第8話
「千歳綾女先輩、ちょっと良いッスか?」
「どうした百瀬零斗後輩。 君から訪れるとは珍しいな。」
「ストーカーの件、相談しましたよね。」
「あぁ、あの件だな。 明日から風紀委員が巡回することにした。 もう安心して良いぞ。」
「、、、その、犯人が分かりました。」
「ほ、本当か⁉」
「はい、その犯人からコクハクされてたみたいです。」
「チョウセンアサガオ。」
「その話はもう終わったでしょうに、、、」
遅刻して学年指導の教師にしこたま叱られた日の昼のこと
千歳綾女先輩が居るかは分からなかったが、居たら相談しようと思って自ら風紀委員室に足を運んだ
すると運良くセンパイが居て、結果的に冒頭の流れになる
「、、、ふむ、そんなことがあったのか。 1年と2年、それぞれ一人ずつ遅刻した生徒がいるとは聞いていたが、君とその子だったのだな。」
「はい。 状況はCHAOSになるわ、ご近所さんから冷たい目で見られるわで、もう最悪なんですわ。」
「混沌(ケイオス)だけ何故英語で話す、、、」
え、だってその方がカッコいいでしょう?
ま、言う友達がほとんどまったく居ないからジョークとして成り立ってないんですけどねーアッハッハ!
「おまけに放課後に呼び出されてるんですよ? これが災難ではないなら何と言うのでしょうか。」
「その、なんだ、、、喜ばしいことに私は多くの後輩から好意を向けられているが、君のようなケースは初めてだ。 君にとって嬉しい出来事ではなかったようだが、稀有な体験だよ、、、ともかく、大変だったな。」
「モテてる自覚はあったんですね、、、」
このリア充が!
リア滅の刃に目覚めそうなんだが⁉
「とにかく、気休めでも助かりました。 センパイに相談して良かったです。」
「私はほとんど役に立てていなかったが、、、」
「そんなことないです。 センパイが居たから昨日は安心して帰れましたし、解決しようと頑張る姿を見て、本当にカッコいいと思いました。」
これは本心からの言葉だ
先輩に心から感謝してるし、この人を目標にしようかな、なんて考えもした
会った当初は正義を貫こうとする姿が苦手だった、、、だが、今回の出来事で見方が変わったよ
この人は、本当の意味で心が真っ直ぐだ
時々それが裏目に出てしまうこともあるが、根本的に善人なんだよなぁ
「き、君からそんな言葉が出てくるとはな、、、意外と恥ずかしいものだ。」
え、顔真っ赤にして照れてるんですけど、、、ラブコメの主人公ならここでフラグが立つところだが、俺は違う
先輩が俺なんかに好意を持つことなど、ありえないからな!
「それではここで失礼します。」
「あ、あぁ、、、放課後、気をつけたまえ。」
こうして俺は風紀委員室を後にした
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