第33話


「ただいま。」


「おかえり。 今日も何かあったの?」


「友達とアイスを食べにね。 写真あるけど見る?」


「勿論よ! ご飯食べ終わったら見せてね。」


「了解。」




 てなわけで、晩御飯を食べた後に写真を見せたわけなんですが、、、


「ま、まさか私の息子がハーレムを作っていただなんて、、、」


「違うよ?」


「こんなに可愛い子を2人も侍らして何が違うのよ! それにどちらが本命なの⁉」


「うん、落ち着こうか母さん。」


「息子がモテるのは嬉しいけど、2人同時はダメだと思うの。 でも零斗が二人とも幸せにする覚悟があるのなら、、、お母さんも応援するわ!」


「頼むから一旦黙っててくれ。」




 5分後、、、


「そういうことだったのね。 2人はお友達と。」


「初めから言ってたんだけどな、、、まぁ分かってくれたようでよかったよ。」


「だとしても美少女2人を侍らしてるだなんて、、、はっ、まさか『お友達』ってそういう⁉」


「マジで止めてくれ。」


 九重が聞いたら卒倒しそうな爆弾発言だ、、、もう片方は知らんが


 というか、母さんこそさくらに会わせたくなくなったんだが


「今度家に招待してね?」


「絶対にイヤだ。」


「えぇー息子の友達に会うだけなのにぃ? もしかして会わせられない理由があるからぁ?」


 あれ、母さんってこんなにニヤニヤしてウザいキャラだったっけ?


「母さんがウザいからね、俺の友達に会わせたくないんだよ。」


「ガーン‼ む、息子の反抗期が訪れたわ、、、でも会いたいのは本当なの!」


 そんなに必死になってまで、、、


「、、、ハァ、来週の月曜でいい? 一応予定は訊いとくけど、向こうにも予定があるから必ず来れるとは限らないからね。」


「分かったわ! お菓子用意しておくわね。」


「ねぇ本当に分かってるの?」




 母さんが盛大に勘違いを爆発させた日の翌日


 口に出してしまったものはどうしようもなく、さくらを家に誘わないといけないことになってしまった、、、いやこれは別にやましい心が入っていることは断じて無いから安心してほしい


 そして誘うためにはまず会わなければいけないのだが、それに関しては問題ない


 だって登校してたら大抵後ろにいるからな、、、今もいるし


「さくら?」


「、、、またバレましたか。 可怪おかしいですね、ミラーは警戒していたはずですが?」


「今日は風が吹いていないのに、やけに後ろの空気を裂く音が耳に入ってな。」


「、、、先輩は化け物ですか? 普通は風の音なんか気にしませんよ。」


「ボッチ生活の賜物だ。 人と話さないと色んなことを考えられるんだよ。」


 いや違う、今はそんな事はどうでもいい


 まぁ歩きながらでも話そうか




「私が先輩の家に、ですか?」


「あぁ、来週の月曜日にな。 写真を母さんに無断で見せたことは悪かった、謝るよ。」


「いえ、全然気にしてませんから! 寧ろ先輩のお宅にご訪問できるなんてラッキーなのでナイスお母様と言いますか!」


 、、、ハァ


「じゃあOKってことでいいな?」


「勿論です。 あぁどうしましょうか、お菓子は何を持っていった方がいいのでしょうか⁉」


「いや、お菓子とかは母さんが全部用意してくれるみたいだから。 今回はお前が完全にお客様の立ち位置だから、変に気を張らなくても、、、」


「御挨拶に手を抜く良妻が何処にいるのですか‼」


 『クワッ』と両眼を見開き、まるでアニメのワンシーンのような迫力を感じさせた、、、だがツッコミどころが多い!


「1つ目、まず御挨拶じゃない、ただ遊びに来てもらうだけだ。 2つ目、気を張る必要がないと言ったばかりなのに気を張るな。 3つ目、これが一番大事だが、お前は俺の妻じゃねぇ‼」


「ど、怒涛の正論、、、くそぉ覚えてやがれ〜!」


 と言い残し、さくらは走り去っていった、、、


 何故だろうか、、、今からでも嫌な予感がする

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