第二章

第14話


『あっ。』


 放課後、図書委員の仕事で本の整理をしている途中、手が滑って本が落ちちゃった


 それも十数冊、、、


 本を読むことは好きなんだケド、、、


『めんどくさいなぁ。』


 ブツブツ言いながら片付け始める私、、、だってホントにめんどくさいんだもん!


『あの、手伝おうか?』


 いきなり話しかけられた!


 ちょっと待って私、初対面の人と話すの難しいんだけど!


『えっ、あの、その、、、』


 どもっちゃったよ


 何やってんのよ私!


『あ~、じゃあ俺が勝手に片付けるわ。 ちょいと失礼。』


 そう言って片付け始めてしまった


『あっ、あ、ありがとうございます。』


 校章を見る限り、中2の先輩かな?


 確か名前は、、、


『百瀬、零斗さん?』


『あれ、名前知っててくれたんだ。』


 そりゃぁまぁ、、、


『おーい百瀬? こっちの箱も頼むわ。』


『了解っす、先生。」


『百瀬くん、この書類って・・・』


『そのプリントは・・・』


 頼み事をしても、全部応えてくれることで有名だし


 優しいというか、チョロいというか、、、




『あの、先程はありがとうございました。』


『いや、勝手に片付けただけだし気にしないで。』


『あの状況だったら、困ってた私を助けてくれたようにしか見えませんよ。』


『ハハッ、そうだな。』


 ホント、優しいなぁ


 見てるこっちが不安になるくらい


『っと、呼び出されてたんだった。』


『呼び出しなんて、何をやらかしたんですか?』


『先生じゃないよ。 あ~、コレ言っても良いのかな、、、ま、呼び出されたから行かないと。 じゃ、お先に失礼。』


 そう言って図書室から去っていった


 先生じゃないとしたら、アレかな、、、告白


 あんなに優しかったらモテそうだもんなぁ、、、まぁ私には関係ないケド


 、、、でも、あの人と友達になってみたいな




 少し経った後、百瀬先輩が帰ってきた


 何かあったのかな


『あの、どうしたんですか?』


『なんか人違いだったみたい。 まったく迷惑な話だよ。』


 ほっ


 、、、ほっ?


 え、え、え、何で私ほっとしてるの⁉


 ち、違うから‼



『、、、5回目、か、、、これってやっぱ、愛されちゃってるよなぁ。』


『え、なんて言いました?』


 ボソッと何か言っていたが、小さくて聞き取れなかった


『いや、なんでもない。』


 一瞬だけ悲しそうな顔をしてた気がするけど、気の所為だったみたい


『そうですか。』


 、、、でもでも!


 この人と友達になれそうで嬉しいな

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