第5話 夜風は誰が好きなの⁉︎

 体育館で始業式が始まった。中学生もいるので人数は多くなったが、入学式とほぼ同じだ。校長先生がずーーーーーーーっと話している。


「高く志を持ちましょう。そして……」


 長い話してんな〜。聞くの飽きたから、考え事しよう。私は小6の始業式に4人に告白された。そのときは恋というものが分からない、友達としてか見れないと言った。それで、高校入学式(1話)で告白された。「付き合ってくれ!」と、4人全員に言われた。


今は恋っていうのも分かるし、友達じゃなくて……好きな人……としても見れるようになった。誰のことが好きなの? って思うでしょ。誰って言われると困る。


 私は……全員が好きなんだ。出来るのなら全員と付き合いたい! でも……「付き合って」と言われたなら、1人を選ぶしかないと思う。だって、4人全員が好きだから全員と付き合っていい? ってそんな都合のいいことはダメだと思う。今すぐに1人を選ぶことは絶対に出来ないから、毎話、4人の中で私が惚れた人を決めるってのはどうかな? 決めたからどうなるって訳ではないけど。でも、「付き合って」の答えを出すために!)


「ここで新しい生徒を紹介します!」


「え⁈」

「どんな子かなぁ!」

 ザワザワザワザワ


 おーい! これは入学式で聞いたぞ!それに生徒の反応が全く同じじゃないか!


 イケメン4人は壇上に上がった。


「中学は女子校、高校は共学になりました。共学になったのはいいものの、男子は4人しかいません」

「仲良くして下さいね!」


 そんな学校あるか! てか、4人のために先生たちは入試の問題作ったのか?先生の労働力と見合ってないね。かわいそうに……


 そんなこんなで始業式が終わった。




  今、私たちは教室でクラスの学級委員長を決めている。しかし、誰も手を挙げない。誰か、挙げてくれよ。私は光輝が適任だと思う。みんなを上手にまとめてくれるし、優しいからね!


 光輝は迷っている。

(誰も手を挙げないなら僕がやってもいいけど、高校から入った新人がやってもいいの?)


(もうこの沈黙、ストレス!)

「光輝がやれば?」


「オレも光輝が適任だと思う」


「ボクもそう思う」


「やれよ!光輝!」


「僕は高校から入ったから、さすがに出来ないよ」


『雷坂くんに学級委員長やってもらいたい!』

『高校からなんて関係ないよ!』


「ほんとに⁉︎」

「じゃあ、僕やります!」


「雷坂くんが学級委員長ね! 早速なんだけど、仕事があります! 来週から林間学校に行きます‼︎」


『え⁉︎ やったぁー‼︎』


 宿泊行事って急に言われるものだっけ? 事前に色々準備するものじゃなかった?


「班を分けたり、決めることが多いのですが、雷坂くんやってくれる?」


「当然ですよ!」


 光輝がまとめるのが上手いおかげで早く物事が決まっていった。班なども簡単に決まった。



「ありがとう! これなら心配なく林間学校行けるね!」

「学校に6時集合です。しおりに書いてある持ち物を忘れないでくださいね!」

「また月曜にお会いしましょう!」


「月曜で!」


 やっぱり掛け声、変だなぁ〜


「帰るぞ!夜風!」


「うん。帰ろう」



 私たちは5人で帰った。いつもなら駅で別れるのだが、なぜか私についてくる。


「なに、ついてきてんの?」


「夜風の家に行きたいから」


「オレは行きたくなんかないぞ!」←行きたい


「久しぶりだな! 夜風の家に行くの!」


「林間学校だから夜風の準備、手伝おうかなと思ってね!」


「準備なんて1人で出来るわ‼︎」



***

夜風が今回の話で惚れた人は……光輝‼︎ やっぱり学級委員長やってくれたのはデカいね!

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