第3話 症状

 線維筋痛症せんいきんつうしょうの主な症状は、「痛み」です。


 痛みの種類は人それぞれなんでしょうね。感じ方、表現の仕方の問題なのかもしれませんが、「痛み」って自分だけにしかわからないものじゃないですか。「幸せ」がそうであるように。……素敵なものと一緒にしてしまいましたが。


 痛みは24時間、ずっと続きます。毎日、休みなく。

 薬で少し楽になることもあれば、発作的に絶えられないのも来る。

 痛みで眠れない時もあったり、水に当たるのも痛くてお風呂に入れなかったり、音が痛くて耳栓してないと居られなかったり、光が痛くて外に出られなかったり……。泣いてわめき散らすほどの痛みが襲ってきたり……。


 痛みが主症状なのですが、他にも辛い症状を伴います。

 どうしようもない疲労感や倦怠感。力が全く入らなくて、立っていられないこともあって、寝たきりになることも。

 ドライアイ、ドライマウス……まぁ、キリがないですね。


 そんな症状の他にも、それにオマケでついてくる辛さがあります。


 一番しんどいのは、メンタル面のことですかね。


「線維筋痛症」ってほとんど知られてない病気なんですよね。だから、見た目、元気な人なんですよ。薬の副作用で体重も増えたりしてるので、元気な人にしか見えないらしいです、私も。


「それだけ元気なのに、なんで仕事しないの?」

「なんで一日中ゴロゴロしてるの?」

「怠けてるだけでしょ?」

「病気なんて嘘なんじゃないの?」

「旦那さんに対して愛情が足りてないと思わないの?」


 散々言われましたね〜。


 例えば、足切ったばっかりの人に、走れって言いますか?

 脳の手術したばっかりの人に、計算問題解けって言いますか?


 見えない病気は他人様にはわからない。

 そんな病気など大抵の人は知らないし。



 ま、不幸自慢してもしょうがないですけどね。

 ちょっとだけ。ごめんなさい。

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