信仰が神の権能を形作るとはいえ、荒唐無稽な逸話っていけるのかな?
私がこの世界に住む悪魔全員に対して演説を行い、ついで感覚で大偉業を3つ行った日から20日、この世界にやってきてから220日目の昼頃。私は今日、特に用事が無い。別に普段から用事は皆無だが、それはそれとして用事が無い。
ので、今日は出掛けることにした。いやまぁ出かけると言っても宮殿の敷地内で1人散歩するだけなんだが、気分的にはこんだけでストレスが緩和した気分になるからね。こういう些細な気分転換ってのは大事なんだよ?まぁやり過ぎると疲労が溜まるから程々にしなきゃだけど。
別に信仰エネルギーを更に扱えるよう練習する日とかにしてもいいんだが、実はもうやっている。具体的には私の周囲に極小ミニダンジョンを作ってはミニうちの子で蹂躙して破壊するというループを行なっている。やってる理由?暇だからかな。なんかちょっとしたシュミレーションゲームみたいで面白いんだよね。
まぁ兎に角、私はついに信仰エネルギーを使い、私の女神としての逸話を再現出来るようになったのである。再現出来るって言っても、大元になった無限資源のダンジョンと全く同じやつしか作れないけど。強いていうなら、今やってるみたいに視認できない小さくするとか、逆に銀河系埋め尽くすくらい大きくするとかのサイズ調整くらいで、中の構造も魔物の種類も配置も特に変えられない。コピー品しか作れない訳だ。
ちなみにわざわざ作ったダンジョンをうちの子に破壊して貰ってるのは、うちの子に環境破壊系の鍛錬をさせてるからである。ハ型世界のダンジョンは完全に資源目的だから壊せないが、自作のダンジョンなら幾ら壊しても平気だからな。鍛錬を積むのにダンジョンの大きさも関係無いし。とりあえず、今はどうすれば環境を効率的に破壊できるかより、どうすれば環境を汚染できるかの確認作業中だ。あ、勿論うちの子達の人力でだ。
今の所上手くいってそうなのは、放射線属性の魔法を沢山の人数で土地に対して使い完全に土地を殺す方法とか、火と音と光の属性を複合させた爆発魔法で地形丸ごと吹き飛ばすとかだ。ちなみにいつ使うのかとかそもそも使っていいのかとかいう疑問は無しだ。もしかしたらいつか使うかもしれないし、ダンジョンは全部自作で自分のモノなんだから好きに壊しても問題無いでしょう?大きさ的に考えてもナノサイズレベルの破壊力でしかないから私に危険性とか無いし。
「ここまで来ると蘇生の逸話とか作りたいですわよねぇ………」
女神としての逸話さえあれば何でも出来るのなら、どうせなら蘇生の逸話とか欲しいよね。どんな死に方をしても必ず蘇るって感じのやつ。それが出来たら本物の不老不死になれるからさ、折角だしやりたい。
いやさ、老化対策は莫大な魔力のゴリ押しで成長を止めたりとか、そもそも肉体の寿命が存在しない悪魔として生活するとか、精神的な摩耗や消耗も癒せるようなうちの子を作るとか、色々あるよ。けど残念ながら、死への対策は今の所皆無なんだよね。
何せ私の言う死の対策って言うのは、どんな死に方をしても確実に蘇生出来るのか?ってコトを指してるんだ。例え魂魄が消しとばされようとも、例え私と言う存在が消去されようとも、例え悪魔や器用の概念が無くなろうとも、私というモノが確実に蘇生する………そんなのそう簡単に思い付く訳ないだろ。
ちなみに何処ぞの魔法少女イモータルさんはこれら全てを受けても蘇生するチートだ。あいつ性質からして不老不死の女だからな………概念的に殺されても全部元に戻るのはもう何かのバグだろ。最近私との模擬戦のし過ぎで剣の威力と盾の防御力が頭おさかしい事になってるのもバグにしか見えない。だって1000m級の大怪物を一太刀でぶった斬ったり、亜光速とかいうバカみたいな速度の隕石を盾一つで完封したりとかだぜ?目を疑うだろ。
でも別にイモータルだけがおかしい訳じゃない。最近の超人部隊は全員が規格外ってのになり始めてるんだわ。具体的に羅列していくと、クレアボヤンスの最大偵察距離は数十万kmから数千万kmに伸びたし、テレキネシスは遂に惑星一つ単位を支配出来るようになったし、スーパーパワーはもう私の全力の身体強化ですら勝てないくらい強くなったし、タイムキーパーは時間系統の権能持ちかってくらい時間という存在に対して無法になってきている。総じて全員権能に近い出力を出し始めている。ヤバ過ぎ。
先に言っておくが、別に他の魔法少女達はそんなに無法じゃない。これは超人部隊が頭おかしいだけだ。まぁ超人部隊は全員が元から一つの才能に極振りされている奴らだからなぁ。長所とか得意とかそういう類のやつ全部を全力伸ばしまくれば、そりゃあ神の領域にだって片足、いや半身くらい余裕で突っ込めるだろうよ。少なくとも超人部隊の彼女達は全員そうしてるし。
多分、超人部隊全員VS私とかいう模擬戦をやったら私は割と苦戦するだろう。何せ、相手はほぼ権能と言っても良いくらいの出力を平気で叩き出してくる奴ら。しかも5人全員がほぼ完璧に連携してくる。部隊としての完成度がめっちゃ高いからどう考えても苦戦する未来しか見えない。まぁ最後には私が勝つけど。
まぁあくまでも、使ってくるのは権能の劣化版。マジもんの権能使い5人との戦闘なら普通に負ける可能性あるが、そうでないなら私に負ける道理などない。逆に言うと超人部隊全員が権能に覚醒したら私が普通に負ける可能性も充分あると思う。だとしても絶対負けないが。
「権能使い相手に戦うシュミレーションとかしといた方が良いのかしら………?」
と言っても、ソフィアとの模擬戦で権能を使い始めるとそれはもう本格的な殺し合いに発展する事間違い無しなので、シュミレーションとしてやるならうちの子が相手になるだろう。
ただ、私の相手として相応そうなうちの子はほぼ居ないんだよな。まぁゼロって訳でもないけど。強いて挙げるなら、逸話の元ネタが神様とかそれに類する存在の悪魔くらいかな。元ネタ依存になるから相手として相応しいかは分からんが。
とりあえず、今の所うちの子で権能レベルの出力を発揮できるのは………冥府神の悪魔と、修羅の悪魔の2人くらいだろうか?
冥府神の悪魔の方は言わずもがな、うちのヘカテーだ。別人格って訳でもないのに神としての側面事に自己認識や性格などがコロコロと変わるので、話しているとちょっと面白い子でもある。そんなヘカテーは元になった逸話から既に強いので、権能も容易く扱える。最近してる事はホ型世界で拾った女の子のティアを可愛がっているくらいなので、頼めば相手になってくれるだろう。なってくれなかったらもう1人ヘカテーを創造すりゃいいだけだ。まぁ権能レベルの出力が出せる悪魔を何人も創造するとコストが馬鹿みたいに増えるので、あんまりやりたくない方法である。コストが実質無限とは言え無駄遣いは良くないからな。
修羅の悪魔は多分初出だろう。この子は仏教の守護神である阿修羅と、インド神話において神々と対立する存在であるとされ、且つ阿修羅の元になったと言われるアスラ達の集合体な子である。基本の姿としては阿修羅らしく三面六臂、つまりはよくある阿修羅像と同じ三つの顔と六本の腕を持つ子だ。主に持つ能力は六つ。まぁ能力であって世界を掌握する術たる権能ではないが、能力そのものが権能に匹敵もしくは超越するレベルの出力なので、権能使い相手のシュミレーションとしては充分活躍出来るだろう。
能力のうち一つは永劫不滅の力。つまり無限蘇生の能力だ。これは阿修羅が由来となる能力だが、肝心の蘇生は私が権能で自動的に行う仕様である。実際の効果としては蘇生時のコストダウンだな。しかしこれがかなりの軽減率なのだ。具体的には、魔力消費量の50%減少。権能レベルの出力が出せる悪魔に必要な蘇生コストが本来天文学的な数字になると言われたら、その半分も軽減してくれるのは実に嬉しい機能だろう?まぁそもそも本体が強いから滅多にやられないけどね、修羅の悪魔。
二つ目は修羅王としての技術力。ありとあらゆる武器種を扱う鬼のような怪力、圧倒的なまでの技術、そして攻撃時に相手の無敵系能力を貫通する初見殺し能力と、これ一つだけで幾つもの効果を発揮できる素晴らしい能力だ。まぁ元ネタとして参考にしたとは言え、一から作ったのは私なんすけどね!
三つ目は無敵化。こちらは阿修羅ではなくそれの元になったと言われるアスラ達の能力だ。アスラ達は自らに想像を絶する厳しい苦行を課すことによって神々をも超越する力を獲得し、幾度となく神々から世界の主権を奪うことに成功している………らしい。その神々をも超越する力というのが、三つ目となる無敵化の能力である。
まぁ能力としての具体的な効果としては、厳密には特定条件以外のあらゆる攻撃を通さない結界みたいなモノである。例を一つ挙げるとするなら、時間帯が昼か夜、室内か室外の地上か空中に居る時に、神、悪魔、人、獣が使用するあらゆる武器からの干渉を無効化する能力………とか。そういうのがあと何種類かあり、それらが全て混ざっているのが、この無敵化の能力なのである。
一応、条件を満たしていない攻撃に対してこの能力は無意味に等しい。が、元から大分制限が入っているのにも関わらず、今ではそれらの無敵化能力が全て統合されているので、凡そ大半の攻撃であれば容易に無効化出来るだろう。強いて挙げるなら、この無敵化以上の出力を出してゴリ押すとかしか?まぁ能力自体が権能レベルの出力なので、最低限権能レベルの出力が使えないと無理矢理突破も出来ないが。そもそも権能使いだろうとそう簡単に突破出来るとは思えないし。
四つ目は大地沈下。元になったのはアスラのうち一つ、ヒラニヤークシャ。能力としては現在立っている大地を海水へ沈めるものだ。この能力の恐ろしいところは対象となる範囲に限界が存在せず、大きければ大陸一つを一度に全て沈めることも可能だし、局所的に周辺大地を海面以下に沈めることも可能な所である。強過ぎてヤバい。
五つ目は日月喰い。元になったのはアスラのうち一つ、ラーフ。能力としては日食か月食を今現在の天体運行に関係なく発生させるものシンプルだが、それだけだとつまらないので日食時の概念攻撃力上昇と、月食時の概念防御力上昇の能力を後付けしている。元ネタ的に考えれば太陽と月を喰らう事が出来るのだが、こちらは出来るだけでそうそうやらない。だってやったら惑星一つ消え去るし。概念的な捕食だから物理的に残んないし。やる意味が皆無過ぎる。
六つ目は旱魃障害。元になったのはアスラのうち一つ、ヴリトラ。能力としては周辺に存在する水を概念的に閉じ込めて干魃を引き起こすもの。閉じ込める手段が暑さによる乾燥か寒さによる凍結の二択なのは割と使い易い能力だろう。何せ水さえあれば乾燥と凍結の能力が使えるんだから。多分人間を直接乾燥させたり凍結させるのも出来ると思う。
とまぁ、多彩とは言い難いが、正しく神にも等しい能力を持つのが修羅の悪魔である。何なら最後三つの能力影響範囲が下手な権能より広いし、それ以外の能力も全て含めて兎に角厄介な存在だと言えるだろう。まず大地が消え去るので地上戦闘は出来ないし、何なら太陽と月に依存した能力も使えないし、水系統の干渉は全て無効化される。その上で狭過ぎる条件を突いて無効化を突破する為には、神の怪力と技術を上回る必要がある。しかも倒した所で即座に蘇生してくる。こんなやつどう倒せばと言われる事必至だ。
まぁそりゃそうだ。だって修羅の悪魔は元々神との相手を想定して作った悪魔なんだから。冥府神の悪魔と違って元になった神話や逸話が元から集合していなかったから、どうせならと複数概念の融合体にしたんだよ。そっちの方が元になった逸話が多くて、概念的な防御力上昇するし。
「んー………リリス」
「はーい、お母様。何かご用ですか?」
「散歩中で暇なの。話し相手になりなさい?」
「ふふ、そのくらいお安いご用ですよ」
1人だけの散歩というのも良いが、話し相手が欲しくなった。ので、邪樹の悪魔の1人たるリリスを創造した。別にイレーナとか私付きのメイド達を呼んできても良いんだが、今はリリスの気分かな。
「お母様お母様、なんか凄い視線を感じます」
「あぁ………
「えへ、ちょっと照れちゃいますね」
「後で会話してさしあげなさいな。喜ぶとは思いますわよ?」
「そうですね。お母様の愚痴でも話しましょう」
「
「いえ、私達は特に。ですのでメイド達の方から愚痴が無いか聞き出してきますね」
「多分、出ないと………思い………ますわよ?」
「何故曖昧な返事なんです?」
い、いや………だってメイド達は全員家具になろうとしてくるやべー奴らだから………もしかしたらその辺りで家具にさせてくれないとかいう愚痴くらいならちょっとありそうなのが………
「まぁ良いでしょう。所であのアスレチックは?」
「あぁ、あれは──」
この日は結局、リリスと散歩をして楽しんだ。
リリスと散歩をして楽しんだ10日後、私がこのト型世界にやって来てから230日目の朝。今日は私が大偉業で創造したダンジョンがどんなものか全国民に周知されたので、やっと本格稼働し始める日、らしい。ぶっちゃけ私はその辺りの事を詳しく知らない。詳しく知らないと言うか、詳しく知る気が無い。
ダンジョンがこの世界でどう使われるのかに興味など無い。どんな仕組みで使われるのかも気にならない。一応、ダンジョン関係の管理を行う組織である『ダンジョン管理ギルド』を設立しますって許可を私本人に直接貰いに来た人も居たので、ほんのりと覚えていた程度だ。個人的には我先にと突っ込んでもらっても問題無いようにしたんだが、悪魔達にとってダンジョンとは平等に開かれた神の試練みたいな扱いらしく、抜け駆けは許されないらしい。まぁ多分不満を生まない為の措置なんだろうな。
そんなこんななので、私のダンジョンがちゃんと利用されるのは今日が初なのである。初日くらいはシステム面での不備が無いか確認するのが運営というもの。という事で、私は朝から宮殿の自室でダンジョンのシステム面チェックを行っていた。
「自動蘇生機能、魔物生成機能、地形修復機能………んー、今の所全部正常ですわねぇ」
今の所、特にシステム面の不備は見当たらない。まぁ、まだ誰も中に入ってないからこんなもんか。入ってもほぼ変わらないとは思うけど………どうかなぁ。
「女神様、こちらは?」
「あぁ、それはメイド達の分の個人用閲覧機器ですわ。一人一つ、1番最初に起動した人がマスターになるから気を付けるんですのよ?まぁ
「これは………とても高価な物なのでは」
「?別に高価では無いですけれど」
だってこれうちの子だし。うちの子に値段は付けられないし、まぁ仮に付けるとしても高価にする必要は無いだろう。どの世界でもそうだけれど、貨幣制度を導入している社会の中で大量生産品に凄い価値を付ける事は出来ないからなぁ。それやっても売れるわけがない。だからまぁ配布かな。
「まぁ、ちょっとした娯楽用品ですわ。休憩時間とかに見なさいな。あぁイレーナ、それ、全員に配ってらっしゃい」
「承知致しました、女神様」
イレーナが全員分の閲覧機器を持って部屋を退出する。まぁあれ、言ってしまえばダンジョン内部の様子しか見るないスマホみたいなもんだからな。多いとは言え、ト型世界の悪魔は基礎能力が高めだからな。スマホ50人分くらいなら持ち運べるだろう。
イレーナがスマホを配布している間もダンジョンの内部システムを細かくチェックしていくが、やはりこれと言って問題点やエラーなどは見当たらない。後はもう実際に稼働している所を見ながらじゃないと分からないだろうな。
一応、事前に信仰エネルギーで作った極小サイズのダンジョンでざっと100年くらい時間加速してシュミレーションはしたけれど、誰か外部の存在が入った状態で動かした訳じゃない。誰かが入った状態だとどのくらい保つのか………それに、私の想定を完全に外れるような行動を取る奴もいる筈だ。ある程度は誘導してあるが………どのくらい効果があるかねぇ。
「あら、そろそろですわね」
そろそろ時間だ。遠隔からだし、当人達も見られている事に気が付かないだろうが、折角なので初ダンジョン入場の様子をちゃんと見届けよう。まぁ、一度に何人も入れるように入り口は何箇所かあるので、人が詰まるって事は………無いかも?まぁ、詰まったら入り口を新しく作ればいい。
ダンジョン入場の記念すべき1人目は、体躯の良い男性だ。見るからに使い込んでいる革製の防具や動きやすそうでシンプルな服装を身に付けて、手には丁寧な手入れがされている立派な両刃剣を携えている。褐色肌と力強い形の黒い角と羽も相まって、中々に強そうだ。いやまぁ褐色肌と角と羽はこの世界の悪魔みーんなそうなんだが、相乗効果的にね?
そんな彼以外にもどんどん人が入っていく。そりゃそうだ。何せ最初の彼の後ろには、数千人規模の悪魔が居るんだからな。入り口毎にある程度分散してその人数だぜ?まぁ今回は初回だから、好奇心が強くて戦闘力もあるやつしか選ばれていないらしいが、逆に言えば数千人もそういう奴らが集まったんだ。
一応、これでも初回だからお試しって事で抽選式にしたので、今回は選ばれなかった奴が数千万人規模でいるってんだから恐ろしい。応募人数が桁違い過ぎて怖いもんね。私はうちの子を増やせば何が起ころうと処理能力を上げられるので別に何億人と来られようが構わないのだが、ダンジョンを管理する側の経験が全然足りないからな。だからわざわざ人数を制限してるって訳。
「んー………」
とりあえず、何人かが魔物(っぽい感じのうちの子)と戦闘したが、特にこれと言って魔物の挙動やドロップアイテムのプールもバグったりしてないし、連戦防止のサーバー切り替え処理も大丈夫そう。
あ、宝箱見つかった。宝箱は完全ランダムで配置される特別報酬で、入っているモノは全て莫大な資源を一度だけ生み出す特殊な装置『資源ボックス』だ。一度に生成される資源の種類数が多ければ多いほどレアな宝箱になる。このダンジョンのメインはこの資源ボックスだ。これをダンジョン管理ギルドに売れば莫大な資金になるらしい。しかし宝箱は基本的にランダム配置なので、主な収入源は魔物のドロップアイテムになるだろう。
魔物のドロップアイテムは主に武器や防具などの戦闘に活用できそうな素材が多いが、上手く活用すれば今より数段階上の文明レベルすら目指せるだろう。ドロップアイテムだけでも充分な収入になるらしいから、是非ダンジョンを楽しんでほしい。
………あっ、目を離していた隙に1人死んだ。この短時間で深く潜り過ぎだなぁ。自分の力量では正面から対処できない魔物のいる階層まで素早く降りていく手腕は素晴らしいが、それで死んでしまっては元も子もないだろうに。まぁ自動蘇生処理があるから問題は無いけれど………事前に通達したが、これ一応肉体も精神も魂魄も再創造してるんだよな。テセウスの船とか気にしないのか?
ダンジョン内で死ぬと地上の指定地点で自動的に蘇生するが、入場の際に身に付けていたモノ以外は全て失う仕組みなので、あんまり死なない方が良いだろう。死亡時にドロップアイテムや資源ボックスは即時消滅する仕組みなので、再入場しての再回収ってのも出来ないし。
その日は寝るまでダンジョンの様子を確認していたが、特にエラーがあったりはしなかったので多少は安心したのであった。
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