第80話
<前書き>
すみません、投稿が1日遅れてしまいました
テスト期間で書ける時間が全然取れず、、、申し訳ございません
それでは続きをお楽しみください
「うぅ、頭が、、、こめかみが、、、」
未だに頭を襲っているズキズキの痛みに苦悶する
それを見下ろすは、俺の後輩であり彼女でもあるさくら
先程よりかはマシだが、目は黒い、、、見下すような目だ
愛する女性からのその視線は、こめかみの痛みよりも強く心にキく
「反省しましたか?」
「はい、さくらさん。」
さん付けだった
「本人に無断でアルバムの写真を見るとか、女子代表として許せません。 先輩の言う通り、お母様から先輩の昔話を聞いたことがある私が言えた義理じゃありませんが、、、それでも写真というのは恥ずかしすぎます!」
「大丈夫、小さい頃のお前も可愛かったから。」
「んっ! 今はそういう話をしているわけではなくてですね、、、」
一瞬だけ照れた後、話をもとに戻すさくら
「そも、どうしていきなり私のアルバムを? 興味があったのなら、あらかじめ私に言ってくださればよかったのに。」
「それは、、、」
言えない
『お前の誕プレの参考にしたくて』だなんて絶対に言えない
そして言い淀む俺の姿を見て、さくらはとんでもない結論を出しやがった
「小さい頃の私、、、もしかして、先輩ってロリコn「違うからな?」
言い訳が思いつかなかったからとはいえ、よりにもよってその答えに行き当たんな
「そうですか、では私はランドセルを背負って、先輩を『パパ』と呼びながら甘えれば良いということですね、、、」
「わかってないだろお前。 そんな特殊プレイをお前に求めちゃいねーよ。」
「高校生の私にとってかなりアブノーマルなコトですが、、、先輩のために、私頑張りますね!」
「曲解を止めなさい? 今は俺たちしか部屋にいないけどさ、お母様たちに聞かれでもしたら最悪な状況だよ。 というか乗り気そうにしないで心が痛いから。」
17歳にして
十束家の皆様に誤解されたら普通に死ねるレベルだわ
「、、、反省しましたか?」
「はい。」
「女の子もそうですが、人のアルバムは過去の色々な出来事を記録していますので、多くの人は無許可に見られることに忌避感を感じます。 次からはきちんと許可を取ってからにしてくださいね?」
「はい。」
後輩に説教される先輩の図、、、いや言ってることはド正論だし、今後のためにも真剣に聞いている
「、、、なんか、将来はお前の尻に敷かれそうな気がする。」
ふと思ったことを口に出してしまった
まぁそんなこと言ってるとコイツがからかってくるわけで、、、
「ですね、先輩は私のむっちりなお尻に敷かれて喜んでそうです♡」
「お前の俺に対する評価が下がってないか? 俺そこまでの変態じゃないんだけど。」
「”そこまで”ってことは変態なんですね?」
「言葉の綾、俺は変態じゃない。」
「そんなに否定すると逆に疑っちゃいます。 大丈夫ですよ、旦那様が特殊な性癖でも、妻である私はなんでも受け入れてあげますから♡」
「ツッコミどころが多すぎて間に合わんっ!」
変態じゃないと否定しても聞き入れないし、それに旦那と妻ってなんだよ
、、、いや俺もさくらとの将来を考えてるわけで、いつかそう呼ばれることも想像してるし、からかい半分であってもコイツが婚姻関係を話してくれたことは嬉しい
でもさ、ちょーっと早すぎないかな?
俺まだ高2だし、さくらにいたっては高1だぞ
、、、疲れた
「まぁ今回のことは悪かった。 ごめん。」
「いえいえ、あらかじめ話してくだされば見られること自体、私は気にしません。 でも無断というところに怒ったわけです。」
「重々承知しております、、、」
「これは文化祭を一緒に回ってくれないと機嫌が良くなりませんね。 というわけで先輩との文化祭デートを所望します!」
「その言葉を導くためだけに怒ってたんじゃないだろうな、、、まぁいいけど。」
「やったぁ! じゃあ1日目と2日目の両方とも付き合ってください。」
「いやまだクラスの出し物も配置も決まってないんだが、、、」
「なら1日目の午後、そして2日目の午前でお願いします。」
「まぁ、それならいいけど、、、」
ん、待てよ?
俺が言った通り、出し物、配置ともに未決定だ
クラスの仕事によっては1日中働く可能性もあるのに、そんな状態でデートの日程を決めるほどさくらは愚かじゃない
つまり彼女は意図的に過剰な要求をしたということ、、、
「ドア・イン・ザ・フェイス、か。」
「あれ、バレちゃいました?」
言い換えれば、『大きな要求の後の小さな要求は通りやすくなる』だ
相手に2つの選択肢のみを提示し、先に大きな要求をすることで残された本命の要求を飲まざるを得ない、という心理的交渉術
「何処で覚えやがった、そんな心理テクニック。」
「おじいちゃんです、探偵の。」
「マジでその”おじいちゃん”に挨拶してもいいか? カノジョの教育が悪い方向に行ってるんだが。」
「『大丈夫だ、問題無い』、です。」
「そこでネタをぶっ込むなよ、、、でも言ってしまったことはひっくり返せないし、、、お前の要望に出来る限り応えれるようにしとく。」
「さっすが先輩! 私の出来ないことを平然とやってのける!」
「「そこにシビれるあこがれるゥ!」だろ?」
なんとなく分かってきたわ
「ふふっ♡ ではリビングでお菓子でも食べませんか? 甘いクッキーを買ってきたんです。」
「ありがと。 逃げたお二人さんに物申さないといけないしな。」
「でも先輩、お母さんとお姉ちゃんに勝てそうにないですよね。」
「カノジョが辛辣。」
、、、結局帰る頃には、さくらの誕プレのことは頭から抜けてしまっていた
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