疲れてる時の身体って妙に重いんだよなぁ。こう、ぐったりって感じで


時間が経つのは相当に早いもので、私はこの異世界に来てから既にきっかり2ヶ月立ったらしい。というか今日がその2ヶ月目、日数なら60日目だ。1ヶ月が全て30日らしいので、月の日数がかなり覚えやすい。前世が覚えにくいってのもあるだろうが、それでも覚えやすいのには変わりない。ちなみに、1週間は7日らしく、前世となんら変わらないらしい。


「アオイちゃーん!!ビールおかわりだっ!!5本持ってきてくれっ!!!」


「おいってめっ!!ずりぃぞ!!アオイちゃん!!こっちにも5本だ!!!」


「うるさっ………もう、せっかくサボってたのになぁ………2人同時に注文しないでよ全く………はいどうぞ、ビール5本ずつねー。もっと飲んでお店にお金を落としてくれると助かるなー」


給料が増えるから、という本音を隠すこともなく、大っぴらにひけらかす。というか、店なんてそんなもんだろう。お客さんを喜ばせる代わりに、金銭を貰う。お客さんは飲み食いできて満足して、私達店員もお金が出るから満足できる。ちなみに、今のところ私は週給で金貨2枚も貰っている。円換算すると多分金貨1枚が五万円くらいなので、私は今のところ50万くらい稼いでいる計算になるのだろうか。やば、私の給料って高い………?


ただ、ここ2ヶ月で給料の変動は今のところない。全くのゼロだ。今はなんでも、宿の方のサービスに使う新しい魔法道具の仕入れにお金を使っているらしく、私のお給料は週給から変わっていない。ボーナスもない。ボーナスって何か知らないけど、まぁ多分臨時収入とかそんなんだった気がしなくもない。まぁ、私もお金が急に必要という訳でもないので、別にいいのだけれど。そも、私のお給料にはなっていなくとも、私の今現在住んでいる場所の設備が良くなるというなら、別に限度はあるけどたくさん働いたって構わない。そのおかげでお客さんが増えて、いつかの日の私のお給料が上がる可能性だって十分ある。なら別にいい。いわば、未来への投資、に近いモノだ。


「にっしても………フォージュさん、今日も来ないのな」


フォージュさんは10日前に『久しぶりのお仕事だ』とかほざいて冒険者としてダンジョンに向かって、一昨日くらいに帰ってくる予定だったのだけれど、未だに帰ってくる気配がない。私は今、いつもフォージュさんが占りょ──ゲフンゲフン、独り占めして座っている席の一つに座り込み、私用の牛乳を飲んでサボっているが、流石に1人で飲むのは暇だ。こういう時にこそ話し相手が欲しいのに、その相手がいない。もう、いざという時に使えないな、フォージュさん。


ミナは宿屋の仕事の方に行ってしまったから、今のフロアには店員が私しかいない。まぁ、現在進行形でサボってはいるが。ただまぁ、料理に関してなら私より格段に美味しい料理の作れる店長さんがいるので問題はないし、別にサボってると言ってもただただ注文がないだけなので、サボってるって言うか仕事がないだけだけど。


「暇だぁ………」


話し相手がいないのは、少し寂しい。というか暇。………けどまぁ、いないならいないで1人で楽しくしているだけだ。私はそこまで喋るのは得意ではなく、どちらかというと人の話を聞くのが得意なのだ。自分から話題を出すわけでもなく、相手の話を聞くだけ。別に話すこともできなくはないが、喋るのは実に面倒な行動だ。正直、悟り妖怪とかに心を覗かれてる方が格段に楽だと思う。いや、正直言って、私としては頭の中で会話することすら面倒くさいかもしれない。


どうして私がこんな話をしているのかというと、実は、私が最近覚えた新しい魔法の中に念話みたいな魔法があるのだ。念話と言っても、私の念話を使えるのは、私と契約をしている存在だけに限定される。今の私なら、悪魔フクロウのアクだけになる。喋ることのできないアクと会話ができるようになったあの時は、地味に嬉しかったものだ。で、その魔法を使おうとしてこうやってうだうだしていた訳だが、さて、繋がるだろうか?


『あ、あー、アク、聞こえてる?』


『主様?どうかしましたか?』


『いや、魔力線の練習がてら、アクと話そうかなって思って』


契約存在と念話をする魔法の名前は、魔力線マジックライン。魔力で構成された線を契約存在まで伸ばし、思念による会話を可能とする魔法だ。つまりは、契約した相手とテレパシーが出来る魔法だ。契約属性の魔法である為、私の場合はかなり燃費よく使うことができるんだとか言われた記憶がある。私の契約属性の適性は本当に凄いらしい。あんまり実感は無いけども、凄いらしい。なんでも私の場合、まだ危険と言われている為作れないが、複合魔法という魔法で契約属性を混ぜ込むと、魔力の効率がかなり良くなり、魔法の効果が何倍にもなるんだとか。それだけ、私は契約属性に適性があるらしい。まぁ、まだ実感の欠片もないが。


『話す、ですか?それでは、私が集めた沢山の情報でも効きますか?もしかしたら何か興味のある事柄があるかもしれません。主様が私に何も命令なさりませんので暇でしたからね。適当にやれそうな事はしてました』


『そういや、命令………忘れてたなぁ。特にして欲しいことも無いし、いいんだけど』


『ちょっと、それはどうかと思いますよ?対価をくれるのに、命令がないなんて………これでも私は一端の悪魔なんですから、少しくらい命令してもいいんですよ?対価だけ貰っても………まるでお小遣いみたいではないですか』


『悪い。でも、正直やってもらうことと言ってもなぁ………んー、そのまま情報収集してくれると助かるかなぁ。情報はあって困るようなものじゃ………あー、困る時もあるけど、まぁ、基本的に困りはしないから………そうだなぁ。とにかく片っ端から情報集めてほしいな………できる?』


『はい、それくらいならできますよ。あ、主様。一応ですけど、音属性の魔法を使う許可をいただけますか?』


『え?許可?まぁいいけど』


『それじゃ………よっと、行ってきますね』


『頑張ってー』


私はそこまで会話をすると、アクとの魔力線マジックラインを終わりにした。この魔法はとても便利だが、契約存在との距離が離れれば離れるほど魔力の消費が増えていくので、長時間の使用は、今の私の魔力量だとちょっと辛いのだ。アクがいるのは少なくともこの街の中という限られた範囲なので、そこまで多くの魔力を消費しないというのは幸いだろう。だがしかし、魔力の消費が目に見えてあると言うのは少し疲れるので、気持ち早めに切ったのだ。結果的にはよかったかな。


「髪………長くなってきたなぁ………バッサリ切りたいなー………」


この世界、何故か髪が伸びるスピードが明らかに早い。前の世界だと調べたところによると早くても1ヶ月で1cmくらいらしいが、測ってみるとこの世界だと1ヶ月で5cmくらい伸びるらしいのだ。つまり、2ヶ月滞在した私は10cm近く髪が伸びている。この世界に来たばかりの時は髪は肩についていなかったというのに、もう髪が肩に余裕でついている。正直邪魔なので切りたいのだが、それをできない理由がある。


「あら、ダメよ。私と同じくらいになるまで切らないでほしいわ」


「切らせろ」


その理由とは、ミナに髪を切っては駄目と言われたからだ。この、今私に話しかけてきたこいつが原因なのだ。こうなるとミナは意思を絶対に変えないと流石にわかっているので、余計なことはしていない。というかできない。髪を切ったら何されるか分からないから切ってないだけだ。なんでも、ミナは私にミナと同じ髪型のポニーテールにしてほしいらしく、髪が伸びるのを待っているらしい。なんでと問いただしても答えてくれないので、私はもう諦めている。


ちなみに、毛の話繋がりでムダ毛の話をするのだが、なんか知らないが、私はこの世界に来てからムダ毛が一切ない。まるで、消滅したかのように無くなっている。私の予測だと【性別神の加護】が関係していると思っているのだが、今のところよくわかっていない。というか、異世界に来た瞬間には既にムダ毛が無くなっていたような気もするんだよな。正直あんまり覚えていないのだが。ミナに聞いてもフォージュさんに聞いても知らないなら、多分加護なんだろうなぁーって適当に推理しただけだけど………まぁ、そこまで私には関係ないか。割とどうでもいいし。


「いいじゃない、ポニーテール。カッコいいわよ?」


「それならバッサリ切りたいんだが?」


「ダメよ」


「………そっすか」


もう、私が折れた。別に邪魔なだけで動きを阻害する訳でもないのだから、別にいいや。面倒だ。これ以上は確実に面倒になる。なら、私の方が潔く折れよう。デメリットはほぼ無いに等しいのだから………うん、私が嫌なだけで、別に直接の害は特に無いし………いっか。


「それにしても、フォージュさんは今日も来ないのねぇ。アオイがこんなに待ち焦がれているというのに………」


「へー、どこのアオイさんが待ってるんだ?」


「貴女のことよ」


ミナ、ナイスツッコミ。私の想定していたツッコミが返ってきてくれて私は嬉しいぜ。でも別に私、フォージュさんの事は待ってないのだが。


「わかってるって。冗談冗談」


「はぁ………アオイ、サボってないで仕事なさいよ。皿洗いくらいならできるでしょう?」


「大丈夫、さっきやった。ちゃんと終わらせてサボってるから安心してくれ」


「アオイ、貴女そういう時はちゃんと仕事するのね………」


「サボる為なら頑張れるからな」


仕事を早く終わらせて、サボる。つまり、私は夏休みの宿題を始めの方に終わらせておくタイプなのだ。面倒な時は最後に回すこともあったが、基本的には先にやるタイプだ。面倒事を先にやって、後は自堕落に生活する………ふむ、やはり私の作戦は完璧だ。面倒事を後回しにすると今は楽しくても後で面倒になってどうせやらなくなるからな………自分の怠惰な性格くらい理解してるし。理解しているからこそ、早めに終わらせておくに限る。


「とりあえず、仕事はちゃんとなさいよ?私は宿の方のお客さんに呼ばれちゃったから………破損とかじゃないといいのだけど………」


「おう、頑張れ」


ミナはそれだけ言うと、そのまま階段を登って階上に登って行った。お客さんに呼ばれたということは、何かしら起きてしまったのだろう。まぁ、私は宿の方の仕事は殆ど裏方ばっかりだから、ミナの苦労はわからないけど………南無南無。まぁ多分、魔法道具の魔石の魔力が切れたとかだろうけど。予備の魔石を部屋に置いとくと、ふっつうに盗まれるらしいからなぁ。私らが補充せにゃならんって訳よ………私は面倒で補充したことないけどな!やり方も知らんし。


「ん、あ、フォージュさんじゃん」


私が色々と思考していると、フォージュさんがやってきたらしく、酒場の中が少し騒がしくなった。Aランク冒険者ってのはかなり有名らしいけど、私はフォージュさんがどれだけ凄いのか知らないんだよなぁ。だってまだ一回も戦ってる姿を見たことないし………強いのは知ってるんだよ?けど、どう強いのか知らないんだよなぁ………


「おかえりーフォージュさん。ビールいくつ欲しい?」


「………2本くれ」


「2本?りょうかーい」


2本か。いつもは5本とか頼むのに、今日は2本にしとくのね。肝臓でも痛めたのかなぁ?なんかどことなく疲れてるっぽいし、きっと疲労感であんまりお酒を飲む気になれないんだろう。ダンジョン行って帰ってきて、それでお酒………まぁ、普通に疲れてるだろうしなぁ。


「ほい、ビール2本」


「………ありがとな」


「どいたましてー」


なんか元気ないな、フォージュさん。よっぽど疲れてるんだろう。うんうん、そういう時あるよね。無性に身体が重くて疲れるなって感じる時………お風呂入ってぐっすり寝ると次の日にはなんとかなってるもんだけど、疲れてる時はかなり怠いんだよねぇ。フォージュさん、頑張れ!後、疲れてるならあんまりお酒飲まない方がよくない?別に直接言う気はカケラもないけどさ。


うし、仕事したしサボろう。フォージュさんとおんなじ机で私は牛乳、フォージュさんはお酒を飲んでるけど、今日のフォージュさんはとっても疲れてるみたいだから、私から話しかけるのはやめとこう。疲れてる時に話しかけるとめちゃくちゃ苛つくの私知ってるから、私は話しかけたりしないぜ?少なくとも私はイライラするからな………普段ちょっとやそっとじゃ怒らない(怒るのが面倒くさい)私が本気で苛つくくらいだからな………きっと普通の人ならブチ切れるくらい苛つくことだろう。普段は空気の読めない馬鹿な私でも、流石にわざわざ地雷を踏み抜くようなことはせんよ………


「………はぁ………」


お、フォージュさんがため息ついた。本当に疲れてるんだなぁ。フォージュさん、普段ため息なんか吐かないのに。というか、お酒飲みに来る前に家で寝ればいいのに。明日改めて来た方が絶対良かったと思うんだけど………まぁ、疲れてる時こそ好きなものを飲んだり食べたりしたいってのはわからなくもないから、私が口出しできることじゃないか。私の場合、疲れてる時はとにかくありとあらゆることが面倒で直ぐに寝るけどね。あれよ?まるで身体のスイッチがOFFになったのかってくらい直ぐに寝るからな私。


ほんと、ふっと意識が無くなったかと思うと、次の瞬間には次の日だから、かなり怖いよあれ。本当にあの寝方はちゃんと寝られてるのかと疑いたくなるような寝方だけど、まぁ、疲れは取れてるから寝てるんだろうなってのはわかる。その後に朝風呂でもすれば、もう完璧な朝ってやつよ。目もスッキリ、身体もスッキリで完璧よ完璧。


「………フォージュさん、大丈夫?疲れてるみたいだけど………


なんか、普段と比べてかなり疲れてる。そんなに疲れてると凄く心配になるんだけど………本当に大丈夫?


「………あぁ、まぁ………疲れてる訳じゃねぇんだ………ただ、なぁ………色々とあって………」


あ、なんだ。疲れてる訳じゃなかったのね。けど、疲れてるわけじゃないならなんでそんなため息ついたりしてるの?落ち込んでる?何かあったのかな?


「色々?それは私が聞いてもいいやつ?」


「………まぁ、いいんじゃねぇか………?」


「じゃあ聞くけど、何があったの?疲れてないならさ」


「………それがな………嫁と子供に逃げられちまって………」


「え、逃げられた?」


「あぁ………俺みてぇな大酒飲み、いらねぇんだとよ………しかも、やってる仕事は危険な仕事………嫁さんに愛想尽かされちまったんだ………はぁ………」


「………なるほど」


お嫁さんとお子さんに逃げられてしまったって言うのは、やっぱり愛想を尽かされてしまったってことか?マジかよ。だから落ち込んでたのね、フォージュさん。確かに冒険者の仕事は命がけだから、そりゃあ結婚相手としては心配だよね。しかもAランクとかいう高いランクで、敵もかなり強いってなると………心配過ぎてしきれなくなったのかなぁ?私にゃよくわからん。まだ結婚したことも無いのにわかるわけないじゃんねぇ。あぁでも、ストレスで胃とかに穴は開いてそう。それかストレスで髪の毛抜けてそう。


「俺ぁ………こっからどうすりゃいいんだろうなぁ………」


「さぁ、私に言われても………とりあえず仕事はして?」


仕事しないと生きてけないからな。とにかくなんでもいいから、お金を稼ぐことは忘れちゃいけない。こんなに落ち込んでると急に自暴自棄になるって聞いたことあるし、それだけは止めないと。流石にフォージュさんという収入源を失うのは駄目だと思うからね。別に私的にはフォージュさんが誰に逃げられようがフォージュさんがどれだけ落ち込んでいようがどうでもいいけど、フォージュさんがこの店に来なくなるのは不味い。毎日かなり飲んでくれるから私のお給料が増える日が近くなってきてるのだ。だから、今居なくなられては困る。いつか私のお給料が増える時に居て貰わないと………私の未来のお給料が減る!


完全に自分の為にフォージュさんを励ますけど、許して?ふっふっふ、人は心が弱い時に助けられると、その人に恩を感じる生き物なんだよ?今のフォージュさんはかなり落ち込んでるみたい。つまり、心が弱ってる訳よ。そんな時、私が何かしらの手を差し伸べれば、私に大きな恩を感じる筈!そうすれば私の為にこのお店にいっぱい来てくれるだろうし、フォージュさんも立ち直る………筈!なんかふわっとしてる作戦だけど、やらずに後悔よりやって後悔!さぁ!私の巧みな話術を食らうがいい!!いやまぁ話術ってそういうもんじゃないけど!


「………仕事、なぁ………俺は、このまま冒険者やってていいのか………?」


「いいんじゃない?フォージュさん、今の仕事嫌いなの?違うよね、嫌いじゃないでしょ?むしろ好きでしょ?嫌いならそこまでやってこれなかったんだから」


例え嫌いでも、私の言葉で好きと思えるように誘導!そしてとにかく私の発言に対して肯定させる!ここで嫌いって言われたら何もできないから、ここはすこーし強引に!


「………そうだな、俺は冒険者って仕事が好きだ………けど………なぁ………」


「そんな弱気になっても仕方ないよ、フォージュさん。家族に逃げられから何?それでフォージュさんは諦めるの?もう冒険者もやらずにそのまま惰性で死んでくの?そこでフォージュさんの人生って物語は終わり?」


「………それは………」


「違うでしょう?まだフォージュさんの人生は続いてるし、物語も終わってない。でしょ?むしろこれからだよ、これから。まだ物語に一区切りついただけ。………ねぇ、そんな所で諦めないで、フォージュさん。落ち込んでるから何?落ち込んでても収入は増えないし、悲しんでても何もできないよ?」


「………そうだな、そうだ。俺は、まだ終わってねぇ」


!ここだ!畳み掛けろ私!


「そう、終わってない。まだまだこれからだよ、フォージュさん。むしろ始まったばっかりじゃない?今は次の章までの幕間で、繋ぎの部分だよ?次の章には立ち直った主人公フォージュさんが新しい事に挑んで、そして物語は続いてくの。わかる?」


「あぁ!………そうだな、次の章になったら気持ち切り替えねぇと。幕間で終わっちまったら面白くねぇからな」


「そうそう、幕間で終わられると私の収入源が減るから、これからももっとこのお店にお金を落としてくれると嬉しいよ?私に貢いでくれてもいいんだよ?」


「誰が貢ぐかよ。………あんがとな、アオイの嬢ちゃん。助かった」


「別にフォージュさんを助けた訳じゃないから気にしなくてもいいよ。ぜーんぶ私の為。ほら、早くお金落として」


「………そうだな、ビール追加だ。今日はとことん飲んでやる!10本追加だ!!」


「はいよー、りょうかーい」


ふっ………ミッションコンプリート。我ながら完璧なお仕事だった………私の才能が怖いぜ。これで、フォージュさんはなんとか立ち直ったかな?私に恩も少なからず感じた筈だ。これなら、これからもお金落としてくれる筈だし、多分もう平気だな。私の未来のお給料の減給は阻止できた訳だ!はっはっは!私の勝利よ勝利!!


「ほい、ビール10本ね。もっと飲んでくれたら私嬉しいよ?ほらほら飲んで?」


「流石にそんな一気に飲めねぇよ急かすな!」


あ、ちょっと怒られた。調子乗っちゃったかー。調子のビックウェーブ乗っちまったかぁー?






次の日、フォージュさんは久しぶりの二日酔いで倒れたそうな。飲み過ぎだっつーの。だから逃げられるんだよ?

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