第16話
「おはよーさくら。」
さて、何の成果も得られなかった朝の教室
入ると、友達の
ここは元気に返さないとね!
「おっはよ〜!」
「今日も元気だね。 何か良いことでもあったの?」
おっ、良い質問ですねぇ
「うん! 実はね、昨日好きな人と話せたんだ!」
「好きな人って、あの百瀬先輩? 噂でフラれたって聞いたから、心配だったんだよ、、、」
その噂なら私も知っている
告白を偽物だと誤解された後、泣きながら帰ったから、、、納得できなくてストーキングしたケド
「心配しないで、何か誤解してたみたいだし。 その誤解も無事解決したから。」
「ならいいけど、、、何かあったら相談に乗るからね。 いつでも頼って!」
「希ちゃん、、、ありがと!」
ハグっと抱きつく
あっ、これを言っとかないと
「ごめん、ちょっと席を外すね。 それじゃ行ってくる!」
「えっ、ちょっとさくら⁉ 、、、行っちゃった。」
いつもより少し早く廊下を歩き、雪先輩の元へ向かう
復讐はしない、、、先輩がダメって言ってたから
でも、本当に事情があって百瀬先輩に嘘の告白をしたのか事実確認しないと、、、場合によっては利用できるよね
え?
先輩に対して失礼だって?
だってぇ、例え事情があろうと百瀬先輩をあんなふうにしたクズ女共に敬意なんか払うわけないじゃないですかヤダー
ま、それも場合に
個人的に雪先輩のことは信じたいし
っと、そんなこと考えてたらお目当ての教室に着いた
「あっ、雪せんぱーい!」
「あら、さくらじゃない。 どうしたの朝一番に?」
雪先輩は所謂清楚系の美人で、いつもグループの中心にいる
纏う穏やかな雰囲気と優しい笑顔が素敵で、2年の同学年に人気らしい
かく言う私も純粋に憧れていた、、、この前までは
「実は訊きたいことがありましてぇ。 ちょっと席を外してもらってもいいですか?」
「良いわよ。 それじゃ皆、失礼するわね。」
「いいよー待ってるわ。」
「でもなる早で。」
モブ2人が雑な返事をした
なんかいかにもギャルみたいな風貌で、清楚キャラな雪先輩には雰囲気が合っていない
それでも仲良くやっていけているというのだから、世の中は不思議な人で溢れてるんだなぁ(ブーメラン)
モブの話は置いとこう
雪先輩と私は、屋上に続く階段の踊り場で向かい合わせに立っていた
「それでさくら、どうしたの? まさか告白とかw?」
「告白じゃないですけど、そういえば雪先輩って百瀬先輩に告白したことありますよね。」
「ッ⁉ なんのことかしら?」
目を逸らし、見るからに狼狽えている
「とぼけても無駄ですよ。 百瀬先輩から聞きました、、、先輩に嘘の告白をしたんですよね?」
「も、百瀬くんが、、、」
「そんな事しておいて、よく私に応援なんか出来ましたね。」
「そ、それは、、、」
「その時の雪先輩の事情も聞きました。 だからといって先輩を傷つけたことは絶対に赦しません。 私が赦しません。」
「、、、」
「なんとか言ったらどうなんですか?」
強い言い方になってしまったけど、生半可な尋ね方だとしらばっくれたり嘘をつく可能性もあった
まるで私が悪役だ、、、それでも構わない
先輩のためになら、いくらでも泥をかぶってやる
雪先輩は肝念したようで、ゆっくりと口を開いた
「ごめんなさい、、、全部話すわ。」
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