第9話
今現在において風紀委員室より行きたくない場所ランキング第1位、第3多目的室に来ております
この先に待ち受けるものとは一体⁉
「お待ちしていました。 どうぞおかけください。」
ま、ストーカー女子だよな
行きたくないと心から思ったが、またストーキングされても嫌なので、本当に不本意だが、放課後の呼び出しに応じてみた
ドアを開けると中には机と椅子が2脚
「取調室かよ。」
ご丁寧に照明まで置いちゃって、、、っていうかコレ狙ってるだろ
「先輩から本音を聞き出すにはこうした方が良いと思いまして。」
「やる気の方向性が大気圏外を向いてるんだが⁉」
「何を言うですか。 なら私のやる気は成層圏を突破しています。」
やかましいわ
閑話休題
「俺は君と漫才をするために来たんじゃない。 さっさと要件を話せ。」
「漫才は漫才でも
駄目だコイツ、、、早く、なんとかしないと、、、
「君、初遭遇時とテンションが変わりすぎだろ。」
「初遭遇ってなんですか、人をモンスターみたいに言っちゃって! あ、ちなみにコレが私の素ですので。 泣き顔も見られちゃったので、もう取り繕っても意味ないですし。」
「、、、まぁ、変に繕われるよりマシだが。」
「冗談はこれくらいにして本題に入りましょうか!」
「君が発端だよな⁉」
あ~もう、調子狂う、、、
「それで、君は九重雪とどんな関係なんだ?」
「あ、コレ私が質問される感じですか? 良いですよ、私は受けも得意なので!」
「語彙に悪意を感じるが、まぁ良い。 さっさと言え。」
「雪先輩とは、中学時代の先輩後輩の仲です。 私が百瀬先輩を好きになったって言ったら、応援してくれたんですよ。」
は?
いや、待て待て落ち着け百瀬零斗、、、この話自体が嘘だという可能性の方が高い
俺が立てた仮説と前提が段々と崩れていっているような気がしなくもないが、、、とにかく最後まで話を聞こうじゃないか
「どうも雪先輩は百瀬先輩に恩義を感じてるらしいんですよね。 何があったのかは訊きませんでしたが。」
「ふむふむ。」
「勇気が出なかった私を押してくれて、あの屋上に行くことができたんです。」
「それで?」
「そして告白できたと思ったら、百瀬先輩が変に誤解したみたいなのでストーキングしました。」
「いや最後だけ可怪しいわ。」
「ですよね〜! 後をつけるのは私もやりすぎかなと思ったんですよ〜!」
「、、、ハァ。」
目を見た感じ、嘘はついてなさそうなんだよなぁ
「俺が訊きたかったのはここまでだ。 それで? 君は何か訊きたいことがあるのか? 今なら大抵のことは答えてやるつもりだが。」
「あ、いえ特に無いです。」
「君が呼び出したんだよな⁉」
「アッハハ! 冗談ですよ〜。」
「冗談は先程終わったと君が言っていたんだが?」
「『JOKE〜帰ってきた冗談〜』です。」
「何故に映画のタイトル風に言う、、、」
それと、さっきから俺だけにツッコミ役が回ってきてるんだが
「では、私も本題に入るとします。」
お、雰囲気が変わった
目を鋭くさせてるし、、、ここからシリアスパートが始まるんだな
「と思ったんですが、まずはお菓子食べません? ホラ、美味しそうなクッキーですよ。」
オイ
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