第40話
えー本日快晴なり、そして終礼でテスト返却の時間だよ♡
、、、え?
テストは何処に行ったんだって?
、、、一応あれから何回も先輩たちと集まって勉強して、できる限りの準備はしたの
それでも来栖高校のレベルは高くて、先輩が頑張って教えてくれたにもかかわらず思ったより解けなかった
そのことが申し訳なくて、テスト明けの休みに先輩を遊びに誘う予定だったけど、誘えなかったどころか、そもそも顔を合わせることすら出来てない
このままじゃ、先輩との関係が自然消滅してしまう
そんなの、夏休み突入前に出来上がったカップルが気まずくて夏休みの間会えていなくて二学期に入って気がついたら恋人関係じゃなくなってた、みたいな感じじゃない!
そんなありきたりでありふれた事で先輩と離れてたまるか‼
、、、でも顔を合わせづらい、、、だからテストの結果に全てかかっている
頼みます、6日前の私ッ!
「、、、勝った。」
「どしたのよ、いきなり。」
「聞いてよ希ちゃん! テスト結果がッ、良かったんだよ!」
とても難しくて解けなかった問題はあれど、それ以外の比較的簡単な問いは全て合っていて、その積み重ねにより平均レベルになっていた
ピラミッドの下の下から這い上がったと考えると、素晴らしい進歩だと思う
「あら、あまり解けなかったって言って落ち込んでたけど杞憂だったみたいね。」
「うん、これで気兼ねなく先輩の所に突撃できる!」
「そこはもう少し気兼ねしておいた方がいいと思う、、、」
「では、さくら、行っきま〜す!」
先輩に堂々と会える、、、さて、どんな感じでイジってあげましょうかね、ふふっ♡
あ、でもまずはテストお疲れ様会をした方がいいな、、、先輩の奢りで
「せんぱ〜い!」
「おう来たかさくら。 結果はどうだ?」
「ふっふっふ、、、なんと平均に上がりました!」
「ッ! それは凄いな。 250から150に上がったわけだから、100人抜きだろ?」
「そういうことなんです!」
「お疲れ、頑張ったな。」
えへへ、先輩に褒めて貰えると嬉しい!
いつもは軽くあしらわれてるんだけど、私が本当に頑張った時には素敵な笑顔で労ってくれる、、、本当に優しくて大好きです♡
、、、しかしここで私は、調子に乗り過ぎている事に気付くべきだったのだ
「これも全て先輩のおかげです‼︎」
「ならアイスでも奢ってくれ。」
「はい! 、、、え?」
「そうか奢ってくれるのか、ありがとう!」
「いや、その、これは勢いで言ってしまっただけで!」
慌てて否定するが、言ってしまったものはどうしようもなく、、、
「この前行ったアイス店で待ってるぞ?」
ニヤニヤしながら教室を出て行った先輩
私はプルプル体を震わせながら、その背中を見ることしか出来なかった
「先輩めぇ、、、覚えてろ、、、」
「え? 十束ちゃんってフラれたのよね? なんであんな風にイチャつくことができるの? どんな関係なの〜⁉︎」
「委員長がおかしくなった! 保健委員!」
「これは、、、突如現れた謎なラブコメ展開に脳が耐えきれなくなったようね。」
「まぁたしかに、あの2人の関係は謎だよ。」
「百瀬くんって冴えない感じだったのに、急に目立つようになったわよねー。」
「とにかく保健委員、委員長を保健室まで連れて行こう。」
「そうね。 あの2人のことは、またラインで話しましょう。」
、、、悔しさに震える私の後ろで、こんなことが起きていた事を、私は知る由も無かったのである
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