機械音痴
彼女のメールへの緊張を落ち着けたところで、満を持してメールを開いてみると、そこには私の予想とは反する内容が打たれていた。その内容は私が遅刻をしているというものであった。メール内容の反が大きすぎる恐ろしさで、私の身体は支配されてしまった。「ゴン」という鈍い音が鳴る。気づくと私は、スマホを床に投げてしまっていた。音と共に、我に帰った私は、壊れてないことを願い、そっとスマホを拾う。所々ヒビは、はいっているものの、スマホは無事であり、私は安心した。壊れてしまっていたら、予定も確認できないし、私は携帯のパスワードも設定できないほど機械音痴なので、壊れられても困ってしまう。
仕切り直して予定表を確認すると、私の記憶にはないたくさんの予定が入っていた。そこには、今日だけならまだしも、来週の日曜日にも予定が入っていた。さら追い討ちをかけるように、一ヶ月前の予定表には、休みが一日もなかった。頭は混乱しながらも、身体はいつもの手際で出勤の支度を済ませる。そして、玄関のドアノブに手をかけながらスマホを取り出し、時間を確認する。が、スマホの画面には、二十二時と表示されており、いつも私が帰る時刻であった。私は、このとき背筋が凍りついたが、同時に暖かくもあった。私はこの初めての感覚をもう少し、感じていたかったが、「そろそろブラック社の屋上にいかなければならない。」ほんの少し動きたくなかった。しかし、そこに輝かしい未来はない。と見切りをつけ、私は深夜を歩いた。ブラック社の屋上から第二回飛び降り計画を成功した。
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