第30話
いやー昨日やらかしたことを翌朝思い出して悶えることってあるよね?
今の俺がそうなんだけれども!
朝起きて寝間着のままベッドの上で悶てるんだけども‼
「クッソ胸が超苦しい、、、精神的な意味で、、、」
痛みの原因は昨日の放課後のアレだ
いやあの時は自分が自分じゃなかったというか、場の雰囲気に流されてだからノーカンと主張したい
、、、アイツが寂しそうな顔をして『嫉妬した』とか言うもんだから、謎の庇護欲掻き立てられてノリで名前呼びしただけなんだよ‼
なにが『さくら』だ、クソッ、、、あんなふうに調子乗ってるからモテねぇし嘘告されんだよ、、、
今更になって羞恥心が湧いてきたのもダサいな、俺
まぁ何事も朝の準備から初めなきゃだな
「おはよー母さん。」
「おはよう零斗、、、最近楽しそうね。」
「ふぁ? 何が?」
今からパンを口にしようとしたとこなんだけど
「昨日もこの前も、あなたの表情が豊かになってるから、、、学校のこともあまり話さないし不安になっちゃってたけど、安心したわ。」
「、、、周りが騒がしくなってるのは本当だね。」
「ふふっ、面白い人なのね。 今度家に連れてきてもいいのよ?」
「ま、気が向いたらね。」
でもアイツって俺の住所知ってそうなんだよなぁ
『ある日家に帰ったら、母さんとアイツが仲良くなっていた!』とか有り得そう、、、いやマジで有り得かねんから怖い
我が家にまでアイツに侵食されたら逃げ場がなくなる
あらかじめ釘刺しておくか、、、
忘れ物は無いな
「ほいじゃ行ってきます。」
「気をつけてね。」
朝出るたびに言ってくれるこの言葉が嬉しい
別にマザコンというわけではないが、母さんにはとても感謝している
だから息子のことを安心させたいという意味では、アイツと母さんが仲良くなることは望ましい
だがなぁ、、、アイツかぁ、、、今も後ろにいるしなぁ
「気づいているから姿を現してもいいぞ。」
電柱の影から姿を現したラスボス
「、、、何故気づいたんですか。 今日は割と上手に出来たと思うんですが。」
「そこ、カーブミラーあるだろ?」
「あっそこか〜、これはしてやられましたね。」
「だから大人しく諦めるがよい。」
「私の想いはぁ、不滅だぁー!」
「なんでそのネタ知ってんだよ、、、まぁいいや。 ここからは一緒に行くぞ。」
「フフ、先輩もエスコートが慣れてきたんじゃないですか?」
「ストーキングされてるのを見られたくないだけだ、、、というか後ろに人がつけている状態だと分かった上で登校できるかよ。」
「でも慣れてきたのは本当でしょう?」
「不本意だがな、、、まぁこれからは使うことがないスキルだが。」
「何を言うとるんですか? 目の前の女子にずっと使うことになるのですから。 末永くよろしくですよ♡」
「一生後ろに付きまとわれるとか、もはや呪いでは、、、」
「流行りに乗っかって罵倒しないでください。 あと人の好意を呪いだなんて、失礼ですよ?」
「『愛ほど歪んだ呪いはない』、、、だったっけか?」
「上手いこと言わないでください!」
コイツと話してたら、昨日の羞恥心なんか忘れてしまっていた
やっぱ楽しいよ、コイツと話すの
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