第18話
「百瀬先輩に、ですか?」
「謝ってどうにかなる話じゃないけど、そうしないと私の気が済まないから。」
う〜ん、でもな〜
「今の先輩の感じだと、雪先輩の言葉を信じてくれないかもしれませんよ。」
先輩の拗らせ具合は凄いからな〜
話を聞かないどころか誤解しちゃいそう
「そう、よね、、、いえ、やっぱりお願い。 例え自己満足だったとしても、それがきっかけで何かが変わるかもしれないから。」
「、、、」
「それにいざとなったら身体で、、、」
「ちょっと待ってください、何かものすんごいことをしようとしてませんか?」
「捧げるしかないわね。」
「何をですか⁉」
それは流石にやり過ぎ!
それに何より、、、
「それに先輩のハジメテは私って決めてますから。」
「フフ、そうね。」
「あ、笑うなんて酷いですぅ。」
「、、、ごめんなさい。 さくらの言う通り、あなたを応援したのは私の勝手な贖罪のためだったわ。 だから改めて言わせて頂戴。 さくらと百瀬くんのこと、心から応援するわ。」
「ありがとうございます。 じゃあ、先輩と話して予定聞いておきますね。」
雪先輩は理解してくれた
そして変わろうとしてくれた
そんな先輩に私が出来ることは、場を整えて背中を押すことくらい
二人の先輩のためにも、ここは一肌脱ぎますか‼
「ところでさくら。」
「はい何でしょうか。」
「HRまであと何分くらいかしら?」
「あっ。」
オ・ワ・タ
「HR遅れたくらいであんなに怒らなくてもいいと思うんだけどな、、、」
雪先輩との密会によってHRに遅れた後、担任にめっちゃ怒られた私は萎えていた
ここ最近遅刻したのが災いして、より一層怒られた
ちなみに雪先輩は軽い注意で済んだらしい
解せぬ
「これは先輩をイジってメンタルを回復させるしかありませぬな!」
百瀬先輩と話すことはとても楽しい
ツッコミをちゃんと入れてくれるし、会話のテンポも上々で、ホントに好き
「っと、着いた着いた。」
先輩のことを考えてたら、先輩の教室に到着した
ここは明るく元気にイッパツ!
「百瀬せんぱ〜い‼ 可愛い後輩が遊びに来てあげましたよ! 、、、ってアレ?」
ぐるーっと教室を見渡しても、先輩の姿が見当たらない
可怪しいなぁ、ボッチな先輩なら昼は必ず教室に居ると思ったんだけどなぁ
そこら辺の人に聞いてみよう
「すみません、百瀬先輩って何処にいるか分かりますか?」
「百瀬くん? そういえば10分くらい見てないわね。」
眼鏡をかけてていかにも委員長ですみたいな女子の先輩が答えてくれた
「なら何処に行ったか予想できますか?」
「私が教室に戻る時にチラッと見かけて、、、あれは風紀委員室の方向かしら?」
「ありがとうございます!」
この優しい先輩は敬意を評して、これから眼鏡先輩と呼んであげましょう‼
「それでは失礼いたしました!」
眼鏡先輩に別れを告げ、いざ風紀委員室へ‼
「あ、行っちゃった、、、」
「いいんちょ、どしたん?」
「さっきまで居たのって、1年の十束ちゃんよね。 百瀬くんにフラれたっていう。」
「え、あれが十束ちゃん⁉ 確かにかわいーわ。 フッた理由が分からん。」
「できたら百瀬くんとの関係を知りたかったんだけど、、、」
「いいんちょ恋バナ好きだもんねぇ。」
「ちょっ、それはあんまり言わないで!」
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