嘘告に愛されてしまった俺、唯一本気で告白してくれた子をフッた結果、ストーキングされることになった

第26話

　軽口を言い合いながらも、結局は並んで登校することにした

「そういえば、お前さっき『お爺ちゃんのところで修行』って言ってたよな。」

「はい。　お爺ちゃんは元探偵でして、尾行の時の隠密能力が凄いんです。」

「探偵⁉」

　ホントにあったのかそんな職業？

「と言っても浮気調査とかが主にだったらしいですよ。　偶然事件現場に居合わすとか、某少年探偵ぐらいです。」

　そこは同意するが、、、

「それで君は、その元探偵のお祖父さんに修行させて貰っていると。」

「はい！」

「よし、君はもう修行させて貰うな。」

「だが断ります。」

　某漫画家みたいにカッコよく言うな

「、、、まぁ俺に君の修行を止める権利は無いしな。　好きにしたら？」

「これは先輩にストーキングを認めてもらえたということですね。」

「全然違うし、許可したのはそっちじゃない。　修行は別に良いがそれ（ストーキング）はヤメロ。」

「先輩、気づかれなければOKです。」

「ダメだわOUTだよ。」

　雑談していたら校門に着き、十束がある人物に気づいた

「あそこにいるのって雪先輩ですよね。」

「ホントだな。　誰かと話してるみたいだが、、、邪魔したら迷惑だろうし、行くなよ？」

「流石に行きませんよ！」

「ホントかぁ？　何処かの誰かさんは九重んトコに突撃したみたいだが。」

「ぐっ、否定できないのが悔しいです。」

　歯噛みすんなよ、俺が悪いみたいじゃないか

「まぁそんなことは置いといて、先輩って放課後空いてます？　空いてますよね！　今日も一緒に帰りましょうね‼」

「色々と決めつけんなよ、、、ま、別に良いが。」

「やった！　それじゃ今度は先輩が私を迎えに来てください。」

　は⁉

「やだよ行きたくない。」

　女子を迎えに行くとか、絶対に誤解されるだろうが

「エスコートに慣れておいて損は無いですし、カノジョのお迎えは彼氏の基本ですよ？」

「後者について異議を申し立てたい。」

　勝手に付き合ってることにすんな

「異議を却下します。　それではそういうことで、よろしくおねがいしますね！」

「あっ、こら、ちょっ、、、行きやがった。」

　逃げ足早すぎるだろ

　放課後になってしまった

　、、、なんで最近は放課後に疲れることが多いんだ？

　風紀委員長に呼び出されるわ、自称本気な好意を持つ後輩に呼び出されるわ、過去に嘘告した相手に呼び出されるわで、もう大変だよ

　って呼び出されてばかりだな

　嘘告もだが、俺は呼び出されることにも愛されてしまっているらしい

　前世で一体どんな悪行をしたらこんな運命になるんだよ

　とある意思が受け継がれていく物語並みに数奇な運命すぎる

　だって確率的に考えて、人生で嘘告される回数は多くて1回や2回程度だろ？

　10回って、、、

　さて、色々と考えていたら十束のクラスに到着したみたいだ

「何人くらい残ってるのかね、、、」

　お、5人くらいしか残ってない

　これはラッキーだな、さっさとアイツを呼び出そう

　幸い入り口近くに1年の男子がいるから、そいつに話しかけて呼んでもらうか

「君、ちょいと良いかい。」

「はい、何でしょうか？」

　物腰丁寧、好感が持てる

「十束さくらを呼んでくれないか？」

「分かりました、十束さんですね。　少々お待ち下さい。」

　そう言い残して十束の所へ行った

　十束は友達と話してたらしく、男子生徒から要件を話されると友達に断りを入れ、こっちに向かってきた

「、、、まさか先輩が本当に迎えに来てくれるとは。　これは明日槍が降りますね。」

「そこはせめて昨日みたいに雪で止めておこうな⁉」

「そういえば百瀬先輩。」

「どうした十束後輩。」

「万丈ちゃんに先輩のこと紹介するって約束しちゃいました！　テヘ♡」

　『テヘ♡』じゃねーよ‼