へっ、薬に頼るより欲を満たす方が最高の気分だぜ?


レベル41なんて数値になった次の日は10月2日。イ型世界とロ型世界でもハ型世界式ステータスの利用が可能である事とステータスによる強化がしっかり存在している事を確認してからではあるが、今日も今日とてハ型世界へと赴いていた。


本日の目的はまず、ハ型世界式ステータスのスキルを獲得してみて、それを使ってみる事だ。という事で早速行ってみよう。


「ステータスオープン」



───────────────────

【個体情報】

階位 : 41

名前 : キングプロテア・スカーレット

種族 : 悪魔

年齢 : 17

職業 : 僧侶


【パラメーター】

生命 : 6,789

魔力 : 6,287

体力 : 6,789

筋力 : 6,707

耐久 : 6,789

敏捷 : 7,451

器用 : 19,000,000,000

精神 : 10,691

抵抗 : 6,789

幸運 : 6,707


【ポイント】

技術 : 82


【保有スキル】


───────────────────



そうして現れたのは、昨日と変わらないハ型世界式ステータス画面。イロ型世界式ステータスも解析理解アナライズで確認したが、魔力量がハ型世界式ステータスと同じ数値だったので、似たような計算方法の元に魔力の値を算出しているのだろう。いやまぁ、だから何だって話でもあるが。


「スキルギフト」



───────────────────

【スキル獲得】

現在の技術 : 81


【獲得可能なスキル一覧】

『消費技術:10』

浄化魔術Lv1  : 浄化の力を齎す魔術

治癒魔術Lv1  : 癒しの力を齎す魔術

補助魔術Lv1  : 強化の力を齎す魔術

防御魔術Lv1  : 防御の力を齎す魔術

生命上昇Lv1  : 生命値の能力補正値+1

体力上昇Lv1  : 体力値の能力補正値+1

耐久上昇Lv1  : 耐久値の能力補正値+1

抵抗上昇Lv1  : 抵抗値の能力補正値+1


『消費技術:20』

物理耐性Lv1  : 物理攻撃に対する10%の耐性

魔術耐性Lv1  : 魔術攻撃に対する10%の耐性

制限耐性Lv1  : 制限系状態異常に対する10%の耐性

闇属性耐性Lv1 : 闇属性に対する10%の耐性

浄化強化Lv1  : 浄化魔術の効果を10%上昇

治癒強化Lv1  : 治癒魔術の効果を10%上昇

補助強化Lv1  : 補助魔術の効果を10%上昇

防御強化Lv1  : 防御魔術の効果を10%上昇


『消費技術:30』

不死者特攻Lv1 : 不死者へのダメージを50%上昇

不死者特防Lv1 : 不死者からのダメージを50%軽減

治癒促進Lv1  : 生命の回復速度を50%上昇

休息促進Lv1  : 体力の回復速度を50%上昇

──────────────────



私の宣言と共に現れたこの画面は、ハ型世界式ステータスにおける獲得可能スキル一覧である。消費する技術のポイントと、獲得するスキル、そのスキルの説明があるようだ。試しに獲得可能なスキルの一つである『浄化魔術』をタップしてみると、『このスキルを獲得しますか? YES/NO』という表示が現れた。一度その画面を取り消してから今度は『治癒魔術』をタップしても、やはり同じ選択画面が現れる。


なるほど、これでスキルが獲得出来る訳か。基本的に消費する技術ポイントが増えるほどに効果の高いスキルを獲得出来る、ってネットの情報もそこまで間違ってないっぽい。となると………んー、どのスキルを獲得しようか迷うな………


「耐性欲しいですわね………いえ、アンデット特攻も悪くないですわ………能力補正値+1も捨てがたいですし………」


やっべ、めっちゃ迷う。私、こういう時スキルを獲得してくるタイプのゲームって、レベルアップしまくって全部のスキルを取るのが好きなタイプだから全部獲得するのは決まってるんだけど………いやぁ、初期スキルは迷うっしょ。まぁこのスキルは全部必要かって言われたら別に全然必要じゃないし、そもそも権能でほぼ代替出来るんだよ。


でも欲しいじゃん。だから全部獲ります。


「んー………魔術はそこまで要りませんわよね………魔法でどうとでもなりますし………消費30のスキルも今はやめておいた方が良いでしょうし………」


となると、最終的には〇〇上昇といった能力補正値を直接加算するスキル四つと、耐性型スキルを二つって感じが最も無難な選択だろうか。よし獲ろう今獲ろう。はーい能力補正値がプラスされるスキル四つかくとーく。じゃ、残りは耐性二つか………うん、魔術と制限系状態異常の耐性にしよう!物理攻撃されて肉体が損壊してもそこまで困らないけど、状態異常と魔法は厄介だからな………!絡め手の対策を取り辛いんなら、真正面からどうにかすりゃええってな!よし獲得!


ちなみに制限系状態異常とは、石化や凍結といった行動を制限するタイプの状態異常の事だぞ!強制睡眠や気絶などもこれに含まれるので、これ一つあれば動けないという事態を限りなくゼロに出来る訳である!


ついでに言うと、この世界における耐性系スキルはスキルレベルが10になると100%になるのだが、100%にしても物理無効みたいなのになったりはしないぞ!討伐するのに耐性無しで100ダメージ必要な相手であれば、本来の100ダメージ+100%、合計200ダメージ必要になるみたいな効果である!


話を戻して、私の最終的なステータスはこうだ!



───────────────────

【個体情報】

階位 : 41

名前 : キングプロテア・スカーレット

種族 : 悪魔

年齢 : 17

職業 : 僧侶


【パラメーター】

生命 : 6,830

魔力 : 6,287

体力 : 6,830

筋力 : 6,707

耐久 : 6,830

敏捷 : 7,451

器用 : 19,000,000,000

精神 : 10,691

抵抗 : 6,830

幸運 : 6,707


【ポイント】

技術 : 2


【保有スキル】

生命上昇Lv1

体力上昇Lv1

耐久上昇Lv1

抵抗上昇Lv1

魔術耐性Lv1

異常耐性Lv1

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あ、能力補正値のプラスってこう処理されるのか。獲得したタイミングからの補正じゃなくて、獲得するまでも合わせたパラメーターの補正なのね。元となる基礎パラメーター+現在の階位×能力補正値みたいな。だから、獲得さえすればこれまでのパラメーターにも影響出るんだろうな。


「さて………今日もアンデット狩りですわ」


勿論、今日も今日とてアンデット狩りである。目標レベルは無論、『僧侶』の全スキルを獲得可能となるレベル180である。その後は好きなように職業を変更して、変更先の職業でも全スキルを獲得する………ってサイクルの繰り返しだ。


ステータスから職業を変更するとまず発生するのは、強制的なレベルダウンだ。職業を変更すると、即座にレベルがゼロになってしまうのである。まぁ、別にレベルがゼロになってもスキルは残ったままだ。そして重要な能力パラメーターだが、こちらも職業変更と共に初期値が戻る。なので、この世界の住人からするとジョブチェンジは中々にリスクの高い行為だったりする。私には関係ないが。


ちなみに、職業を低レベル帯で変更しまくって技術ポイントを稼ごうとしても無駄である。例えば私はレベル180まで『僧侶』の職業のレベルを上げるつもりだが、一度他の職業に変更してもう一度『僧侶』の職業にした場合、能力パラメーターは兎も角、技術ポイントは前回以上のレベルになるまで全く動かないのである。むしろこれで技術ポイントを稼げてたら世界のバグを疑うわこんなん。


「今日は………まぁ、初めからアンデットドラゴンでも大丈夫でしょう。ぶん殴れば勝てますし」


私は祝福ブレッシングをかけたまま、昨日と同じく闘いに明け暮れるのだった………












数時間後、アンデットドラゴンを延々と狩り続け、めちゃめちゃ効率のいいレベルアップ方法を作り上げるほどに戦い続けた私は、僧侶のレベルが180になったので早速とばかりに全てのスキルを獲得した所である。


「はぁあー………あー………楽しかったですわねぇ………またやりたいですわぁ………」


正に悦に浸るという言葉が似合う姿になっている私の最終的なステータスが、こちらである。



───────────────────

【個体情報】

階位 : 180

名前 : キングプロテア・スカーレット

種族 : 悪魔

年齢 : 17

職業 : 僧侶


【パラメーター】

生命 : 9,006

魔力 : 6,565

体力 : 9,006

筋力 : 6,846

耐久 : 9,006

敏捷 : 7,590

器用 : 20,000,000,000

精神 : 10,830

抵抗 : 9,006

幸運 : 6,846


【ポイント】

技術 : 0


【保有スキル】

職業:僧侶

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どうだ!これが今の私である。器用のパラメーターが190億から200億に変動しているのは数字的に気持ち悪かったからキリの良い数字になるよう手を加えただけだが、今見て欲しいのはそこじゃあない。保有スキルだ。


そう、『僧侶』で獲得可能な全てのスキルを獲得した瞬間、全てのスキルが統合され、内包されたスキルのレベルも瞬間的に最大になるのである。魔術四つはかなり色々な事が出来るようになり、上昇系スキルの補正値は+10にまで進化して能力補正値は13になった。耐性系スキルも100%の耐性となり、強化系スキルも同じく100%上昇。不死者特攻と不死者特防、そして治癒促進と休息促進の四つは500%上昇にまで至っている。数字にして5倍もの効果を得られるとは、本当に素晴らしいったらありゃしない。


ちなみに、この世界の魔術は応用性が薄い。例えば『治癒魔術』である場合、魔法を使うとイメージすると怪我を治す力を発揮出来るようになるのだが、発想の転換で効果が変わったりはしない。治癒魔術であるならば、それはどこまでも怪我の治療のみを行う魔術である。スキルレベルの上昇に伴って効果量が増え、初めは軽い怪我を治すのが精一杯だった治癒魔術が、今では欠損の治療すら可能なレベルの魔術になっている。まぁ、治癒魔術の強化スキルがあるからではあるのだろうが。


それと同じように、『防御魔術』は目の前に透明なバリアを張る魔術で、スキルレベルが壁としての強度に影響を与えていた。『補助魔術』は対象の能力パラメーターの能力補正値を一時的に底上げする魔術で、スキルレベルが補正値の値に影響を、『浄化魔術』はアンデットにのみダメージを与える光を放つ魔術で、スキルレベルが最大ならアンデットドラゴンにも通用するレベルの魔術に仕上がっていた。


魔術は応用がほとんど効かないものの、具体的なイメージも何も必要無くフィーリングで素早く使用出来る為、利便性で言うならイロ型世界の魔法より上だろう。後は、魔力を追加で消費するだけで更に性能を上げられる容易さも素晴らしいと思う。イロ型世界の魔法は性能を上げるのに再構築が必要だからな………中々難しいんだ。


「次は………どの職業が良さそうかしらね?」


一度思考を切り替えて次だ。次の職業の事を考えよう。


「ジョブチェンジ」



───────────────────

【職業変更】

現在の職業 : 僧侶

『能力補正値』

生命 : 13

魔力 : 2

体力 : 13

筋力 : 1

耐久 : 13

敏捷 : 1

器用 : 2

精神 : 1

抵抗 : 13

幸運 : 1

『ポイント上昇率』

技術 : 2


『変更可能な職業一覧』

戦士    : 肉体戦闘に秀でた初級職

魔術師   : 魔法戦闘に秀でた初級職

盗賊    : 探索に秀でた初級職

僧侶    : 援護に秀でた初級職

司祭    : 浄化、治療魔術に秀でた中級職

教会騎士  : 防御、補助魔術に秀でた中級職

───────────────────



新しい職業は二つ。どちらも中級職という区分となり、僧侶で獲得可能な四つの魔術のうち二つずつを得意とする職業らしい。新しい職業の詳細も確認しておこう。



───────────────────

【職業変更】

変更先の職業 : 司祭

『能力補正値』

生命 : 4

魔力 : 5

体力 : 4

筋力 : 3

耐久 : 5

敏捷 : 3

器用 : 3

精神 : 5

抵抗 : 5

幸運 : 3

『ポイント上昇率』

技術 : 4

───────────────────


───────────────────

【職業変更】

変更先の職業 : 教会騎士

『能力補正値』

生命 : 5

魔力 : 3

体力 : 5

筋力 : 4

耐久 : 5

敏捷 : 4

器用 : 3

精神 : 3

抵抗 : 5

幸運 : 3

『ポイント上昇率』

技術 : 4

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ふむ。司祭も教会騎士も、僧侶のパラメーターから更に強化されているな。こりゃあどっち選んでもいいな………んー、まずは司祭の方かな?どうせなら治癒魔術を極めたいし。じゃ、次の職業は司祭できーまり。



───────────────────

【個体情報】

階位 : 0

名前 : キングプロテア・スカーレット

種族 : 悪魔

年齢 : 17

職業 : 司祭


【パラメーター】

生命 : 6,666

魔力 : 6,205

体力 : 6,666

筋力 : 6,666

耐久 : 6,666

敏捷 : 7,410

器用 : 20,000,000,000

精神 : 10,650

抵抗 : 6,666

幸運 : 6,666


【ポイント】

技術 : 0


【保有スキル】

職業:僧侶

───────────────────



よしよし、ちゃんと司祭になれてるな………じゃ、私はこれからレベルアップし続けて楽しいだけの作業に映るから………うへへ、戦い、戦いだぁ………!


祝福ブレッシング!」


既にハ型世界式ステータスのスキルでアンデット特攻が存在しているが、やはり匂いが嫌なので祝福ブレッシングを使用する。そしてもう一手間。私は右手の虚空から、1人の悪魔を生み出した。


「シャムシール・エ・ゾモロドネガル!」


そうして作り上げられる武器は、シミターや曲刀と呼ばれる刀剣。しかし通常の金属のみによって作られたモノではなく、エメラルドのビーズが刀身のあちこちに散りばめられている武器だ。


この子の名前は『緑玉剣の悪魔』。ペルシアの伝説アミール・アルサランに登場するエメラルドのビーズがちりばめられた剣で、元々ソロモン王が持っていたとされる"シャムシール・エ・ゾモロドネガル"に由来した概念の悪魔である。所有者への魔法干渉を無効化する力と、この剣によって与えた傷を脳髄を材料とする複数のポーション以外で治療出来なくする能力を持つ子である。


実の話、元の逸話を考えるとバチバチに悪魔への特攻武器なのだが、武器として非常に優秀なので使わない手は無い。魔法干渉無効化の能力は勿論、特に再生阻害の能力が非常に強力だ。特定の方法でなければ解除不可能という条件がある為、それ以外の方法では決して解除されないからである。もしかしたら状態異常への耐性で防がれてしまうかもしれないが、この子は権能由来の剣、神の力で作り上げた剣そのものである。生半可な耐性など容易く貫通してしまうだろう。


確かに、ハ型世界は異世界だ。私はあくまでも世界の異物で、私の能力を形成している力の多くは元となるイロ型世界のモノであり、ハ型世界のモノではない。今居ない世界よりも今居る世界の影響を受けるのは当然だ。日本には日本の、外国には外国の法律があるように。または、国によって常識や言語が全く違うように。基本的に、観光客とはその土地や世界に縛られるモノなのだ。それは、私も例外ではない。


でもそれは、こっちも同じだ。


「きひひっ!あははっ!何処からでもかかってきなさいな!!」


我が権能。これは、目の前の世界を掌握し、己が世界を作り上げるモノ。であるならば、権能とは我が世界の理そのもの。あらゆるモノが今居る場所の法則に縛られるというのなら、私の権能の中に居るモノは私の法則に縛られるのも当然だろう?あちらが優勢だと謳うならば、こちらが優勢になればいいだけだ。権能由来の存在なら、それくらい出来ようとも。


「さぁさぁさぁさぁ!!このわたくしを存分に楽しませなさいなぁ!!!!」


襲いかかってきたアンデットドラゴンの腐食ブレスを横跳びで避け、第八アップデートによる空中歩行で虚空を蹴り抜き、緑玉剣でアンデットドラゴンの首を綺麗に切り落とす。生きているドラゴンとは違って強靭な鱗や魔力による防御能力が無くなり、その分のエネルギーを活動や再生能力に割り振っているアンデットドラゴンだからこそ、この曲刀の再生阻害能力が真価を発揮するのだ。


脳髄を材料にしたポーション数種類を使用しなければ解除されない、絶対的な致死の傷。とある恐ろしい角を持つと謳われた悪魔、その母たる魔女が作り上げたモノ。母が子を思い、魔術で以て作り上げたその武器以外はその体に傷を付けられなくなるという、一種の呪いまじない。子たる悪魔はそれが貴重な武器であり、更には唯一自分を傷付けられる武器である事、そして所有することで魔法から身を防ぐ能力があるが故に、母からの贈り物を厳重に守っていた………という、逸話が元となった武器である。


その逸話故に、悪魔に対する特攻と、魔術に対する防御能力、そして絶対的な再生阻害能力を持つ曲刀。それがこの武器なのだ。こうして使っているとわかるが、非常に強い。


元となるシャムシールという武器の言葉の意味は"剣"であり、それが時代が進むのに応じて"曲刀"などと呼ばれるようになってきたのがこの武器である。刀身の半分くらいから反りが入っているので突き攻撃には心底向いていないが、真価を発揮するのは馬上戦。馬に乗り、すれ違い様に敵を斬る事を得意とした武器なのだ。


そして私は、馬以上のスピードで相手とすれ違える。その結果生まれるのは、周囲のアンデットドラゴンの首付近をすれ違い、再生阻害効果付きの刀で首を一刀両断するだけの殺戮機械だ。


「きひひっ!きひひひひひひひひっ!!あはははっ!あはははははははっ!くふふふふふふっ!くふふふっ!あははははははっ!」


狂気的な笑い声をあげながら寸分のズレも無くドラゴンの首が一瞬で無数に落ちて行くその様は、一体何に例えられようか。思考はここまで冷静であるというのに、笑い声は止められないし、身体の動きも止められない。………いや、止める気が無い、と言った方が正しいか。


だって、楽しいんだもの。


本当に、心の底から、自分の欲望を叶えるのが、楽しい。欲望を叶える度にお腹が膨れて、楽しさとは別の充足感にも満ちている。しかし足りない。こんなものでは足りはしない。どれだけの欲望を貪ろうとも、まるで足らない。たったこれだけなんかで満足出来ない。足りない足りない足りない足りない。楽しさが、欠片も足りない。


あぁ。人間って、なんて無様なんでしょう。ちっぽけな欲望を叶えたくらいで喜んで、それで腹が膨れる訳でもないのに………あぁ、悪魔って、なんて素敵なんでしょう。飢える程の欲望を満たし続けるだけでお腹いっぱいになるし、とっても楽しくて堪らない………!


「あはははっ!あははははははははっ!!きひひひっ!くふふっ、きひひひひひひっ!!たのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいたのしいっ!!!くふふっ、きひひっ!あははははははははははっ!!!!!」


絶死の刃を音速以上で振るう度に、竜と謳われた生命体の死骸の首が跳ね飛んでいく。本来出来る筈だった再生能力を喪失し、死に至った竜は塵となり、腐敗した竜骨か腐敗した竜肉を地に落とす。しかし、私の目当てはそれじゃない。故に捨て置かれる肉と骨の山が、私の周りに無数に散乱していた。


この日は結局、最後まで戦い続ける私なのでした。

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