第15話


 、、、夢、ですか


 昨日は久しぶりに百瀬先輩と放課後を過ごしたし、なんと初めて一緒に帰ることもできた


 だから懐かしい夢を見てしまったのだろう




「あれが、きっかけなのよね。」


 先輩と初めて話した日


 仲良くなるきっかけになった日


「今思えば、あの時の5回目って、、、」


 昨日、先輩から衝撃的なことを教えられた


 先輩はどうも、嘘の告白に遭ってきたらしい


 それも、何回も


 初めて話した時の『5回目』とは、5回目の嘘の告白のことだったのだろう


 

 聞いた時は信じ難かったけど、先輩の目からは嘘をついているように思えなかったし、何より先輩のあの拗らせ方は相当なことがないとありえない


 それこそ、偽物の想いを何度も伝えられるコトとかがないと


「、、、あのクズ女共。」


 、、、ダメだ


 思い出したらまたイライラしてきた、、、勿論そのクズ女共に


 嘘の告白なんかして何が楽しいのだろう?


 人を深く傷つけて喜ぶとか、ありえない


 私は復讐してやりたかったけど、一番の被害者である百瀬先輩がそれ復讐を止めた


 先輩曰く、自分のフラれ損になるとのコト


 寧ろそこまでいくとお人好しとかそういうレベルじゃない、、、悪い言い方だけど、狂っている


 あの人はもう壊れている、、、人の好意を信じられなくなるほどに傷ついている


 あのチョロくて、、、でも優しかった先輩をあんなふうにするとか、絶対に赦さない


 先輩が気にしないでいようが関係ない


 お門違いかもしれないけど、、、私が、絶対に、赦さない



 でも、私の思いと先輩の考えは相反あいはんしている


 先輩の思いは尊重するけど、私の苛立ちが抑えられないのもまた事実


「ホント、どうしよっかな、、、」


 ま、難しいことは考えても仕様がない


 まずは朝の準備をしよっと


 小休止は大切だよね♪




 朝の準備を終え、いざ登校


 勿論行く途中にまず先輩の家に行く


 、、、お恥ずかしい話、私は百瀬先輩をストーキングしてしまった


 告白した時の終わり方が納得いかなくて、衝動的に跡をつけてしまっていた


 まだ先輩から赦しの声はもらってない、、、赦してないのだろう


 でも私としての尊厳を失う代わりに、先輩の家の位置、登校経路、登下校の時間帯、人の視線が集まらない地点など、様々な情報を手に入れられた


 あとは、祖父直伝の足音を立てず気配も消すことが出来る特殊な歩法を用いれば、この通り!


 なんと先輩の跡をつけることが出来るのです!


 え?


 謝罪したんじゃなかったのかって?


 ふふふ、謝罪はしたが、絶対にしないとは言っていない‼


 でも私はまだ未熟だから、お爺ちゃんみたいに完全に気配を消すことが出来ない


 おかげで先輩にはすぐバレたし、何故か先輩と一緒に帰ってた風紀委員長は警戒範囲が広すぎて、全く近寄れなかった


 また道場に行って、修行させてもらおっと






 、、、あと何故か人が巡回してる


 あの腕章は、風紀委員かな?


 おかげで先輩に近い距離でつけられなかった


 、、、何の成果も!


 得られませんでした‼

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