祝福の紙吹雪:お題『紙』

「見てこれ」

 彼女の手にはカラフルな何かを詰めた小瓶がある。

「何だそれ」

「あなたが昨日置いてった、魔力が付与された色付きの古紙を、細かくちぎって入れたのよ」

「ああ、嘘吐きの日のあれか。お前、まだ根に持ってんのか」

「当たり前でしょ。だから、こうしてやったわ」

 言葉とともに彼女は小瓶の蓋を開けた。

 その瞬間、爆発したかのような勢いで中の紙切れたちが辺り一面に舞い上がった。やがて、魔力付きの色古紙たちはそれぞれが輝きを放ちながら、はらはらと落ちていく。

「へえ。コンフェッティシャワーか」

「こん……、何?」

「まあ、紙吹雪だ」

 二人は同時に舞い落ちる紙吹雪を見上げる。

 七色に彩られた輝きが二人に降り注いでいた。

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