嘘告に愛されてしまった俺、唯一本気で告白してくれた子をフッた結果、ストーキングされることになった

第17話

「さくらと百瀬くんの言う通り、1年の時に私はイジメられていたの。　そんな時に、リーダー格の女子から百瀬くんに嘘の告白をしてこいって言われて、、、」

「それでしょうがなく、ですか？」

「えぇ。」

　ふむ、話の筋は通っているし、先輩の話とも合っている

　目を見た感じ本気そうだし、これはシロかな

　でも、、、

「避けられない理由があったから自分は悪くないって言いたいんですか？　だからって先輩を傷つけたことを悪いと思ってないんですか？」

　途端、耐えきれなくなったように雪先輩が叫んだ

「思ってたわよ‼　だから百瀬くんが誰かと付き合って幸せになれるように、あなたを応援したのよ！」

　この言葉を聞き、私はとてもイラッとした

「私を応援したんじゃなくて、単に私を罪滅ぼしに利用したってことですか。」

「ちがっ！」

「先輩は私の告白を信じてくれませんでしたよ。」

「、、、え？」

　何を言っているのか分からない顔をしてますね

　事実を教えてあげますよ

「先輩は今までに何回も嘘の告白を受けてきました。　そのせいで、人からの好きって気持ちを信じられなくなったんですよ？　そうさせたのは雪先輩、あなたもです。」

「そ、そんな、嘘よ‼　そんなことありえるはずがないわ！」

「本当のことです。　なんなら今から先輩を呼んであげましょうか？」

「ッ！　や、止めて‼　百瀬くんに遭ったら、何を脅されるか、、、」

　ハァ⁉

「先輩の気も知らないで何を悲壮面してるんですか？　先輩は優しいから、、、雪先輩たちのせいで壊れちゃったから、、、もう憎めもしなくなったんですよ⁉　百瀬先輩が雪先輩たちになんて言ってたか知ってますか⁉」

「、、、何を言っていたの？」

「『自分が告げ口したら雪先輩たちに迷惑がかかるから公にしない』って言ってたんですよ！　それを聞いてもまだそんな態度を取れるんですか⁉」

「ッ‼」

　少々熱が入ってしまった

　小休止大切、これ真理

　少しの静寂の後、再び私は話し始める

「責めるような言い方をしてしまってすみませんでした。」

「、、、いいえ。　あなたには責める権利がある。」

「それこそ違いますよ。　私には責める権利なんか無かった。　復讐する権利も無いです。　でも、先輩たちには知る義務があると思います。」

「ッ！」

「反省や謝罪をした方が良い、なんて言いません。　ですが今の先輩を知ってあげてください。」

　復讐はしない、責めもしない

　だけどせめて、自分がした行いの結果を知ってほしい

　それから先輩たちがどうするかは、私が決めることじゃないから、、、

　気分が落ち着いた先輩は、再びゆっくりと話し始めた

「、、、ありがとう、さくら。　おかげで自分のしてしまった行いに気がつくことが出来たわ。」

「いえ、私は雪先輩にだから言ったんです。　雪先輩ならきっと、分かってくれると信じてたから、、、」

「さくら、、、本当にありがとう。」

　雪先輩はとても綺麗なお辞儀をした、、、いやちょっと待って待って

「顔を上げてください！　先輩に頭を下げさせるとかどんな悪女ですか！」

　いや私の今の立ち位置、悪女やないか〜い！

　内心ふざけている私を置いてけぼりにして、先輩は真面目に話し続けた

「お礼もあるけど、お願いも含めてるのよ。　、、、私を百瀬くんに会わせてくれないかしら？」