三章 夏祭り編
第1話 夏祭りまでのありふれた日常と幸せ
昨日から、夏祭りのことで夕雫と碧唯がものすごく盛り上がっていらっしゃるんですが...
まぁ、特に夕雫が騒いでるんだけども。そういえば、夏祭りは皆で浴衣で行こうって話になったんですが、残念ながらあの四人の中で僕だけ持ってなかったんだよね。
でも、彼女さんと毎年祭りに行って楽しんでいる兄は一枚や二枚は持ってるでしょうから、その時になったら借りないとなぁ...
めんどくせぇ。借りに言ったらまたなんか言われるんだろうなぁ。けど、、皆で揃えようっていうんだから、嫌がってやらないのはいけないよな。
やっぱり夕雫に会ってから、僕はいろいろと変わっていると感じることが多くある。
例えば今だってそうだ。そんなことは昔は思わなかったのに…
日本人は何かと協調性が高くて、周りの人に合わせることが多いと思う。それが自分で嫌なことでも、その気持ちを押し殺してでも、嫌われないように人に合わせる。そのことを悪いことだ、というつもりは全くない。寧ろ、誇るべき日本文化の一つであるとも考えている。
しかし、僕は自分の気持ちを押し曲げて、歪めてまで人と同じことをしようとはしてこなかった。まぁ、だから協調性が全然ないとか言われて、その他もろもろの理由で嫌われて、現在友達が少ないっとそういう人なんです、僕は。
そんなことをボケーっと考えていたんですがね。
その事が先生にバレちゃって、ノートの回収役をしなきゃならなくなっなっちゃった…
ノートを回収するのは別に良いんだけどさ。その後先生になんか言われるかなぁって思って、もう緊張ものよ。
そんなことを考えつつ、クラス分のノートを集め終えて先生の席に持って行くため廊下を歩いていた途中、誰が出したかを記録していた名簿を教室に置き忘れていたことに気付き、取りに戻ろうと振り返った瞬間、誰かと衝突してしまった...
「いたた…。うわぁ、ノートが!!!! って、大丈夫?怪我とかしてない?ごめんね。全然前見てなくて。」と言い訳じみたことを言いつつも。目の前で僕と衝突してしまったと思しき少女に手を貸す。
「えっと、大丈夫…だよ。うん、気にしないで。まったく気にしないでください!!!!
あっ、ノート出し損ねてて、持ってきただけだから!あと、名簿も。はい。じゃあね!ぶつかってごめんね!」
と僕が話す猶予を全く与えず。ノートと名簿を渡して、走って行っちゃった。
足速いなぁ。ってそうい事じゃないんだけど。そういや、あの子汐音の追っかけの一人じゃなかったっけか?金髪だから結構目立ってるんだけど。名前はっと、
時が流れるのは早くて、もう今月も今日で終わり。詰まる所、夕雫たちが楽しみにしていた、夏祭り当日です。はぁ、面倒くせぇ。でも文句も言ってられないので、頑張ります。
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