第10話
『モグモグ』
「、、、あのな、君。」
『モグモグモグ』
「クッキーを食う手を一旦止めろ。」
『、、、ゴックン!』「はい?」
「放課後だぞ⁉ 君はセンパイの時間を奪って楽しいのか?」
「と言いつつも百瀬先輩も食べてるじゃないですか。 ホラ見てください、クッキーの袋の山がこんなにも!」
「クッキーに罪は無い。」
「私に罪はあるというのですか! ムムム、、、こんなに可憐な美少女と一緒にお菓子を食べられるんですよ? 寧ろお礼を言ってほしいですね。」
「、、、ハァ。」
ゴミはまとめて一つの袋に入れ、家に持ち帰ってから捨てましょう
そしてストーカー女子はその袋を俺に渡してきた
、、、その満面の笑顔をやめなさい
「それでは、満を持して質問タ〜イム! まずぅ、先輩って彼女居ますか?」
「居ない。」
「わ〜お、淡白ですね! それでは次の質問です。 私と付き合ってくれますか?」
「NOだ。」
「一刀両断と来ましたか、、、その心は?」
「君の言葉を信用できない。」
「えぇ〜、、、ホラ、可愛い美少女が目の前にいるんですよ? 可愛くて無垢な少女の言葉を、百瀬先輩は信用できないんですか?」
しゃあない、順序立てて説明してやるよ
「まず1つ、君と俺は遭って少しの時間しか立っていない。 仲が良くない間柄での会話を生真面目に信用できるか。 2つ目、君が陽キャ筆頭の九重雪と仲が良いからだ。 信用できない。 最後に何より、ストーカーの言葉を信じられるか‼」
「怒涛の正論ラッシュ! 可愛い後輩が泣いちゃいそうです、、、また慰めてください。」
「懲りないやつだな、君は。」
とにかく質問は答えた
「懲りると言えば、最近肩コリが酷いんですよ。 やはり成長中だからでしょうか。」
そう言いながら、身体のとある部位を持ち上げる
「、、、君、俺のことをナメてるだろ。」
「はい!」
「清々しい回答に驚きだよ。」
「可愛い美少女からの好意を受け取らない拗らせ百瀬先輩のことなんか、ナメるに決まってるじゃないですか。 、、、ホントに、何で信じてくれないんですか、、、」
、、、その、俯かれると、気分が悪いな
「あ~、なんだ、、、少しは信じる気になったよ。」
「本当ですか⁉ チョロいですね、百瀬先輩!」
前言撤回、コイツを絶対に信用しない
「ホント、チョロくて甘くて、優しいですね。 そんなところに惚れたんですけど。」
「は? 俺が? 優しい?」
「ボッチな先輩は知らないと思いますが、」
「おいちょっと待て! 俺がボッチなことを何故君が知っている?」
「好意を抱いた対象をリサーチするのは基本中の基本ですよ♡ 話を戻しますが、普通、ストーカーされた相手を慰めるなんてコト、誰にもできるわけじゃないです。」
「それは、、、」
「ま、つけてたのがバレた時以前からもその優しさを知ってたんですケド。 先輩って、もしかして自分以外には興味が無い系の人ですか?」
「何故そのような結論に至る⁉」
「だって百瀬先輩と私って、話したことありますよ? 覚えてないんですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます