメだろ。
『お邪魔しまーす』×4人
「ただいま〜!」
お邪魔します? 家に入ってきたってこと? それに、ただいま?
「夜風、何やってんだ?」
夜風の兄、夕夜が家に帰ってきた。
「おーい!なに勝手に4人を家に入れてるんだ!」
4人は夜風が台所に立っているところを見た。
「チョコ作ってんのか?」
もう終わったー。4人にはサプライズとしてあげたかったのにバレたー
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