第25話
身体を起こし、軽く背伸びをする
カーテンから差し込む光が丁度目に当たり、無理矢理にでも重いまぶたを上げさせられた
そして部屋の中を取り留めもなく見渡す
、、、別段古くはないが、何故か懐かしさを感じる夢を見た
昨日あんなことがあったから、記憶を夢として視てしまったのだろうか?
あれは九重の嘘告
後に九重はカースト上位へと上り詰めることが出来たから、フラれ損にはなってなかったな
それにしても、、、
「あの時の俺と今の俺、まったく変わってないな。」
今も心情は変わらず、嘘告されることがどうでもいい
寧ろグループやクラスの役に立てる分、マシだと考えている
だからこそ
『このままではダメだ』『なんとかしないと』
焦る気持ちはあるのだけれど、どうしようもないから何も手が出せない
焦ることを出来ているから、十束と遭う前よりは成長していると思うのだが、、、正直分からん
「ハァ、、、」
十束と話すことは楽しいし、アイツのことは信用できる
これらは否定しないが、、、なのに十束の好意だけは信じられない
なんだよこの矛盾
「ハハッ、、、やっぱ拗らせてんな。」
もういいや、考えるの止めよう
のんびりと登校の準備でもするか
時間は変わって、現在登校中
「おはようございます。 見廻りお疲れさまです。」
腕章を着けた見廻りさんに挨拶した
「ありがとう。 今日も気をつけて登校したまえ。」
そう言って見廻りさんは歩いて行った
風紀委員長が見廻りを正式に発表した日の朝から、風紀委員たちが見廻っているのをよく見かける
ママさんたちの立ち話をチラッと聞いただけだが、評判は良いみたいだ
なんでも地域の防犯に役立っているのだとか
やっぱあの人スゲェな、コレも見越してたのかね
、、、ま、この見廻りによって不利益を被るヤツが1人いるんだが
「おはようございます先輩。 いや〜人が多いと難しいんですね!」
「遂に出てきたなラスボスが。」
「先輩を
「やかましいわ。 、、、ストーキングが面倒くさくなって、結局姿を現したってトコか?」
「大正解です! 週三でお爺ちゃんのところで修行してるんですけどねーやっぱ中々上達しません‼ 千歳先輩が見廻りを発表してから、より難度が上がりましたし。」
「今度風紀委員長に感謝を伝えておくわ。」
「そんな! 先輩は私の味方じゃないんですか⁉」
「誰がラスボスの味方なんかするかっつーの。
ちなみに勇者は風紀委員長な
「でもぶっちゃけ、可愛い後輩に跡をつけられるって嬉しいでしょ?」
そう言いながらあざといポーズをとる十束
、、、
「嬉しくないな。 そんな特殊な性癖は俺には無い。」
「真顔で言うの止めてくれません? かなり心にダメージ入るんですよ。」
「ラスボスに会心の一撃ってことだな。」
「うるさいです。」
モモセ は トツカ に 会心の一撃を与えた
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