第21話
「どうした? 急に俯いて。」
「いえ、なんでもないです。 気にしないでください。」
カッコいい先輩にドキドキした、なんて言ったら絶対からかってくるもん
「ならそうするが、、、それで九重雪にはいつ会えばいい?」
「そうですね、、、やはり放課後にしましょう。」
「なら此処の空き教室が良いかもな。」
「私も賛成です。 では早速伝えてきますので一旦解散ですね。」
「承った。」
こうして先輩と一度離れ、雪先輩を再び訪れ予定を伝えた
雪先輩は直ぐに頷いてくれた
「場は用意した。 後は先輩に任せるしかない。」
仲直りとは違うけれど、2人が仲良くなって欲しいと私は思う
でも、、、
百瀬先輩は来てくれるとはいえ、雪先輩のことをどう判断するのか、私は知らない
雪先輩は謝りたいと言っていたけれど、雪先輩が真摯に伝えたところで百瀬先輩がその謝罪を受け入れるのか、私は分からない
知らないし、分からない、、、不安だ
私が勝手に動いたことだけど、最悪の場合2人が二度と話すことが出来ない関係になってしまうかもしれない
、、、そんなのイヤだ
でも、私は百瀬先輩を信じたい
とっても優しい人
その優しさによって傷つき、拗らせてしまった人
でも私が心惹かれた人
「、、、お願いしますよ、百瀬先輩。」
場所は変わって集合場所の空き教室
雪先輩を連れて行くと、夕日を背に百瀬先輩が既に待っていた
夕暮れ補正なのか、いつもよりも大人びた雰囲気に見える
「、、、百瀬くん。 こんにちは。」
「あぁ。」
う〜ん淡白!
ここは私が空気を明るくしなければ‼︎
「、、、」
「、、、」
「、、、」
ごめんなさい難しかったです
2人の関係がアレだから気まずいのは分かるんですが、私の立場が1番ヤバい
だって橋渡し役だし、、、ここで黙ってしまうのは
ここは必殺‼︎
「私は外で待っているので、お二人でどうぞ?」
「逃げたろ十束。」
「逃げたわねさくら。」
「うるさいですね‼︎」
この空気に耐えられるわけないじゃないですか!
私は一足先におさらばさせてもらいます!
「、、、まぁ確かに、お前に頼り過ぎた気がする。」
「そうね、ずっとさくらに頼り切りだったものね。 後は私たちの番よ。」
「そうだな、、、」
百瀬先輩、雪先輩、、、
「それじゃお言葉に甘えて失礼します!」
私は駆け足で教室を飛び出た
後ろから呆れたような視線を2つ感じたけど無視してドアを閉め、一息つく
「ハァ、逃げちゃったな、、、」
、、、中がどうなってるのか知りたいけど、逃走した身分としては聞く権利がない
大人しく待ちますか、、、
十と数分後、教室の中で変化が起きた
『ガタン!』
『バン!』
椅子が倒れ、机が叩かれた音がした
まさか喧嘩⁉
私は急いで空き教室に入った
「何事ですか⁉」
「私の方がさくらの先輩よ!」
「落ち着けって!」
、、、はい?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます