嘘告に愛されてしまった俺、唯一本気で告白してくれた子をフッた結果、ストーキングされることになった

第56話

「ま、お前の誘惑の件は放っておいて、」

「人の誘惑を勝手に放らないでください。」

「鍋で何を作ってるんだ？」

「そのことですか、、、内緒です♡　お楽しみはギリギリまで取っておくものですからね！」

「一理あるな。　なら期待しとくよ。」

「はい！　あ、そろそろキッチンへ戻らないと、、、まだ時間がかかるので準備が終わるので、暇を潰していてください。」

「私はそろそろ終わるわよ〜」

　会話の間に混ざってくる母さん

「だそうですので、もう少々お待ちください。」

　、、、待つこと数時間

　丁度晩御飯の時間になっているのは、偶然かあるいは狙っていたのか？

　とりま料理が完成したとのことで、俺は食卓の席に座っている

　その正面には火花を散らし合っているさくらと母さん

　修羅場のように見えるのだが、内容は単に料理勝負が白熱してるだけ

「私、今回の料理はかなり自身があるわ！」

「私こそ、和恵さんに負けないような凄い料理を作りましたから！」

　まぁ俺は座ってるだけで美味しい料理を頂けるという最高な立場なので、ツッコまず黙っていよう

　だが流石に話が進まないのは面倒なので、申し訳ないが口を割らせてもらおうか

「それで、どっちから先に出してくれるんだ？」

「ふふ、私からよ。」

　先攻は母さんらしい

　一体どんな料理を作ってくれたのか、、、

「お待たせ、私の料理はこちら！」

「おぉ、、、」

　俺の目の前には、とても美味しそうなハンバーグがあった

　隣は炒められた野菜によって彩られている

　まるで高級料理店で出されているような出来栄えの料理だ

「、、、凄いとしか言いようが無いんだけど。」

「肉ダネを作るのに時間かかっちゃったのよね。　丸める時も力を入れすぎないように繊細にして、、、」

「ぐむむ、確かに素晴らしい出来栄えです。　私も食べたいなぁ、、、」

「と俺の彼女が申しておりますが、如何なさいますか？」

「勿論いいわよ。　その代わり、さくらちゃんのも食べさせて頂戴？」

「分かりました。」

「じゃあ切り分けるぞー。」

　ナイフとフォークを手に取り、ゆっくりと刃を入れる

　刃が入った所から肉汁が溢れ出してくる、、、今すぐにかぶりつきたいくらいなんだが？

　フォークで刺し口に運んだ途端に、旨味が口いっぱいに広がった

　脂っこ過ぎず肉々し過ぎることもなく、絶妙な具合で作られたハンバーグはまさに絶品

「う、美味いッ！」

　思わず挙げてしまった声に誘われたようで、さくらが催促してくる

「せ、先輩、私も私も！　あ〜ん！」

　さくらの分も切り分け、ご要望通りにハンバーグを同じフォークで彼女の口へゆっくり入れた

　、、、明らかな『あ〜ん』と間接キスなんだが、この時の俺たちにはそのことが頭から抜けていた

　母さんもさくらの反応を待っていたようで、こっそり繰り広げられたラブコメ展開に気付いたのは後々のことである

「お、美味しいです！　高級レストランに出てもおかしくない程の素晴らしい逸品ですよ！　甘い肉汁が口の中に広がって、、、流石です、お母様！」

「ふふん！　時間をかけて作った甲斐があったわ。」

「母さんってこんな料理上手かったんだな、、、いやいつものご飯も美味しいんだけれども。」

「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。　今月のお小遣いの額、上げちゃおうかしら？」

「本当のことだから気にしないで、、、にしても最初からこれかぁ。」

　先攻がかなりハイレベルな皿が出て来たので、後攻のさくらのハードルが上がってしまっている

「うっ、、、私の料理も美味しいですから！　正当な評価で、お母様に勝ってみせますから！」

　どこか焦りながらも、確かな自信を持って料理を取りに行くさくら

　そんなところも可愛いと想ってしまうほど、俺は既に彼女の虜になってしまっているらしい

　母さんと2人で席に座って待っていると、キッチンで作業をしているさくらを眺めていた母さんがボソッと呟いた

「、、、本当に、零斗は良い娘を見つけたわね。」

「急にどしたの。」

「零斗が幸せになってくれて嬉しいってコト。」

「らしくないなぁ。」

「らしくないなんて分かってるわよ。　でもふとそう思ったの。　母親として、零斗が幸せそうで良かったな、って。」

　そんなことを言われるとこちらも恥ずかしくなるだろ、、、でも嫌じゃないな

＜GameManから＞

　応援コメントを一斉に返信させていただきました

　最近は委員会が忙しく、投稿するのに精一杯で、、、せっかくコメントを書いてくださっていたのに、ゆっくり読む時間を取れず、、、

　やっとのことで委員会の仕事が終わり、コメントをじっくり読ませて頂きましたが、まとめて返信という失礼な形を採ってしまい申し訳ございませんでした

　これからは積極的にコメントを返信していけますので、気が向いたら是非応援をよろしくお願いします！