絶対お酒なんかより牛乳の方が美味しいって!ほら飲んで!早く飲んで!
6日後のアールの月の7日、即ち1月7日。この日を以て、私はこの異世界に1年も滞在した事になるのである。そんな異世界1年目記念の日に、私は。
「………アリス?」
「はい。なんでしょう?」
「………あのね?アリス。私今仕事中だって分かってるよね?」
「勿論ですよ。私の瞳は真実しか見えませんから。それがどうかしましたか?」
「どうかしましたかじゃなくてね?」
──何で私は夜営業中にアリスに抱きつかれてるの?
「むぅ。いいではないですか。私はアオイに抱きついていると安心するのですよ?」
「知ってますよ?」
昨日もアリスは私を抱き枕に、私もアリスを抱き枕にし合って眠ったじゃないですか。しかも毎回安心するって言うじゃないですか。それくらい底抜けの馬鹿な私でも分かってますよ?むしろこれでわからなかったら私は何処の鈍感系ハーレム主人公かってくらいです。いや別にハーレム無いけども。そもそもハーレムとか絶対無理だし特にやりたくもないけど。
「むぅ。知ってるならいいじゃないですか。今の私はぽわぽわしてるんです。黙って私の抱き枕になってください」
「いやその事を知っているとこの状きょ、待って、ぽわぽわ?」
何その擬音?ぽわぽわ?えまって、それってもしかしてお酒飲んで気分が良いとかじゃないよね?
「はい。ぽわぽわです。ふわふわです。気持ちいいです」
「もしかしなくてもお酒をお飲みになりました?」
もしかしてそのお手にもたれているコップの中身はお酒だったりしましたか?間違えてお飲みになられてしまったりしましたか?
「はい。美味しかったです」
「つまり今のアリスは酔ってるのですね?」
「はい。そうですよ」
うーんこれどうしよっかなぁ。確かによく見なくても顔が赤い。というか耳が赤い。うーんこれ気が付かない私の方がアホだったのでは?いやでも明かりの反射かと思って………ちょびっと飲んだだけなのにこの酔い方はアリスのお酒耐性が皆無でちょっとだけ草なんだが、しかし酔ったアリスの矛先が私に向けられているからそこまで草ではない。ちょっと心配するレベルでお酒に弱いやん?
「私は仕事中ですから、大人しくレイカとフェイと一緒に眠りませんかー?」
「嫌です。アオイと一緒じゃないと嫌です」
「うーん」
私の仕事が出来ないんだが………レイカもフェイももう寝てるから助けが呼べない………いや、1人助けてくれそうなのがいるな。紫悠?あいつは使えねぇからいいのよ。どうせ助けないで笑うだけだから。いやまぁ、最終的には助けてくれるかもしれないけど、その過程で笑われる可能性があるから普通に選択肢に入れたくないよね。そもそもあいつ今仕事中だし。いやまぁ今から話しかける人も仕事中だけどね?
「ミナ………助けてくれ」
「無理。自業自得よ。貴女がどうにかしなさい?
「無慈悲な奴め………」
「何か言ったかしら?」
「イイエナニモ」
くそぅ。頼れる仕事仲間は頼れねぇ!目が死んでる訳じゃないけど!店長に頼ろうにも店長は今料理を作るのに夢中!紫悠は皿洗いながらやっぱり笑ってるし使えねぇ!レイカとフェイはもうぐっすり………!お客さん達は遠巻きに笑ったり楽しんだりしてこっちを見るだけで助けようともしないじゃないか!フォージュさんも私の方見て爆笑してるし!お前もう酒持ってってやんねーからな!しかも今日に限って優しいリリーさんとか、割と頼りになるミゼルとか、私と気の合うアオナお姉ちゃんとか、最強微睡み図書館司書美少女エルフのコルトさんとか、ブレイブさんもマリィさんも誰一人として仲良さめのお客さんがいねぇ!その他にもピンポイントで私の知り合いだけ来てねぇ。私の運が悪いんか?まぁ悪いんやろなぁ。
「アオイ。色々と考えてないで、私の抱き枕として働いてください」
「いや、今仕事中だから………アリスの抱き枕としての仕事はこの後だから………だから離そ?ね?」
「嫌です。仕事の掛け持ちはしないでください」
「突然仕事を入れてきたのはアリスなんですけど………」
話の流れが割と理不尽なんじゃが………?私はどうすればいいの………?助けてア◯パンマン。
「というか、立ち続けるの辛いんで座ってもよろしい?」
「いいですよ。私はアオイの膝の上です」
「はいはい………」
なんか凄い甘えてくるじゃん。何?私ってばそんなに安心する?そんなリラクゼーション効果なんて私にあるの?それとも何?もしかして私がマイナスイオンとかでも発してたりする?それとも私が他人から安心されるみたいな魔法でもかかってる?なんかもう訳わからんのだが………とりあえず座ろう。よいしょ、っと。
「(無言で椅子に座るアオイ)」
「(無言でアオイの膝の上に座るアリス)」
「「………」」
………なんだこの状況。というか、仕事………
「(ニコニコと嬉しそうなアリス)」
………まぁ、別にこのままでも、忙しい期間は過ぎたし………いっか。アリスが嬉しそうなら、うん。というか、これってつまり公然にサボれるって事だもんね?よし、なら歓迎よ!頭でも撫でたげよっか?よーしよしよし。なんかもう吹っ切れたわ!はーかわいっ!アリスは可愛いなー!
「(無言でアリスの頭を撫でるアオイ)」
「(ニコニコと凄く嬉しそうなアリス。更には犬のようにうなじをアオイにスリスリし始める)」
「(無言でニヤつきつつ葛藤し始めるアオイ)」
くっ………!!刺激が強い………!!美少女がそんな事しちゃダメでしょ!死人が出るぞ!主に私とか!!!いや原因は頭を撫でた私だけども!!
「………アリス?」
「んー?なんですかー?」
「………何でもないよー?」
私の膝の上に可愛いの化身が居るんだが?私の中の悪魔と天使がどっちも可愛いって連呼してて私に対して何にも助言してくれないが?………まぁ私の場合、心の中の悪魔しか居なさそうだけどな。草。………いや草じゃないが?草を生やすな草を。今一瞬だけ確かにとか思っちゃったし納得もしちゃったけど、でもそれとこれとは話が別ベクトルなので後回し。とりあえず頭でも撫でたげよ。
「………よしよし」
「んー!」
何々何なの?私を可愛いの過剰供給で殺そうとしてる?実際有効だよっ!酔ったアリスが凄い甘えてくる。普段の清楚で丁寧なアリスも可愛いけど、今見たいな清楚で甘えんぼなアリスも可愛い。………今思ったけど、アリスって酔っても記憶飛ぶタイプなのかな?それとも残るタイプなのかな?こんなに甘えて後で思い出して真っ赤になったりしないだろうか………真っ赤になって照れてるアリスを想像したけど、凄く可愛いから別にどっちでもいいか。覚えてなくても私以外の誰かが教えるでしょう。私は側からニコニコして見てるだけでいいや。
「アリスー?」
「はーいー?」
「うーん」
可愛い。動物に例えるなら猫というより犬みたいだ。まぁ私は人間以外の動物のことそんなに好きじゃないけど。私は実の所、人の形をしていないもしくは人の言葉を話せないという二つの点をどちらも持たない生命体がそんなに好きじゃない。話せる猫とか話せる鳥とか話せる肉塊とかもうとりあえず会話できれば大抵好きだし、会話はできないけど人の形してこっちを殺してくるような生命体でも正直言って好きだ。そして人型であり会話が成り立つ人間という種族が私は1番好きなのである。これは今のところ紫悠にしか言った事が無いが、別に秘密でもなんでもない。ただこの世界だとそのどちらも満たせないけど知的種族として存在している種族がある可能性があるのであんまり言ってないだけだ。あいや、待て。そういやアリスにはこの話言ったことあるような?………言ってたな。じゃあ紫悠とアリスと………ついでにレイカも、多分フェイも知ってるっけ。おう、身内は割と知ってるやんけ。いやまぁそんなのどうでもいいけど。
「アリス、アリス?」
「なんですかー?」
「手とか握ります?」
「握りますねー、えへへー嬉しいですー」
うーん、アリスが素直だ。………いや、アリスって普段からこんなんか?いつもはあんまり私から何かしようとかは言わないんだけど、私の提案をアリスが断った事が実の所一度も無い気がするなぁ。これは素直というか………変なことしないって信頼でもされてるんだろうか?いやまぁ、わざわざそんな事する必要とか無いけどさ。というか、手を握るとか聞いちゃったから空いてた左手が奪われてしまった………残った右手君は右手君でアリスの頭を撫でてるので、両手はもう使えなくなっちゃった。なんか右手止めるとこっちをじーっと見られるから止めらんねぇや。でも頭を撫でるのやめらんねぇ!
「(スッと頭を撫でるのを止めてみるアオイ)」
「(手を止めるのと同時にこちらをじーっと見つめて不満気になるアリス)」
「(じーっと見られたのでまた撫で始めるアオイ)」
「(嬉しくて全力でニコニコし始めるアリス)」
くっ………!アリスの可愛さに殺られるっ………!!緊急離脱したいけどアリスが膝の上に居るから逃げられないっ………!!これが四面楚歌?いやどっちかってーと絶体絶命とかの方がニュアンス的には合ってるのか?ただまぁ、ずっと頭を撫でるとなると私は体力がクソ雑魚だから途中途中で休憩を入れねば右腕だけ筋肉痛とかになっちゃうので、最低でも右手と左手を入れ替えさせてほしいなぁ。お願いしたら許可を貰えるだろうか。まぁお願いするとしても後でだけど。
「むふー、えへへー?」
………とりあえず、まだまだサボれそうなのでこのままでいよう。というかもう注文する人はあんま居ないし、私とアリスだけ部屋戻って風呂入って寝てよくない?だめ?
「んー………アオイ、もっと………」
「んー」
「むふー………うふー………」
心の底から安心しきった顔してるアリスも可愛いなぁ。可愛いけどこれいつまでやればいいんだろう。そろそろ可愛いの過剰供給で私がどうにかなりそうだから終わりにしちゃダメ?とアリスに訴えるように視線を向けて手を止めると、やはりダメらしい。アリスが可愛くて不満気な表情になってしまったのでまた頭を撫でなおすと、またまた可愛くてふにゃふにゃな表情になった。これは一体どうすればいいのだろうか。そもそも何をどうすればいいのかすらよくわかっていないのだが。………まぁ、このままでも私は困らないし別にいいんだけどね?
「アオイー、あったかいですー………すぅ………」
ん?すぅ?あれよね、こういうあからさまって時は何故かアリスが寝てたりしてるんだよね………本当にアリスさんが寝てる………だと………?私の予想が当たってしまった………して、私はこれをどう収集つければいいの?
「………とりあえず、アリスを部屋に運んでいくか。ミナごめーん、アリス運んでくるねー」
「わかったわー、さっさと運んできちゃいなさーい」
「せんきゅー」
私の貧弱体力とクソ雑魚筋力でアリスを持ち運べるか不安だが、まぁなんとかなるだろう。私はアリスを抱き抱えたまま立ち上がり、ミナに一言伝えてからアリスを部屋へと運んでいく。人1人という事でやはり私の身体能力的には重たい部類に入るがしかし、だからと言って人1人を抱えられない無能という訳でも無いので頑張って部屋まで運ぶ。こういう時、レイカなら素早く運べるんでしょうけど、それは私にはちょっと難しい。なんせ、私は至って普通の男子高校生なので。
「普通、ねぇ………」
いやしかし最近思ったのだが、私は自分の事を普通の男子高校生と形容するが、異世界に転移している時点で普通とはかけ離れているのではと思ってしまう節がある。というか多分普通ではない。私の知る普通の男子高校生は異世界になんて行かないのだから。私の場合、異世界に行くっていうかいつの間にか異世界に居たって感じだけど。そういや紫悠も転移はいつの間にか居た、みたいな感じだったって聞いたけど………そもそも、私と紫悠はどうして異世界に来れたのだろうか?私の記憶が正しく、それでいて失われてなければ、私は特別召喚された訳でも異世界転生みたいに死んだ訳でも何かしら死にそうになった訳でもない。普通に登校していたらいつの間にかこちらの世界にやってきていた、というだけだ。前後の因果関係というもモノが何も無い。そう、何も無いのだ。
そう考えると、私の異世界転移は本当に偶然の産物だったのだろう。そして紫悠も同じく偶然の産物なのだろう。異世界召喚でも異世界転生でも無い、ただただ偶然。あれだ、ラノベでよくあるやつだと、次元の裂け目とかみたいなのが偶然生まれた瞬間に私と紫悠が突っ込んでしまったとか、多分そんな感じだろう。そんな小説の主人公みたいな事起こるか?とも思ったが、事実は小説よりも奇なりとも言う。だからきっと、現実は空想よりも荒唐無稽なのだろう。人間の空想など、人間の想像など、何処かの誰かの"あったらいいな"に過ぎないのだから。逆に言うなら、人間のイメージする全ては存在するのだろう。いつかきっと、空想は現実になるのだろう。空飛ぶ車も魔法使いも巨大なロボも、全てウソからホントになるのだろう。いつかの未来には、きっと。
「よい、しょっと………」
アリスを抱き抱えたまま部屋に到着した私は、部屋の扉をゆっくり静かに開ける。中に入るとレイカとフェイが私とアリスのとは別の新しく買ってきた方のベッドですやすやと眠っているので、起こさないようにアリスの事をベッドに寝かせる。その際に穏やかな寝顔が見えた。良い夢でも見ているのだろうか。そう思って私が立ち上がろうとすると、立ち上がれない。何かに腕を引っ張られている。そう思って腕を見ると、普通にアリスが私の左腕に抱き着いて離れなくなっている。うぉいこいつ全然腕を離さない。………仕方ないなぁ。アリスが安心できるまでここに居てあげるよ。うんうん、仕方ない仕方ない。アリスが離してくれなかったんだからフロアのお仕事に遅れても仕方がないものねー?んー、アリスの寝顔は割と見慣れてるのよね。だって、毎朝毎日先に起きるのは私の方だもの。そりゃ見るよ、だって見れるんだもん。美少女の寝顔を見れるとかご褒美でしょ?ご褒美だろうが。ご褒美って言え!
「んー………」
そういえば私は今年、誕生日を祝った記憶が無い。いやまぁ日付とか全く気にしてなかったってのもあるし、そもそも今年の一年は忙しかったってのもある。今年は魔法を改良したので日付も正確に分かってるし、どうせならみんなに誕生日プレゼントってやつをせびろう。現金でもなんでもいいから寄越せって言っておけばなんとかなるかな………そういやこの世界で誕生日って行事を見かけた事無いんだけど、もしかして異世界特有のものだったりするのだろうか?その場合、私も誕生日とか言うのやめるんだけど………異世界人バレしそうなので。あれかな、年末とかは正確に分かってたっぽいし、年明けで一気にお祝いしてるとか?それは普通にありそうなんだよな………まぁどうでもいいか。そもそも、私も誕生日とかそこまで深く気にしてないしな。
「………ん」
左腕に抱き着くアリスの力がちょっと強くなった。別に離れようとか思ってないのに………なんだろ、何か夢でも見てるのかな。………そういや私、あんまりアリスの話とか聞いた事無いし、私もあんまり言ったこと無いや。私とアリスはもう結構一緒の空間で過ごしてるのに、あんまりお互いの事を知らないんだよなぁ。日数換算したら100日ちょっとくらい一緒に居るんだよ?それでいてアリスの過去とかアリスの気持ちとか………本当に殆ど何も知らないんだよなぁ、私。………きっと、どこかの勇者とかどこぞの英雄とかなにかの主人公とかなら。そういう側から見てもカッコいいって思えるような凄い人達なら、誰かを救い出して直ぐにその人のお悩み解決とか過去の話とかされるんだろうなぁ。私みたいに長期に渡って一切悩みも聞かず過去にも触れず、みたいな奴居ないんだろうなぁ。
ま、私は勇者でも英雄でも主人公でも無いしどうでもいいか。それに、私はどこまで行っても受け身を貫き続けるので、アリスの方から何か言われるまで待つとしよう。言われなかったらそれまでだけど、その時は仕方ない。誰にだって秘密はあるし、誰にだって教えたくないモノはある。私にだってあるよ?ほら、私だって性癖とかはあんまり他人に教えたくないよ。ま、一言で"性癖"って言っても性癖は増えるものなので、正確にこれが"性癖"ってものは無いんですけどね初見さん。ほら、日常で不意に性癖が増えた音が聞こえてくるでしょう?皆さんもよく知ってるあの音です。ほらあれですよ、あれ。あの音です。フラグが立った時の音と似てるんですけどね?あれが鳴った時に性癖は増えるんですよ。知ってました?
「………アリスさーん………?」
そろそろ離してくれませんかー?仕事をサボれるのはいい事なんだけど、この後お風呂とか入らなきゃいけないから明日の朝までこのままとかは流石にヤバいんですけどー?………まぁ、寝てる人にこんな事言っても(言ってない)無駄なのは分かってるけどさぁ。でも、言うだけ言って(言ってない)おきたいじゃん?
「………ま、いっか」
私に抱き着いてアリスが良い夢を見れる可能性があるなら、明日までこのままでも全然良いけど。………でもなぁ、毎度毎度思うんだけど、抱き着くならもっとカッコいい人に抱き着けはいいのにって思っちゃう。私みたいなのじゃなくて。アリスは美少女なのだし、きっとイケメンと抱き合ってる図は似合うと思うんだよ。別に美少女と美少女が抱き合ってる図でも良いってか私はそっちの方が性癖には刺さるけど。ま、百合は良いものだから仕方ない。百合ってか女の子同士の絡みってのは何故か微笑ましいというか、良いよね。私は良いと思う。
「………すぅ………すぅ………」
「………可愛いなぁもう」
アリスは正真正銘の美少女だ。元の世界で街中を歩けば100人中120人の視線を奪うくらいの可愛らしさと美しさと清楚さを醸し出している。主に可愛らしさと清楚さが多いが、ふとした瞬間の美しさも感じられるのがアリスだ。でも、こうして頭を撫でたり抱き着いたりした時にちょっとだけ甘えてくるようなアリスがいる事は、きっと誰も知らない。他の誰かが知らない事を知っているのってなんかあいよね………優越感?ってのがある。だからなんだって話でもあるんだけど。
「………ねぇ、アリス?」
アリスは答えない。当たり前だ。今、アリスは眠っているのだから。でも、今だから聞いてみたい………というか、言ってみたい事がある。普段なら絶対聞かない、そんな事を。
「
「まぁ………どっちでもいいんだけどさ」
まぁ、アリスがどちらを選んでも、どうせ私は自分のしたい姿になるのだから関係無いだろう。勿論、選んだ方の姿になる頻度が高くなる可能性は否めないが、まぁ私は
「………ふぁー………」
………なんか、ベッドの上でぐーたらしてたら仕事疲れが途端にやってきた………こういう事あるよね………あっやば………これめっちゃ眠いわ………あぁ抗えない………
「すやぁ………」
瞼を閉じて、私は沈むように眠りについた。
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