第138話 ドラゴン再討伐②

ぐらっ!


「ん? なんだ?」

「どうした?」


 兵士たちが異変に気づいた。


「ドラゴンの色が変わってきてないか?」

「そう言われれば‥‥‥確かに」


ぐらっぐらっ


「‥‥‥動かなかったか?」

「‥‥‥動いた」


がばっ!!!


「!!!! ド‥‥‥ドラゴンが生き返ったー!!」

「うわぁー!!!」


 ドラゴンが起き上がった。

「いや待て、俺たちでとどめを刺すぞ!!」

「俺たちも討伐者になれるぞ」

「「行けぇ!!」」


 逃げ出すもの、とどめを刺そうと立ち向かうものを尻目にドラゴンは再度変化しようとしていた。


 最初のドラゴンはレッドドラゴン。いわゆる火属性の一般的なドラゴンであった。ドラゴン自体珍しい事は珍しいのだが。


 首を落とされたらドラゴンと言えど死ぬはずだが、この個体はある薬品を注射されていた。

 死んだ後に進化して復活する薬品だった。

 

 首の離れたドラゴンの死体をもとのように繋げた時にその薬品の効果が発動した。

 アンデッドドラゴンとして‥‥‥。


 そして再度倒されたドラゴンの身体はあらゆる魔法と斬撃を無効化する進化が始まった。


「ギャオォーーーーーーン!!」

「今のうちにとどめを刺せ!」

「行け行け! ありったけの剣と槍を突き立てろ!」

「魔法も撃ちまくれ!!」


 剣と槍の刺さったまま、ドラゴンの皮膚が変化していく。そして剣と槍の穂先はみるみる吸収されていく。


「なんだ、コイツは‥‥‥!? まるでアレじゃないか!!」


 あらゆる金属を吸収し、あらゆる魔法を無効化するドラゴンへとその身を変化させた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る