第2話 甘い夏祭りと日常崩壊へのカウントダウン ①
『今日は何の日だ?』と言う夕雫が僕たち四人のグループラインで送ったメッセージの着信音で、起きようと思っていた時間よりも随分前に起こされてしまった。あの子は多分というか絶対に悪気は無いと思うけど、少しは君の言動に振り回される身にもなってくれよ。って思いつつ、ベットから身を起こす。
そのまま、リビングに行こうかと思って時計を見たらまだ、午前五時!早いわ!夕方まで寝てようと思ってたのにさぁ!昨日から絶賛夏休み!なもんだからダラダラしようと思ってたのになぁ。
そうは言っても、また寝るのもなぁ。っていうわけで、いやいやながら課題の問題集が山のように乗っていて他に何も置けてない、僕の勉強机を見て…。しゃあないなぁ、覚悟を決めるか。よし!頑張ろう…
そうして、頑張ること6時間後...
「全部終わったぁ~~~~~~~~!!!!」と喜びの歓喜
「おぉ、マジか!ズボラなお前が一日で終わらすとか何があったのよ?」といつの間にか部屋にいた兄:龍一が言う。
「まぁ、夕方に楽しみなことがあるからな!そんな時に、宿題の事なんか考えたくないじゃんか。」ともっともらしいことを言ってごまかす。
「ああ、神社である夏祭りの事か?だから、浴衣貸せって言ったのか。なるほどね。そりゃぁ、楽しみだよなぁ。どうせ、いつも会ってる子と仲良く行くんだろ?」と言い始めた。
「そうだけど?・・・・って、なんで知ってんだよ⁉ そこまでは言ってないはずだろう?それに、勝手に部屋に入って来るなよ」と大焦り。
「うーん?言ってなかった?まぁ、姉の勘だよーwww。」とベットの上に横たわっていた桜良が代わりに言う。開きっぱなしのドアから、おっかなびっくりって感じで顔を覗かしている華梨もいた。
「おいおい。なんでみんな揃ってんの?なんか僕悪いことしちゃった?」
「大丈夫だよ!お兄ちゃんは別に何も悪くないから!安心して!」どうも慌てたらしい華梨に矢継ぎ早にそう言われる。
そうかなら良かった良かった。さて、行く準備しようと、兄から借りた浴衣を引っ張り出してっと。ええと?どうやって着るんだ?分からないぞ
「やっぱり無理かよ」と兄、大爆笑
何もおかしくないと思うけども?
「彼女の前だしお兄ちゃんが、一肌脱いでやろう!」とか言って急に張り切り出した。そのまま、服を脱がせようとしてきて、ビックリしたけど無事着れたので何より。さてと、時間なので行きましょう、と思って下に来たら、みんなどっか行ってしまったらしく、不気味なほど静かだった。その様子に鳥肌が立ったが、気にしないようにして家を離れた。
待ち合わせ場所は祭りが行われる神社の下に何故かにある柳の下らしい。結構待ち合わせスポットとしては有名な方だ。その道中やはり、浴衣姿のカップルを多く見かけた。そして、皆が向かう神社へとつながる長い長い石段の上には、祭り用の提灯の灯りがこれからの未来を暗示するかのごとく、煌々と瞬いていた。
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