第39話


「第一回、先輩たちとテスト勉強会〜!」


「そのやる気を早く勉強に向けてくれ。」


「さくら、前回のテストのままだと、あなた本当に補習よ?」


「雪先輩のマジレスはダメージが凄い。」


「見ろ、真面目にテス勉してる万丈を。 少しは見習いなさい。」


「先輩は私のお母さんですか! 、、、分かりました、真面目に取り組みますよ。」




 場所は市の図書館


 私、希ちゃん、百瀬先輩そして雪先輩の4人で勉強会を開いていた


 私と希ちゃんが集合場所に行くと、百瀬先輩と一緒に雪先輩が居た


 偶然、雪先輩も図書館で勉強する予定だったみたいで、先輩と鉢合わせしたついでに混ざる事にしたらしい


 人が多い方が楽しいし、教え方も人数分あるわけだから、希ちゃんも快く受け入れた


 そして驚いたのは、雪先輩と希ちゃんは初めて会った筈なのに、直ぐに仲良くなっていた事だ


 少し話して互いに頷き合いていたので、何か通じるものがあったのだろう



 とまぁこういうわけで、現在私達は机に向かってテス勉しているのである



「先輩、ここは?」


「これはシンプルなifじゃなくて仮定法だな。 if節の時制に注意して、主節の助動詞を考えろ。 時制のズレが生じてるから。」



「百瀬くん、このベクトルってどうやって求めるの?」


「数B教科書のP97あたりに公式があるから、それを上手く使ったら解ける。 一緒に載ってる例題の解法そのまんま。」



「百瀬さん、ここの訳ってどうすればいいですか?」


「『なむ』の用法か。 雑な覚え方だけど、『未然形+なむ』で願望の意、『連用形+なむ』で強調の意、ってのがある。 1年の初めの頃なら、まだこれで良いかもな。」



 ちょ、ちょっと待って?


「先輩教えるの凄い上手いですね。」


「それよね。 先生より分かりやすかったことない?」


「まぁ同じ学生っていう視点から教えてるしな。 人が分からないであろう箇所を抑えることが出来てるわけだし。」


「だとしても本当にためになりますよ。 この前送っていただいた解説も、問題集の解答よりも分かりやすかったですもん。」


「学年何位か聞いても良いかしら?」


 あ〜、それやっぱ気になりますよね


「、、、まぁ言っても特に問題ないか。 1位。」


 先輩はドヤ顔などせず、さらりと言った




「えっ、、、え〜‼」


「はい⁉」


「予想では一桁だと思ってたけど、1位ですか⁉」


「時々2位、かな? 現文でミスって落ちることがあるのが残念。」


「だとしても凄いですよ‼ 先輩がそんなに頭良かったなんて、、、」


「でも、さっきまでの解説を聞いてると納得だわ。 私たちのレベルに合わせて解説も変えてるみたいだったし。」


「これもボッチ生活の賜物だな。 暇な時間を全て勉強に費やしてただけだから、感覚で解く人には及ばないし、、、あんま他人ひとには言うなよ?」


「流石に言い触らしませんよ‼ 、、、そうかぁ、先輩が学年1位かぁ。」


 今年中に先輩を私の魅力に堕とすつもりだけど、もし先輩を高校生活の間に堕とせなかった場合、出来れば同じ大学に行って、そこでもラブコメを繰り広げようかと考えてた、、、でもこの調子じゃあ、私では決して手の届かない大学に行っちゃいそう


「志望大学とかもう決めてるの?」


「百瀬さんの順位なら、中央のトップレベルの大学にでも行けそうですよね。」


「あ〜大学か、、、まだ決めてない。 自分が将来何したいかとか分かんないし。」


「私たちをナメてる発言ですね。 こちとら学年254位ですよ!」


「あなた、本当にヤバかったのね、、、だからあんなにも焦ってたの、、、」


「さくらのことは放っておいて、勉強に戻りましょう。」


「えぇ。」


「そうだな。」


「希ちゃんも私の扱い雑くない⁉ 段々と先輩化してきてる、、、」

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